情報理論Ⅰ

科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 情報理論Ⅰ
科目番号 0127 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電子情報工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「情報理論」三木成彦、吉川英機共著(コロナ社)
担当教員 下條 雅史

到達目標

(1)平均符号長の限界を知り、情報源符号化の効率を理解出来ること。
(2)情報量とエントロピーが理解出来ること。
(3)情報理論の基礎となる確率・統計が理解できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標の(1),(2),(3)について拡大情報源とその符号化について,可逆符号かどうかの判断ができ,確率分布,一情報源記号あたりの平均符号長号長,エントロピーなどの諸量の計算とその意味の説明ができること1次情報源とその符号化について,可逆符号かどうかの判断したり, 平均符号長,エントロピーなどの諸量が計算でき、それらの意味を説明できること。良の目安になる項目のうちできる項目が6割に達していない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 RB2 説明 閉じる
JABEE JB2 説明 閉じる
JABEE JB3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
情報理論は、情報の伝達・蓄積・処理の効率化、高信頼性に関する基礎理論である。情報理論は、確率過程と密接に結びついており、符号理論などの数学的な側面を、効率の良い情報源符号化や通信路の信頼性と言った工学的要求に合致した形で実現化する基本的な考え方を理解させる。情報理論Ⅰでは、特に、確率論、符号化論に絞って、情報理論の基礎を理解する。「環境生産システム工学」教育プログラムの学習・教育目標JB2「情報処理に関する基礎知識を理解できる」に対応する。
授業の進め方・方法:
本科目は、融合複合型の「環境生産システム工学」教育プログラムの基礎工学である「情報・論理系」科目群の科目です。座学を中心とし、 教科書に沿って講義を行なう。適宜演習としてプリントを配布し、理解度を深める。
注意点:
本科(準学士課程)の学習教育目標:RB2(◎)
環境生産システム工学プログラムの学習教育目標:JB3(◎),JB2(○)
関連科目:数理統計学(本科3年)、情報理論Ⅱ(本科5年)、システム工学(本科5年)
学習教育目標の達成度評価方法:2回の定期試験で評価する。ただし、各定期試験100点満点で60点未満の者に対しては、追試験の上,60点以上の場合は60点とする.
学習教育目標の達成度評価基準:学年成績100点満点で60点以上を合格とする。
この科目は、学修単位A(15時間の授業で1単位)の科目である。
 ただし、授業外学修の時間を含む。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 シラバスの説明,ガイダンス、情報理論とは
シャノンの情報理論
情報源と通信路のモデルの概要と情報理論の扱う内容が説明できる
2週 通信システムのモデル
情報源符号化、通信路符号化
情報源と通信路のモデルの概要と情報理論の扱う内容が説明できる
3週 情報源符号化、通信路符号化
標本化定理、量子化
デジタル信号とアナログ信号の特性とアナログ信号のデジタル化についてせつめいできること
4週 集合、試行
確率の定義
確率論の基礎を理解する
5週 確率変数
平均値と分散
確率論の基礎を理解する
6週 結合確率と条件付確率,マルコフ過程 結合確率,条件確率および試行の独立について理解する
7週 ベイズの定理
事前確率と事後確率
ベイズの定理,事前確率,事後確率について説明できること。
8週 中間確認
4thQ
9週 試験返却、解説、
情報源記号
情報源のモデル
情報源のモデルについて具体的に説明できる。
10週 情報量の定義
情報量の意味
1つのイベントがあったことを知った時の情報量について説明できる。
11週 平均情報量とエントロピー
エントロピーの意味
情報源全体が持つ情報量について説明できる
12週 冗長度
平均符号長
効率の良い符号
情報源符号化に関する用語の定義について説明できる。
13週 一意復号可能符号、瞬時符号
符号の木
一意復号可能,不可能,瞬時符号について説明できる。
14週 拡大情報源
情報源符号化定理
情報源符号化定理の内容と意味を説明できる。
15週 学習のまとめ
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野情報数学・情報理論情報量の概念・定義を理解し、実際に計算することができる。4
情報源のモデルと情報源符号化について説明できる。4
その他の学習内容ディジタル信号とアナログ信号の特性について説明できる。4
情報を離散化する際に必要な技術ならびに生じる現象について説明できる。4

評価割合

試験発表合計
総合評価割合1000100
基礎的能力40040
専門的能力50050
分野横断的能力10010