機械工学概論

科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 機械工学概論
科目番号 0132 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子情報工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 学生のための初めて学ぶ機械工学、宮本武明ほか、日刊工業新聞社
担当教員 松本 隆康,斉藤 徹

到達目標

(1) 製品の機能性や安全性についての概念を機械工学の観点から理解できること.
(2) 物理と数学の基本知識を用いて,機械装置の基本的な運動機構の組合せ,材料強度と変形,流体力学や熱力学の基本的な考え方について認識できること.
(3) 電気・電子機器における機械工学の位置付け,役割を意識できること.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
機械運動系の形状,配置,組み合わせを理解し相対運動の挙動を解析できる。機械運動系の形状,配置,組み合わせを説明でき相対運動の挙動の解析法を理解できる。機械運動系の形状,配置,組み合わせを理解ししておらず相対運動の挙動を解析できない。
応力,ひずみ,力,力のモーメント,材料の変形などを理解し設計ができる。応力,ひずみ,力,力のモーメント,材料の変形などを理解できる。応力,ひずみ,力,力のモーメント,材料の変形などを理解していない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 RB2 説明 閉じる
JABEE JB3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
前期:機械システムにおいて,機械運動系を構成している各部の形状,配置,組み合わせの基本概念を理解し,さらにそれによって生じる相対運動の挙動について解析できることを目標とする. 機械を制御するために必要となる機械工学の知見を習得する.機構学・機械力学における解析アルゴリズムの構築に必要となる基本的な知見を習得すること.
後期:機械製品等に用いられる一般的な金属材料に作用または生ずる応力,ひずみ,力,力のモーメントおよび材料の変形に関する基本的な概念を理解し,材料強度やの安全に関する簡単な計算ができるようになること. 流体力学や熱力学の基本的な考え方が理解できること.材料力学・流体力学・熱力学における解析アルゴリズムの構築に必要となる基本的な知見を習得すること.
なおこの授業は,融合複合・新領域の基礎科目群の力学系科目群のひとつである.
授業の進め方・方法:
本科目は学修単位科目である.従って授業においては,機構学・機械力学・材料力学・流体力学・熱力学に関する授業及び演習を行い,授業外学習のための課題(予習復習や授業内容に関する調査等)を課す.前後期における授業概要と方法は次の通りである.
前期:教科書に沿って講義を行う.講義内容の理解を深めるために適宜,演習課題を課す.また,必要に応じてプリント等による補足説明を行う.
後期:教科書を用いた講義を行う.基本的なところを説明し,例題や演習によって理解をはかる.また,機構模型の提示や配布プリントで学生の理解をアシストする.必要に応じて課題レポートを提出させる.
注意点:
本科目は学修単位科目である。本科目は企業で機械開発を担当していた教員が、その経験を活かし、機械工学の全般的な基礎知識について講義形式で授業を行う。
本科 (準学士課程) の学習教育目標:RB2(◎)
環境生産システム工学プログラムの学習教育目標:JB3(◎)
関連科目:工学基礎物理Ⅰ(本科3年)、制御工学(本科5年)、エネルギー変換工学(生産システム工学専攻1年)、生産材料工学(生産システム工学専攻1年)、設計生産工学(生産システム工学専攻2年)、連続体力学(生産システム工学専攻2年)
学習教育目標の達成度評価方法:授業内容に関する定期試験(4回分)の平均点で評価する.また、合格点に達しない場合は再試験または追加課題等を課し,その評価によっては最大10点の加点を行う場合もある.
学習教育目標の達成度評価基準:学年成績60点以上

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 機械工学の役目、力と運動の世界 シラバスの説明、授業概要、機械とは、自動車はなぜ走れるのか
[授業外学習]教科書p13~18予習
2週 力と運動の世界 力と速度、加速度の関係、回転運動
[授業外学習]教科書p18~23予習
3週 力のつり合い状態、動力
[授業外学習]エレベータの中の人が床から受ける力を解く
4週 機構の世界 運動の種類を変えるしくみ
[授業外学習]教科書p32~39予習
5週 リンクに働く力、フックスジョイント、カム
[授業外学習]教科書p39~57予習
6週 機械力学と摩擦の世界 歯車、摩擦を利用して動力を伝達する仕組み
[授業外学習]教科書p57~67予習
7週 遊星歯車装置、ベルト伝動、チェーン伝動
[授業外学習]減速機の伝動問題を解く
8週 中間試験
2ndQ
9週 機械力学と振動の世界 試験の返却と解説、物体の振動
[授業外学習]教科書p78-81予習
10週 自動車の乗り心地、連続体の振動
[授業外学習]ばね質点系の振動を解く
11週 連続体の振動
[授業外学習]連続体の振動解析を理解する
12週 摩擦の効用
[授業外学習]トライポロジーを知る、教科書p93~103予習
13週 材料力学の世界 材料の選択、応力とひずみ
[授業外学習]教科書p103~113予習
14週 安全率、せん断
[授業外学習]鋼の応力ひずみ線図を理解する
15週 前期期末試験
16週 学習のまとめ
後期
3rdQ
1週 曲げとねじり 曲げ応力、はりのたわみ
[授業外学習]教科書p113~117予習
2週 丸軸のねじり
[授業外学習]教科書p117~122予習
3週 曲げとねじりを受ける軸
[授業外学習]最大せん断応力説を知る
4週 座屈
[授業外学習]曲げモーメント、曲げ応力、たわみの解析を理解する
5週 流体力学の世界 流体の性質、静止流体、質量保存の法則
[授業外学習]教科書p129~136予習
6週 運動量保存の法則、エネルギー保存の法則
[授業外学習]教科書p136~143予習
7週 飛行機の翼
[授業外学習]翼に働く揚力、抗力を理解する
8週 後期中間試験
4thQ
9週 試験の返却と解説、流れの測定法、流れの可視化
[授業外学習]教科書p143~153予習
10週 燃焼と熱の世界 エンジンのしくみと性能
[授業外学習]教科書p158~185予習
11週 熱と仕事、低公害で燃費の良いエンジン
[授業外学習]オットーサイクルのp-V線図を理解する
12週 低公害で燃費の良いエンジン
[授業外学習]教科書p185~199予習
13週 機械工作の世界 自動車の作り方、金属を削る
[授業外学習]教科書p201~217予習
14週 コンピュータと機械工作
[授業外学習]CAD,CAM,CAEを知る、機械製図法を知る
15週 後期期末試験
16週 学習のまとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験合計
総合評価割合100100
基礎的能力4040
専門的能力3030
分野横断的能力3030