概要:
現代文・古典・漢文の読解を通して国語力(書く・読む・話す・聞く)の向上を目指す。評論文では、筆者の主張を正しく読み取ったうえで、それに対する自らの意見を他者にわかりやすく提示できることを目指す。物語文では、場面や登場人物の心情を読み取り、それに対する感想を文章にまとめられることを目指す。古典・漢文では必要な規則や知識を習得し、現代語訳ができることを目指す。また、毎回の授業を通して使用語彙を増やし、文章作成に活かせるようにする。
授業の進め方・方法:
1.授業は基本的に講義形式で進める。予習を前提に授業を進めるので、与えられた箇所にある漢字や言葉の意味を事前に調べておくこと。
2.古典・漢文は各自ノートを作成し、原文、書き下し文、現代語訳を書いておくこと。
3.各文章を読み終えた後に小テストを実施するので、自学自習を進めること。
4.各単元の終了時にはレポートを課す。
注意点:
授業内容を理解するために、予習をして授業に臨むこと。
課題は提出期限を必ず守ること。
授業中のスマートフォン、ipadなどの使用は認めない。サイトの閲覧も不可。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
授業の導入 / 随想(1) |
授業の進め方、自習の仕方、諸注意などを理解する。
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2週 |
随想(2) |
随想の特徴を理解したうえで、筆者のものの見方や考え方を説明する。
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3週 |
随想(3)/ディスカッション |
「尋ねあい」の意義を知る。
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4週 |
ディスカッション/古典(1) |
お互いを知るための対話をし、紹介文を書く。/古典の言葉を確認する。
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5週 |
小説(1)/古典(2) |
村上春樹について理解を深める。/品詞・用言の活用を理解する。
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6週 |
小説(2)/古典(3) |
情景描写と主人公の心情との関係を説明する。/助動詞の活用と用法を理解する。
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7週 |
小説(3)/古典(4) |
比喩表現とその使用効果を理解する。/助詞の種類と用法を理解する。
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8週 |
小説(4)/古典(5) |
「僕以外の僕」とはどのようなものかを理解し、説明する。/作品を正しく音読し、流れを把握する。
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2ndQ |
9週 |
ディスカッション/古典(6) |
話し合いを通して、作者のメッセージを読み解く。/『徒然草』の教訓を理解する。
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10週 |
評論(1)/古典(7) |
比較対照されている叙述を整理する。/ 古典における敬語の使い方を理解する。
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11週 |
評論(2)/古典(8) |
段落のはたらきを理解する。/『枕草子』の文学的意義について理解する。
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12週 |
評論(3)/漢文(1) |
文章全体の構造を把握する。/漢文の基本構造を思い出し、正しく書き下す。
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13週 |
漢文(2)/ 社会とつながる文章(1) |
故事成語の由来となった物語を理解する。/手紙の基本的な形式を学ぶ。
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14週 |
漢文(3)/社会とつながる文章(2) |
好きな故事成語を他者に紹介する。/ 時節に応じた通信文を適切な形式で書く。
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15週 |
前期まとめ |
これまでの授業で学んだことを共有し、正しくアウトプットする。
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16週 |
振り返り |
前期の授業を通して学んだこと、できるようになったこと、今後の課題などを振り返る。
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後期 |
3rdQ |
1週 |
ディベート(1)(学校行事対応・弁論大会レポート) / 奥の細道「旅立ち」(1) |
ディベートテーマについて、意見を出し合う。また、各々の意見をレポートにまとめる。 / 近世文学史(松尾芭蕉及び俳諧の歴史)について、理解する。
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2週 |
ディベート(2) / 奥の細道「旅立ち」(2) |
ディベートテーマについて、討論する。 / 「表八句を庵の柱に掛け置く」まで読解し、芭蕉の旅への思いについて理解する。
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3週 |
