化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 化学Ⅱ
科目番号 0019 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「定量分析」浅田誠一著(技報堂出版)、配布プリント
担当教員 後反 克典,坂元 知里

到達目標

(1) 工学的諸問題に対処する際に必要な 化学に関する基礎知識を理解できること。
(2) モル数の計算や基礎的な化学反応式を理解できること。
(3) 定性・定量操作と実際の化学反応を結びつけることができること。
(4) 定量操作の結果から目的物の濃度、含有率などを計算することができること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
前期評価項目定性、定量分析実験に関連する基本的な反応・原理を理解でき、計算や説明ができる。定性、定量分析実験に関連する基本的な反応・原理を理解でき、計算ができる。定性、定量分析実験に関連する基本的な反応・原理を理解できず、計算ができない。
後期評価項目化学の基本的な反応・原理を理解でき、必要な計算や説明ができる。化学の基本的な反応・原理を理解でき、必要な計算ができる。化学の基本的な反応・原理を理解できず、必要な計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 RB2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 自然や生活環境における化学の基本的な概念や原理・法則を理解させる。物質の状態や変化について化学的に考察する能力を養う。化学に必要な基礎的用語および化学反応を熟知させる。化学は専門科目のあらゆる分野において基礎となる科目であるため、理論と実際の化学反応を結びつけて考えさせる。
授業の進め方・方法:
教科書と配布プリントを中心として行う。前期は並行して行う物質工学実験Ⅰの内容について説明する。後期は、化学電池の基本的な反応や原理について講義する。
注意点:
関連科目:化学(本科1年)、分析化学Ⅰ(本科2年)、分析化学Ⅱ(本科3年)、物質工学実験Ⅰ(本科2年)、無機化学Ⅰ(本科2年)、無機化学Ⅱ(本科3年)、機器分析(本科4年)
評価方法:前期は、定期試験の成績9割、授業態度1割で評価する。
     後期は2回の定期試験の成績7割、課題レポート(授業外学修)の内容2割、授業態度1割で評価する。
     前期と後期の平均を学年末評価とする。
     上記の評価で合格点に満たないときは、状況に応じて追加課題や試験等で加点を行う場合がある。
評価基準:学年成績60点以上であること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバス説明、実験器具と試薬の取扱い、廃液と環境汚染、事故と応急処置、弱酸と強酸、弱塩基と強塩基、塩 実験器具と試薬の取扱い、廃液、酸塩基と塩について説明できること。
2週 周期表、原子の構造、電子配置、陽イオンの分属、分属に関する演習 周期表、原子の構造、電子配置、陽イオンの分属が説明できること。
3週 (定性分析)第1~3属陽イオンの各個反応、系統分析、混合物の分離法 第1~3属陽イオンの各個反応と系統分析について説明できること。
4週 (定性分析)第4~6属陽イオンの各個反応、系統分析、イオン結合、共有結合 第4~6属陽イオンの各個反応と系統分析について説明できること。
5週 秤量びんとるつぼ、重量分析 重量分析について説明できること。
6週 恒量、水和塩の結晶水測定 水和塩の結晶水測定について説明できること。
7週 一般原則、基本反応、滴定反応の必要条件 滴定反応について説明できること。
8週 中間試験
2ndQ
9週 試験の解説、容量器具の取扱法、標準物質、標準溶液に関する演習 容量器具の取扱法、標準物質、標準溶液について説明できること。
10週 標準溶液の作成法、酸塩基反応、指示薬、滴定操作、滴定曲線、酸塩基(中和)滴定 標準溶液の作成法、酸塩基反応、指示薬、滴定操作、滴定曲線、酸塩基滴定について説明できること。
11週 電子供与体と電子受容体、酸化還元反応式 電子供与体と電子受容体、酸化還元反応式について説明できること。
12週 過マンガン酸滴定 過マンガン酸滴定の原理や操作、反応について説明できること。
13週 ヨウ素酸滴定、酸化還元反応に関する演習 ヨウ素酸滴定の原理や操作、反応について説明できること。
14週 錯体生成、キレート反応、キレート滴定 錯体生成、キレート反応、キレート滴定について説明できること。
15週 学習のまとめ
16週 試験の返却と解説
後期
3rdQ
1週 電解質 電解質と非電解質について説明できる
2週 強電解質の条件について説明できる
3週 化学電池 化学電池の仕組みと共通項目について説明できる
4週 金属のイオン化傾向と電池の関連を説明できる
一次電池と二次電池の違いを説明できる
5週 ダニエル電池とマンガン電池について説明できる
6週 アルカリマンガン電池について説明できる
7週 電池の演習1 電池の演習
8週 中間試験
4thQ
9週 試験の解説
10週 化学電池 燃料電池の仕組みが理解できること。
11週 電気分解1 電気分解の仕組みが理解できること。
12週 電気分解の問題の計算ができること。
13週 電気分解の問題の計算ができること。
14週 総合演習
15週 学習のまとめ
16週 試験の返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。3
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。3
物質が原子からできていることを説明できる。3
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3
純物質と混合物の区別が説明できる。3
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。3
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。3
水の状態変化が説明できる。3
物質の三態とその状態変化を説明できる。3
ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。3
