到達目標
(1)情報源符号化の効率を理解でき、通信路符号化の信頼性を理解できること。
(2)ハフマン符号化が構成でき、通信路容量が理解できること。
(3)情報理論における各種エントロピーが理解できること。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | ハフマン符号が理解でき、符号化できる。 | ハフマン符号が理解できる。 | ハフマン符号が理解できない。 |
評価項目2 | 各種エントロピーの関係が理解でき、計算できる。 | 各種エントロピーの関係が理解できる。 | 各種エントロピーの関係が理解できない。 |
評価項目3 | 相互情報量および情報速度が理解でき、実際に計算できる。 | 相互情報量および情報速度が理解できる。 | 相互情報量および情報速度が理解できない。 |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育到達度目標 RB2
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JABEE JB2
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JABEE JB3
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教育方法等
概要:
情報理論は、情報の伝達・蓄積・処理の効率化、高信頼性に関する基礎理論である。情報理論は、確率過程と密接に結びついており、符号理論などの数学的な側面を、効率の良い情報源符号化や通信路の信頼性と言った工学的要求に合致した形で実現化する基本的な考え方を理解させる。情報理論Ⅱでは、具体的な符号化及び通信路における信頼性向上のための符号化法を理解する。「環境生産システム工学」教育プログラムの学習・教育目標JB2「情報処理に関する基礎知識を理解できる」に対応する。全体を通して企業等の実務経験者が指導を行う。
授業の進め方・方法:
この科目は学修単位科目「B」です。授業外学修の時間を含めます。本科目は、融合複合型の「環境生産システム工学」教育プログラムの基礎工学である「情報・論理系」科目群の科目であり、学修単位として1単位あたり45時間の学修を必要とする。当該カリキュラムは前期15週1単位のため、一週あたりの学修は180分(3時間)で構成される。このうち、学校における授業を一週あたり90分として、残りの90分は自学・自習によって各自で取り組む。学校における授業は座学を中心とし、教科書に沿って講義形式で行う。毎回、授業外学修に取り組むための演習として課題を課し、理解度を深める。
注意点:
この科目は、学修単位B(30時間の授業で1単位)の科目である。 ただし、授業外学修の時間を含む。
学習教育目標:本科(準学士課程):RB2(◎)
学習教育目標:環境生産システム工学プログラム:JB2(〇), JB3(◎)
関連科目:数理統計学(本科3年)、情報理論Ⅰ(本科4年)、システム工学(本科5年)
学習教育目標(RB2, JB3)の達成及び科目取得の評価方法:中間確認試験(50%)・定期試験(50%)で評価する。
学習教育目標(RB2, JB3)の達成及び科目取得の評価基準:学年成績60点以上を合格とする。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
エントロピーと情報量の関係の復習 【授業外学習】教科書3.2節を復習しておくこと |
講義の方針とシラバスの説明をして、具体的な評価方法を示したのち、情報理論Ⅰで学習した内容を復習する。その後、具体的な情報源符号化の方法としての確率論に立脚したハフマン符号化を学習する。
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2週 |
確率理論の復習と結合エントロピー 【授業外学習】2.1から2.3節の復習と5.1節予習 |
2種類の事象による結合確率と結合エントロピーを理解する.
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3週 |
条件付き確率の復習と条件付エントロピー、相互情報量 【授業外学習】2.6節の復習と5.2,5.3節予習 |
2種類の情報源間の条件付き確率によって定義される条件付きエントロピーと結合エントロピー・個別のエントロピー間の関係を理解する。これらの関係より、相互情報量が定義され、その性質をベン図によって理解する。
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4週 |
情報源のエントロピー 【授業外学習】4.1節予習 |
情報源とはなにかを条件付き確率,条件付きエントロピーの観点から理解する
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5週 |
マルコフ情報源のエントロピー 【授業外学習】2.5節復習と5.4節予習 |
マルコフ情報源の状態遷移図より定常確率の計算を行い、エントロピーを条件付きエントロピーとして定義することを理解する。
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6週 |
ハフマン符号(復号とブロック化) 【授業外学習】4.2節予習 |
ハフマン符号化の復号方法と拡大情報源に基づいたブロック化ハフマン符号について学習する。
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7週 |
ランレングス符号(固定長) 【授業外学習】4.3節予習 |
ランレングスを可変長のハフマン符号化することによる効率の改善について学習する。同じ情報がバースト的に生じる情報源の符号化に有効なランレングス符号について、固定長の符号化とその効率を知る。
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8週 |
中間確認試験
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各種符号化及び平均符号長とエントロピーの関係・相互情報量に関する習熟度を評価する。
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2ndQ |
9週 |
試験の解答・説明、通信路のモデル 【授業外学習】6.1予習 |
通信路の雑音に対する信頼性向上の手段としての通信路符号化の概念を習得する。
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10週 |
2元対称通信路(BSC)、2元消失通信路(BEC) 【授業外学習】教科書126ページまでの予習 |
通信路の例として、2元対称通信路及び2元消失通信路の通信路行列及び通信路線図を学習する。
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11週 |
通信路容量、BSC,BECの通信路容量 【授業外学習】6.2予習 |
相互情報量の送信側確率分布による最大化量としての通信路容量を定義し、実際にBSC/BECに適用して計算方法を習得する。
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12週 |
平均誤り率 【授業外学習】6.3予習 |
通信路符号化に対して、出力側のグループ化により誤り通信が軽減されることを理解し、具体例により平均誤り率の計算を習得する。
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13週 |
情報速度 【授業外学習】6.4前半予習 |
通信路符号化の時に必要となる情報速度と通信路容量との関係から、誤りなし通信の概念を学習する。
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14週 |
通信路符号化定理 【授業外学習】6.4後半予習 |
通信路符号化定理の簡略証明をランダム符号化と出力のグループ化の概念を用いて学習する。
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15週 |
学習のまとめ 【授業外学習】教科書問題等総復習 |
情報理論Ⅱで学習した内容の総括を行い、理解度を向上する。
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16週 |
期末試験 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 情報系分野 | 情報数学・情報理論 | 情報量の概念・定義を理解し、実際に計算することができる。 | 4 | |
情報源のモデルと情報源符号化について説明できる。 | 4 | |
通信路のモデルと通信路符号化について説明できる。 | 4 | |
評価割合
| 試験 | 合計 |
総合評価割合 | 100 | 100 |
基礎的能力 | 40 | 40 |
専門的能力 | 40 | 40 |
分野横断的能力 | 20 | 20 |