情報数学

科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 情報数学
科目番号 0178 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電子情報工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「はじめての離散数学」 小倉久和著 近代科学社
担当教員 下條 雅史,青山 義弘

到達目標

(1)様々な命題を論理記号,限量子を使って表し、内容をわかりやすく説明できること
(2)集合を内包的記法に記述できること。集合と論理の関係を理解できること。集合の帰納的定義ができること。
(3)写像の概念を理解すること。
(4)離散関係とは何かを理解すること。特に、同値関係によって、具体的に、集合を同値類の直和に分類できること
(5)離散関係では、特に同値関係について理解し、それが、集合の要素を分類することになることを理解すること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標(1)論理記号で書かれた命題を分かりやすく説明できる.また文章で書かれた命題を論理記号で書き直せる論理記号で書かれた命題を説明できる.左の段階に達していない
到達目標(2)文章で表された集合を、論理記号を使いながら内包的表現ができる。また、集合演算と論理演算の関係を説明できる。様々な集合の帰納的定義ができること。内包的表現で書かれた命題をわかりやすく説明できる。幾つかの集合で帰納的定義ができること。左の段階に達していない
到達目標(3)具体的な対応を分類し、適切に表現でき、写像の合成、全単射については、逆写像を求めることができる。対応や写像に関する、様々な概念を概ね説明できる。左の段階に達していない
到達目標(4)様々な具体的な関係について、反射律,対象律,推移律が成立するかどうか説明できて,同値関係については、同値類で集合を分割できる。幾つかの具体的な関係について、反射律,対象律,推移律が成立するかどうか説明できて,同値関係については、同値類で集合を分割できる。左の段階に達していない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 RB2 説明 閉じる
JABEE JB3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
集合と論理,写像関数,帰納法,離散関係など,ネットワークやデータ構造に機能性と経済性を持たせるために必要な離散数学の基礎となる抽象性の高い概念を,4年生までの数学の復習部分を含めて理解する。これらの内容を講義によって体系的に学ぶとともに、演習問題を多く課してその内容に習熟して幅広い視野で思考する能力の獲得を目指す。
授業の進め方・方法:
授業時間の前半で、離散数学の各分野の体系を、教科書の内容とその説明に必要な代表的な例題の解答を講義した後、他の例題を演習課題として課す。
注意点:
本科目は学習単位科目(B)であって、授業外学修を必要としている。予習を行うこと。また、授業中に解答できなかった例題について、宿題にしてレポート提出を求める。
本科(準学士課程)の学習教育目標:RB2(◎)
環境生産システム工学プログラムの学習教育目標:JB3(◎)
この科目は、学修単位A(15時間の授業で1単位)の科目である。
 ただし、授業外学修の時間を含む。
関連科目:情報数学II
学習教育目標の達成度評価方法:授業外学修による課題の評価は原則として行わないが、試験問題に30%含めて、試験のみで評価する。定期試験で60点に達しない者には、一度のみ、追試の機会を与える。授業では代表的な例題のみを解説し、残りの課題を授業中の課題,宿題として提出を求め、試験が評価基準に達しないものに加味する。科目についても到達目標についても,中間確認と期末テストの平均で評価する。
学習教育目標の達成度評価基準:中間,期末の平均60点以上

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバスの説明の説明,集合に関する講義と演習 集合と集合の表現を理解する."離散, 稠密,連続の意味を理解する.(第1章)
2週 集合演算に関する講義と演習 集合演算および,集合演算と論理演算の関係を理解する。(第1章)
3週 論理と証明に関する講義(術語と論理演算) 命題,述語,限量子について理解する。複雑な限量子のついた述語の真偽について考察できる.主な論理演算を理解する.(第2章)
4週 論理と証明に関する講義と演習 含意を否定,論理和,積で表せる. 主な証明法と論理との関係を理解する.(第2章)
5週 対応と写像に関する講義と演習 対応とは何かを理解し、主な対応の種類を区別できる。(第3章)
6週 写像と関数に関する講義と演習 対応、部分写像、写像を区別できる.全射,単射,全単射の定義を理解する.(第3章)
7週 写像と関数に関する講義と演習 関数,逆写像, 写像の合成とその表現法を理解する.
8週 1から3章に関する演習
2ndQ
9週 中間確認
10週 無限の数え上げ に関する講義と演習 無限集合の濃度とその性質について理解する. (第4章)
11週 帰納法的定義に関する講義と演習 自然数の意味を理解する.主な 可算無限集合の機能的定義ができる.(第4章)
12週 関係に関する講義と演習 関係とは何か,関係の和と合成について理解する.(第9章)
13週 関係グラフと関係行列に関する講義と演習 関係グラフ,関係行列による表現およびそれらと関係の和と合成を理解する.(第9章)
14週 同値関係に関する講義と演習 同値関係とそれによって,集合が同値類に分類されることを理解する。また、関係行列や関係グラフからそれが同値関係かどうかを判断できる。(第9、10章)
15週 学習のまとめ
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野情報数学・情報理論集合に関する基本的な概念を理解し、集合演算を実行できる。4
集合の間の関係(関数)に関する基本的な概念を説明できる。4
論理代数と述語論理に関する基本的な概念を説明できる。4

評価割合

課題レポート合計
総合評価割合100100
基礎的能力4040
専門的能力4040
分野横断的能力2020