(1) 原子の性質は価電子、分子の性質、反応性は最外殻軌道の電子によって決まることを理解し、エ-テル、エポキシド、有機ハロゲン化物、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、アミンなど有機化合物について、電気陰性度や共鳴構造式などから化学的及び物理的性質を理解できること。(2) エ-テル、エポキシド、有機ハロゲン化物、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、アミンなど有機化合物について製法、反応性について理解出来ること。
概要:
有機化学は高学年になって履修する生物化学関連科目及び有機(高分子)材料化学を学ぶ上で不可欠である。有機化合物の分子構造、命名法、物理的性質、化学的性質、所在、化学的及び生物的重要性など基本的原理、基礎知識をわかりやく解説する。
授業の進め方・方法:
3年次は物質工学実験Ⅱ(有機化学実験:3学年前期2.5単位)と並行して開講するので出来るだけ内容を理解しながら実験を行えるよう講義を進める。
また、授業中の演習や課題として、練習問題を解くことで内容を理解できるように進める。
注意点:
2年次の有機化学Ⅰの内容を含むため、各自復習をしながら学習すること。【評価方法と評価基準】中間試験と期末試験で評価し、60点以上を合格とする。また、中間試験、期末試験で60点未満の場合は課題、追試等を課し、総合的に評価する。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
シラバスの説明、有機ハロゲン化合物の求核置換反応、反応の例 |
有機ハロゲン化合物の求核置換反応を説明できること。
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2週 |
反応機構(SN2反応、SN1反応)、SN2反応、SN1反応の比較 |
有機ハロゲン化合物の求核置換反応(SN1及びSN2)について説明できること。
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3週 |
脱ハロゲン化水素、脱離反応、置換反応と脱離反応の競合 |
有機ハロゲン化合物の置換反応と脱離反応について説明できること。
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4週 |
まとめ |
有機ハロゲン化合物についてのまとめ
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5週 |
アルコール、フェノール、チオールの命名法、分類、酸性度、塩基性度 |
アルコールやフェノールの命名、分類ができ、酸性度や塩基性度の説明ができること。
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6週 |
アルケンの生成、ケトンの生成 |
アルコールの脱水によるアルケンの生成、酸化によるケトンの生成を説明できること。
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7週 |
芳香族置換反応、まとめ |
フェノールの置換反応やチオールの反応について説明できること。
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8週 |
中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
試験の返却と解説、エーテルとエポキシドの命名法と合成法 |
エーテルの命名法と合成法が説明できること。
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10週 |
エーテルの開環、エポキシド |
エーテルの開環反応とエポキシドの反応が説明できること。
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11週 |
まとめ |
エーテルとエポキシドのまとめ
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12週 |
アルデヒドとケトンの命名法と合成法 |
アルデヒドとケトンの命名法と合成法が説明できること
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13週 |
カルボニル基 |
カルボニル基の反応性が説明できること。
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14週 |
求核付加反応、まとめ |
カルボニル基への求核付加反応が説明できること。
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15週 |
還元反応、酸化反応、アルドール縮合 |
カルボニル基の還元反応、酸化反応、アルドール縮合が説明できること。
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16週 |
期末試験 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
カルボン酸の命名法 |
カルボン酸の命名法が説明できること。
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2週 |
物性(1) |
カルボン酸の物性が説明できること。
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3週 |
物性(2) |
カルボン酸の物性が説明できること。
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4週 |
カルボン酸の合成法(1) |
カルボン酸の合成法が説明できること。
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5週 |
カルボン酸の合成法(2) |
カルボン酸の合成法が説明できること。
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6週 |
エステルの合成、けん化 |
エステルの合成やけん化が説明できること。
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7週 |
まとめ |
カルボン酸と誘導体についてのまとめ。
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8週 |
中間試験 |
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4thQ |
9週 |
中間試験の解説、エステルの還元 |
エステルの還元が説明できること。
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10週 |
エステルの還元 |
エステルの還元が説明できること。
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11週 |
酸ハロゲン化物 |
酸ハロゲン化合物の性質が説明できること。
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12週 |
酸ハロゲン化物 |
酸ハロゲン化合物の性質が説明できること。
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13週 |
アミンの分類 |
アミンの分類が出来ること。
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14週 |
命名法、合成法、分子間相互作用 |
アミンの命名法、合成法、分子間相互作用が説明出来ること。
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15週 |
塩基性、アンモニウム化合物、アゾ染料、まとめ |
アミンの塩基性、アンモニウム化合物、アゾ染料について説明できること。
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16週 |
期末試験 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 有機化学 | 誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。 | 4 | 前1,前10,後6,後11,後14 |
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。 | 4 | 前5,前7,後6,後11,後14 |
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。 | 4 | 前5,後6,後11,後14 |
共鳴構造について説明できる。 | 4 | 前5,前7,後1,後6,後11,後14 |
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。 | 4 | 前2,前6,前10,前12,前13,前14,前15,後2,後4,後5,後10,後12,後13,後15 |
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。 | 4 | 前1,前2,前6,前10,前14,前15,後4,後5,後9,後12,後15 |
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。 | 4 | 前2,前6,前10,前14,前15,後3,後4,後5,後12,後15 |
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。 | 4 | 前2,前3,前7,前14,後4 |
反応機構に基づき、生成物が予測できる。 | 4 | 前2,前3,前7,前14,後4 |