物質を構成する基本単位である様々な元素の性質を理解し,各元素が持つ特異な性質が原子核を取りまく電子の様々な振る舞いによることを周期表と関連付けて説明できること.また,固体化学(結晶化学)の基本的概念を理解し,説明できること.
概要:
1年生で学習した原子の構成原理,周期律等の原子の成り立ち,VSEPR理論,分子軌道法の分子の成り立ちについての復習を行うとともに,無機化学における元素の各論,さらに固体化学の基礎を学ぶ.
授業の進め方・方法:
教科書中心の講義であるが,必要に応じてプリントを配布し学生の理解の補助とする.具体的な演習問題も適宜行うことで,理論の具体性を持たせる.
注意点:
学習教育目標: 本科(準学士課程)RB2(◎)
評価方法: 最終成績評価式=0.9×定期試験得点+0.05×平常点+0.05×課題レポート点
定期試験得点の評価割合:前期中間確認(25%),前期期末試験(25%),後期中間確認(25%),後期期末試験(25%)
評価基準: 最終成績が100点満点中で60点以上を合格とする.最終成績が60点に満たない場合は,追レポートにより60点に満たない得点分を加点する.ただし,追レポートによる加点は10点を上限とする.また、追レポートによる加点した場合の最終成績は、最高60点とする.
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
授業概要説明,主要属金属元素の化学(s-ブロック元素), 復習(単位と測定) |
無機化学の内容・領域を理解し説明できること. 無機化学を学ぶ上でのSI単位,SI単位で用いる接頭語,および,有効数字と計算を理解し説明できること. s-ブロック元素単体およびその主要な化合物に関しての化学的,物理的性質について説明できること.
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2週 |
主要属金属元素の化学(s-ブロック元素), 復習(原子,分子,イオン) |
s-ブロック元素単体およびその主要な化合物に関しての化学的,物理的性質について説明できること. 原子の概念を理解し,電子の軌道,電子配置および原子の性質と周期表について説明できること.
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3週 |
主要属金属元素の化学(pブロック元素), 復習(原子,分子,イオン) |
pブロック元素単体およびその主要な化合物に関しての化学的,物理的性質について説明できること. 原子の概念を理解し,電子の軌道,電子配置および原子の性質と周期表について説明できること.
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4週 |
主要族金属元素の化学(12族元素), 復習(原子の電子構造) |
12族元素単体およびその主要な化合物に関しての化学的,物理的性質について説明できること. ボーアの原子模型について説明できること.主量子数,方位量子数,磁気量子数について説明できること. 電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できること. パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができること.
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5週 |
非金属元素の化学(水素,ホウ素,炭素,ケイ素,ゲルマニウム),復習(元素の周期的な性質) |
水素,ホウ素,炭素,ケイ素,ゲルマニウムの単体およびその主要な化合物に関しての化学的,物理的性質について説明できること. 元素の周期律を理解し,典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できること.
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6週 |
非金属元素の化学(窒素,リン,ヒ素,アンチモン,酸素), 復習(原子の大きさ,イオン化エネルギー) |
窒素,リン,ヒ素,アンチモン,酸素の単体およびその主要な化合物に関しての化学的,物理的性質について説明できること. イオン化エネルギーについて説明できること.
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7週 |
非金属元素の化学1(硫黄,セレン,テルル,ポロニウム), 復習(元素の周期的な性質) |
硫黄,セレン,テルル,ポロニウムの単体およびその主要な化合物に関しての化学的,物理的性質について説明できること. 電子殻,電子軌道,電子軌道の形を説明できること. 元素の周期的な性質について説明できること.
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8週 |
非金属元素の化学(17族元素,18族元素) 復習(電子親和力,電気陰性度) |
17,18族元素単体およびその主要な化合物に関しての化学的,物理的性質について説明できること. 電子親和力,電気陰性度について説明できること.
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2ndQ |
9週 |
中間試験
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60点以上得点すること.
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10週 |
試験の返却 遷移金属の化学(d-ブロック元素,電子配置と一般的性質,化学的性質) 専門基礎Ⅰの復習(オクテット説と分子の表示法オクテット説の拡張,超原子価化合物) |
d-ブロック元素元素単体およびその主要な化合物に関しての化学的,物理的性質について説明できること. オクテット説の拡張,超原子価化合物について説明できること 基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができること.