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。3
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。3
同位体について説明できる。3
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。3
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。3
価電子の働きについて説明できる。3
原子のイオン化について説明できる。3
代表的なイオンを化学式で表すことができる。3
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。3
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。3
イオン式とイオンの名称を説明できる。3
イオン結合について説明できる。3
イオン結合性物質の性質を説明できる。3
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。3
共有結合について説明できる。3
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。3
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。3
金属の性質を説明できる。3
原子の相対質量が説明できる。3
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。3
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。3
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。3
気体の体積と物質量の関係を説明できる。3
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。3
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。3
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。3
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。3
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。3
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。3
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。3
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。3
中和反応がどのような反応であるか説明できる。3
中和滴定の計算ができる。3
酸化還元反応について説明できる。3
イオン化傾向について説明できる。3
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。3
ダニエル電池についてその反応を説明できる。3
鉛蓄電池についてその反応を説明できる。3
一次電池の種類を説明できる。3
二次電池の種類を説明できる。3
電気分解反応を説明できる。3
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。3
ファラデーの法則による計算ができる。3
化学実験化学実験実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。3
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。3
測定と測定値の取り扱いができる。3
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。3
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。3
ガラス器具の取り扱いができる。3
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。3
試薬の調製ができる。3
代表的な気体発生の実験ができる。3
代表的な無機化学反応により沈殿を作り、ろ過ができる。3
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野分析化学いくつかの代表的な陽イオンや陰イオンの定性分析のための化学反応について理解できる。3
電離平衡と活量について理解し、物質量に関する計算ができる。3
溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。3
沈殿による物質の分離方法について理解し、化学量論から沈殿量の計算ができる。3
強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。3
強酸、強塩基、弱酸、弱塩基、弱酸の塩、弱塩基の塩のpHの計算ができる。3
緩衝溶液とpHの関係について説明できる。3
錯体の生成について説明できる。3
陽イオンや陰イオンの関係した化学反応について理解し、溶液中の物質の濃度計算(定量計算)ができる。3
中和滴定についての原理を理解し、酸及び塩基濃度の計算ができる。3
酸化還元滴定についての原理を理解し、酸化剤及び還元剤の濃度計算ができる。3
キレート滴定についての原理を理解し、金属イオンの濃度計算ができる。3
光吸収について理解し、代表的な分析方法について説明できる。3
Lambert-Beerの法則に基づく計算をすることができる。3
イオン交換による分離方法についての概略を説明できる。3
溶媒抽出を利用した分析法について説明できる。3
無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。3
クロマトグラフィーの理論と代表的な分析方法を理解している。3
特定の分析装置を用いた気体、液体、固体の分析方法を理解し、測定例をもとにデータ解析することができる。3

評価割合

試験課題態度その他合計
総合評価割合95050100
前期4505050
後期5000050