評論「自然と人間の関係をとおして考える」(1) / 奥の細道「旅立ち」(3) |
本文を読み、問題提起・主張・論拠をつかむ。/「後ろ影の見ゆるまではと見送るなるべし」まで読解し、旅立つ芭蕉の心境について理解する。
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4週 |
評論「自然と人間の関係をとおして考える」(2) / 奥の細道「旅立ち」(4) |
段落の役割を押さえ、本文の構成を理解する。/「月日は百代の過客にして」~「表八句を庵の柱に掛け置く」までを暗唱する。
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5週 |
評論「自然と人間の関係をとおして考える」(3) / 唐代の漢詩(1) |
筆者の主張と論拠を確認する。「自然を上手に維持していく技と知恵」について、グループで話し合い、意見を発表する。 / 漢詩のルールについて、理解する。
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6週 |
小説「夢十夜」(1) / 唐代の漢詩(2) |
本文を読み、主題についてグループで話し合う。 / 絶句を読解し、鑑賞する。
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7週 |
小説「夢十夜」(2) / 唐代の漢詩(3) |
各自の考えた本文の主題について、論拠を挙げて説明する。 / 律詩を読解し、鑑賞する。
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8週 |
中間試験 |
これまでの学習をまとめ、知識の定着度を確認する。自分の考えを適切に表現する。
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4thQ |
9週 |
中間試験の振り返り / 小説「城の崎にて」(1) |
試験結果をもとに、これまでの復習をし、各自の課題を発見する。/ 近代文学史(明治~大正)について、理解する。本文全体を読む。
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10週 |
小説「城の崎にて」(2) / 源氏物語「桐壺」(1) |
「自分はその静かさに親しみを感じた」までを読解する。 / 源氏物語について、文学史的意義や基本事項を理解する。
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11週 |
小説「城の崎にて」(3) / 源氏物語「桐壺」(2) |
「それはしかたのないことだ」までを読解する。 / 「いとまばゆき人の御おぼえなり」までを読解する。帝の寵愛を受けることの意味について理解する。
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12週 |
小説「城の崎にて」(4) / 源氏物語「桐壺」(3) |
「それがいっそうそういう気分に自分を誘っていた」までを読解する。 / 「なほよりどころなく、心細げなり」までを読解する。桐壺更衣の心情を読み取り、彼女の置かれた状況について理解する。
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13週 |
評論「技術としての『教養』」(1) / 源氏物語「桐壺」(4) |
本文を読み、文章の構成(主張・論拠)を理解する。 / 「私物に思ほしかしづき給ふこと、限りなし」までを読解する。光源氏に対する帝の思いについて理解する。
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14週 |
評論「技術としての『教養』」(2) / 源氏物語「桐壺」(5) |
筆者の持つ問題意識と今後の課題を理解する。 / 「御局は桐壺なり」までを読解する。光源氏誕生前後の、周囲の桐壺更衣への態度の変化について理解する。
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15週 |
期末試験 |
これまでの学習をまとめ、知識の定着度を確認する。自分の考えを適切に表現する。
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16週 |
一年間のまとめ |
試験結果をもとに、これまでの復習をし、各自の課題を発見する。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 人文・社会科学 | 国語 | 国語 | 論理的な文章(論説や評論)の構成や展開を的確にとらえ、要約できる。 | 3 | 後3,後4,後5,後13,後14 |
論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。 | 3 | 後3,後4,後13 |
文学的な文章(小説や随筆)に描かれた人物やものの見方を表現に即して読み取り、自分の意見を述べることができる。 | 3 | 後1,後2,後9,後10,後11,後12 |
常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。 | 3 | 後5,後6 |
類義語・対義語を思考や表現に活用できる。 | 3 | 後5,後6 |
社会生活で使われている故事成語・慣用句の意味や内容を説明できる。 | 3 | 後8,後10,後15 |
専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。 | 3 | 後8,後14,後15 |
実用的な文章(手紙・メール)を、相手や目的に応じた体裁や語句を用いて作成できる。 | 3 | 後1,後7,後8,後13,後16 |
新たな発想や他者の視点の理解に努め、自分の思いや考えを整理するための手法を実践できる。 | 3 | 後1,後2 |