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11週 |
遷移金属の化学(d-ブロック元素,第一遷移系列元素), 配位結合の形成 |
dブロック元素元素単体およびその主要な化合物に関しての化学的,物理的性質について説明できること. 配位結合の形成について説明できること.
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12週 |
遷移金属の化学(d-ブロック元素,第二遷移系列元素), 分子軌道法,二原子分子,多原子分子 |
dブロック元素元素単体およびその主要な化合物に関しての化学的,物理的性質について説明できること. 代表的な分子に関して分子軌道法について説明できること.
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13週 |
遷移金属の化学(d-ブロック元素,第三遷移系列元素), 原子価結合法,混成軌道,π結合 |
dブロック元素元素単体およびその主要な化合物に関しての化学的,物理的性質について説明できること. 代表的な分子に関して、原子価結合法(VB法)から共有結合を説明できること. 電子配置から混成軌道の形成について説明することができること.
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14週 |
遷移金属の化学(f-ブロック元素,ランタノイド,アクチノイド), 復習(原子価殻電子対反発(VSEPR)理論) |
ランタノイド,アクチノイドの単体およびその主要な化合物に関しての化学的,物理的性質について説明できること. 原子価殻電子対反発(VSEPR)理論について説明できること.
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15週 |
分子間力 結合の分極と分子の双極子モーメント |
分子間力(ファンデルワールス力)について説明できること. 水素結合について説明できること. 結合の分極と分子の双極子モーメント)について説明できること.
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16週 |
試験返却 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
前期期末試験の返却と解説 固体化学への導入 |
前期期末試験の不正解問題の理解ができること. 固体化学の概要が理解できること.
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2週 |
結晶系とミラー指数 |
7つの結晶系,14個のプラベ格子とミラー指数および方位指数を説明できること.
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3週 |
イオン結合と共有結合 |
イオン結合と共有結合について説明できること.
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4週 |
イオン性固体と金属(結晶構造,1種類の球の充填) |
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。 最密充填格子等の金属の結晶構造について説明できること
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5週 |
イオン性固体と金属(結晶構造,2種類の球の充填) |
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。
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6週 |
イオン性固体と金属(結晶構造,3種類の球の充填) |
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。
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7週 |
演習1 |
演習問題が解けること.
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8週 |
後期中間試験 |
60点以上得点できること
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4thQ |
9週 |
後期中間試験の解説. イオン性固体と金属(結晶構造,結晶構造に影響を与える因子,イオン結晶の構造と配位数,) |
後期中間試験の誤解答について理解できること. イオン結晶の構造および原子半径と配位数の関係についてあらかた説明できること.
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10週 |
イオン性固体と金属(イオン性固体,イオン結合と格子エネルギー) |
イオン結合と格子エネルギーについて説明できること.
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11週 |
イオン性固体と金属(イオン結合と共有結合) |
イオン結合と共有結合について説明できること.
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12週 |
イオン性固体と金属(1)(金属及び金属元素の定義) |
金属および類金属,金属及び金属元素の定義について説明できること.
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13週 |
イオン性固体と金属(2)(半導体とエネルギーバンド) |
半導体とエネルギーバンドについてあらかた説明できること.
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14週 |
イオン性固体と金属(3)(絶縁体とエネルギーバンド) |
絶縁体とエネルギーバンドについてあらかた説明できること.
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15週 |
固体化学のまとめと演習2 |
固体化学のまとめができ演習問題が解けること.
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16週 |
試験返却
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 無機化学 | 主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。 | 4 | 前3,前4 |
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。 | 4 | 前3,前4 |
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。 | 4 | 前3 |
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。 | 4 | 前10 |
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。 | 4 | 前5 |
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。 | 4 | 前6 |
イオン結合と共有結合について説明できる。 | 4 | 後6,後7,後9 |
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。 | 4 | 前9,前10 |
金属結合の形成について理解できる。 | 4 | 後9,後10 |
代表的な分子に関して、原子価結合法(VB法)や分子軌道法(MO法)から共有結合を説明できる。 | 4 | 前12,前13 |
電子配置から混成軌道の形成について説明することができる。 | 4 | 前13 |
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。 | 4 | 後4,後5,後6 |
配位結合の形成について説明できる。 | 4 | 前11 |
水素結合について説明できる。 | 4 | 前15 |
代表的な元素の単体と化合物の性質を説明できる。 | 4 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14 |
物理化学 | 電池反応と電気分解を理解し、実用例を説明できる。 | 4 | |