専門基礎Ⅰ

科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 専門基礎Ⅰ
科目番号 0001 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 ブラウン 一般化学Ⅰ 丸善出版 (2015)
担当教員 西野 純一,坂元 知里

到達目標

化学は暗記科目ではなく,体系化された理論に基づいた学問である.元素の周期律や分子構造の多様性を体系的に理解させることを目標とする. 化学の基本的な知識を理解するとともに化学的思考力や応用力を養うことを自主的に行う能力を身につける.さらに,化学の学習を通じ,自学自習する習慣付けを行い,自己学習能力を身につける.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
元素の周期律を理解している.また,分子構造の多様性を理解している元素の周期律表を暗記し,主族元素や遷移元素の一般的性質を説明できる.元素の周期律表を見ながら主族元素や遷移元素の一般的性質を説明できる.元素の周期律表を見ても主族元素や遷移元素の一般的性質を説明できない.
物質量や濃度の計算ができる教科書を見ずに物質量やモル濃度の計算ができる.教科書を見れば物質量やモル濃度の計算ができる.教科書を見ても物質量やモル濃度の計算ができない.
原子や分子の構造について説明ができる教科書を見ずに原子や分子の電子配置について説明ができる教科書を見て原子や分子の電子配置について説明ができる.教科書を見ても原子や分子の電子配置について説明ができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 RB2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
講義に加え,演習と確認試験を適宜行う.授業前に教科書である「ブラウン 一般化学Ⅰ」を熟読し学習範囲の予習を必ずしてくること,授業中に指名して練習問題の答え合わせを行う.また,演習の後,確認試験を行う.また,学習の習慣づけのため 家庭学習として日々の演習を課す.
授業の進め方・方法:
講義に加え,演習と確認試験を適宜行う.授業前に教科書である「ブラウン 一般化学Ⅰ」を熟読し学習範囲の予習を必ずしてくること,授業中に指名して練習問題の答え合わせを行う.また,演習の後,確認試験を行う.また,学習の習慣づけのため 家庭学習として日々の演習を課す.
参考書: D. A. McQuarrie他 著「マッカーリ一般化学(上)」東京化学同人,矢野 潤,管野善則 著「これでわかる化学」三共出版,J. McMurry 他 著「マクマリー 一般化学〈上〉」東京化学同人,J. E. Brady著「ブラディ一般化学(上)」東京化学同人
注意点:
化学の学習を通じ,自学自習する習慣付けを行い,自己学習能力を身につけることも目的なので,教科書だけでなく参考書,演習書等を自主的に学習して試験に臨むこと.
成績の評価(通年の評価)は,定期試験を7割、確認試験を2割、授業態度を1割として評価する.成績の評価(通年の評価)が60点以上を合格とする.60点に満たない場合は再試験やレポートにより加点する.ただし,加点修正後の成績(点数)については、最大65点とする.また後期については, 演習を黒板で回答した者には「黒板点」として学年末試験に加点するものとする.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、シラバスの説明、「化学」を学ぶこと なぜ化学を学ばなければならないのかを理解し説明できる.
2週 物質の分類と性質、単位, 演習 物質の状態、名称を理解し、説明できる.
単位について理解し,説明できる.
3週 有効数字、次元解析法、演習 有効数字について理解し,説明できる.
4週 原子と分子、演習 原子番号、質量数、同位体を理解し、説明できる.
5週 原子と分子、演習 元素の周期律を理解し,典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる.
6週 原子と分子、イオン、演習 分子と化学式を理解し、説明できる.
イオン性化合物について理解し、説明できる.
7週 モル、アボガドロ定数、演習 物質量の単位であるモルについて理解し、説明できる.
8週 前期学力確認週間(前期中間試験) 60点以上得点すること.
2ndQ
9週 前期中間試験の解説
10週 モル、アボガドロ定数、演習 物質量の単位であるモルについて理解し,説明できる.
11週 溶液の濃度 モル濃度について説明でき、モル濃度の計算ができる.
質量パーセント濃度について説明でき、質量パーセント濃度の計算ができる
12週 溶液の濃度、演習 モル質量と実験式を理解し、計算ができる.
モル濃度について説明でき、モル濃度の計算ができる.
質量パーセント濃度について説明でき、質量パーセント濃度の計算ができる
13週 化学量論 化学量論的観点から反応物と生成物の物質量、濃度、質量等を計算できる.
14週 制限反応物 制限反応物と過剰反応物について説明できる.
理論収量を理解し、収率を計算できる.
15週 前期学習ののまとめ 前期に学んだことを理解し、問題の解法に応用できる。
16週 前期期末試験の返却と解説
後期
3rdQ
1週 電磁波と量子 電磁スペクトルで波長と電磁波の関係を説明できる。量子の定義と性質を説明できる。
2週 電磁波と量子 光電効果について説明できる。
水素の輝線スペクトルとリューどべりの式を理解できる。
3週 原子の形 水素原子を主としてボーアモデルを説明できる。
ボーアの量子条件を説明できる。
4週 原子の形と量子数 ボーアの量子条件を説明できる。
量子数について説明できる。
量子数から軌道の形を理解できる
5週 物質波 ボーアモデルの限界について説明できる
物質波の定義を説明できる
ド・ブロイの式を理解でき、計算することができる
6週 不確定性原理 ハイゼンベルグの不確定性原理を説明できる。
不確定性原理の式から原子核周辺の電子が存在できうる領域を理解することができる
7週 学習まとめ 後期前半学習分のまとめおよび演習を行う
8週 前期学力確認週間(後期中間試験) 60点以上得点すること.
4thQ
9週 後期中間試験の解説, 原子軌道 電子殻,電子軌道,電子軌道の形を理解し,説明できる.
10週 原子軌道と演習 パウリの排他原理,軌道エネルギーの準位,フントの規則から電子の配置を示すことができる.
フントの規則の演習
11週 原子の概念を理解し,電子の軌道,電子配置および原子の性質と周期性について説明できる
12週 軌道構成 規則的な電子配置を記述することができる. また、CrやCu等の電子配置も記述することができる.
13週 ルイスの式 価電子について理解し,希ガス構造やイオンの生成について説明できる.
基本的な化学結合の表し方として,電子配置をルイス構造で示すことができる.
ルイス構造により、形式電荷、さらに分子の形を推定することができる.
14週 VSEPR法 中心原子の結合電子対と非結合電子対の総数から分子の形を推測するVSEPR理論を説明できる.
15週 学習まとめ 後期学習分のまとめおよび演習を行う
16週 後期期末試験の返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学化学物質が原子からできていることについて説明できる。3前4
単体と化合物について説明できる。3前2
純物質と混合物の区別について説明できる。3前1
混合物の分離法について理解し、適切な分離法を選択できる。3前1
原子の構造(原子核・電子)や原子番号、質量数について説明できる。3前4
原子の電子配置について電子殻を用いて書き表すことができる。3後9
価電子の働きについて説明できる。3後13
代表的なイオンを化学式で表すことができる。3前6
原子番号と価電子の数との関係について考えることができる。3後13
元素の性質について価電子と周期律から考えることができる。3後13
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。3後13
物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。3前10
分子量・式量について説明できる。3前10
質量パーセント濃度について説明でき、質量パーセント濃度の計算ができる。3前11
モル濃度について説明でき、モル濃度の計算ができる。3前11,前12

評価割合

試験確認試験授業態度合計
総合評価割合702010100
専門基礎的能力702010100