数理統計学

科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 数理統計学
科目番号 0129 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子情報工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「確率統計」(森北出版)
担当教員 長水 壽寛

到達目標

専門教育の基礎知識としての数学を修得するために、以下の点を目標とする。
確率においては
(1) 具体的に場合の数を数え上げられること
(2) 確率変数・確率分布の意味を理解すること
(3) 期待値・分散・標準偏差の計算および意味を理解すること
統計においては
(4) 一次元のデータのヒストグラムを描けること
(5) 相関図・回帰直線・相関係数を求めることができること
(6) 推定・検定の原理を理解すること

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1正規分布、二項分布、ポアソン分布を用いて、確率の問題を解くことができる。具体的な確率の計算ができる。確率変数、確率分布の意味を理解している。確率変数の平均および分散を求めることができる。確率の計算ができない。確率変数の平均や分散を求めることができない。
評価項目2ヒストグラムや回帰直線を用いて、データの性質を読み取ることができる。1次元のデータのヒストグラムがかける。回帰直線および相関係数を求めることができる。1次元のデータのヒストグラムがかけない。回帰直線および相関係数が求められない。
評価項目3具体的な推定・検定の問題を解くことができる。推定・検定の原理を理解している。推定・検定の原理を理解していない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 RB1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
確率と統計の基礎を学ぶ。主に下記の概念と計算方法を学ぶ。
確率においては、
1、具体的に場合の数を数え上げられること
2、確率変数・確率分布
3、期待値・分散・標準偏差
4、基本的な分布(2項分布・正規分布)
統計においては
1、一次元分布
2、相関図・回帰直線・相関係数
3、推定・検定
授業の進め方・方法:
予習を前提とし、グラフ電卓やPC等を用いたシミュレーションや課題解決を中心に進める。
節ごとに小テストを行い、適宜演習を課す。
注意点:
100点満点で評価する。前期成績と後期成績の平均点で、60点以上を合格とする。前期・後期成績=小テストの得点率×0.6+課題点(40点分)
小テストの通算得点率が6割に満たない場合は、原則、不合格となるので注意すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
順列・組合せ
簡単な場合の数を求めることができる。
2週 度数分布表 与えられたデータの度数分布表を書くことができる。
度数分布表からヒストグラムを描き、データの特徴を読み取ることができる。
3週 代表値 与えられたデータの代表値を求めることができる。
代表値の特徴を理解している。
4週 分散と標準偏差(1) 与えられたデータの分散と標準偏差を求めることができる。
分散の意味を理解している。
5週 分散と標準偏差(2) 分散・標準偏差の性質を理解している。
6週 相関 相関の意味を理解している。
7週 相関係数 2次元データの相関を読み取ることができる。
相関係数を求めることができる。
8週 回帰直線 2次元のデータから回帰直線を求めることができる。
2ndQ
9週 試行と事象、確率の意味 試行、事象、確率の意味を理解している。
順列、組み合わせを用いて場合の数を求めることができる。
10週 確率の性質、反復試行 いろいろな確率を求めることができる。余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解している。
11週 条件付き確率 条件付確率を求めることができる。
確率の乗法定理、独立事象の確率を理解している。
12週 確率変数と確率分布 確率変数と確率分布について理解している。
13週 確率変数の平均と分散1 確率変数の平均を求めることができる。平均の性質を理解している。
14週 確率変数の平均と分散2 確率変数の分散および標準偏差を求めることができる。分散および標準偏差の性質を理解している。
15週 いろいろな確率分布1 二項分布、ポアソン分布、正規分布について理解している。
16週 いろいろな確率分布2 正規分布の標準化を理解している。
正規分布と二項分布の関係を理解している。
後期
3rdQ
1週 2次元確率変数 離散型、連続型の二次元確率変数、および確率変数の独立について理解している。
2週 確率変数の和や積の平均と分散 確率変数の和や積のへいきんと分散を求めることができる。
3週 推定と検定  統計量と標本分布 全数調査と標本調査について理解している。統計量について理解しいる。
4週 標本平均の平均と分散、標本分散の平均 標本平均の平均や分散を求めることができる。標本分散、不偏分散の平均を求めることができる。
5週 正規分布の再生性
中心極限定理
正規分布の再生性について理解している。中心極限定理について理解している。
6週 二項母集団と母比率 二項母集団と母比率について理解している。
7週 いろいろな確率分布3 t 分布、カイ2乗分布について理解している。
8週 統計的推定 統計的推定、点推定、区間推定について理解している。
4thQ
9週 区間推定1 母平均の区間推定(母分散が既知の場合)ができる。
10週 区間推定2 母平均の区間推定(母分散が未知の場合)ができる。
11週 区間推定3 母比率および母分散の区間推定ができる。
12週 統計的検定1 仮説の検定のしくみを理解している。母平均の検定(母分散が既知の場合)ができる。
13週 統計的検定2 片側検定を理解している。母平均の検定(母分散が未知の場合)ができる。
14週 統計的検定3 母比率と母分散の検定ができる。
15週 学習のまとめ まとめ、振り返り
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学積の法則と和の法則を利用して、簡単な事象の場合の数を数えることができる。3前9
簡単な場合について、順列と組合せの計算ができる。3前1,前9
独立試行の確率、余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解し、簡単な場合について、確率を求めることができる。3前9,前10
条件付き確率、確率の乗法定理、独立事象の確率を理解し、簡単な場合について確率を求めることができる。3前11
1次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差を求めることができる。3前2,前3,前4,前5
2次元のデータを整理して散布図を作成し、相関係数・回帰直線を求めることができる。3前6,前7,前8

評価割合

小テスト課題合計
総合評価割合6040100
基礎的能力6040100
専門的能力000