生化学Ⅰ

科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 生化学Ⅰ
科目番号 0027 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 概説 生物化学  島原健三 著 三共出版 および プリント等の参考資料(教員が準備)を用いる
担当教員 髙山 勝己

到達目標

(1)生命現象を支える生体物質(糖、アミノ酸、タンパク質、脂質、核酸、酵素、補酵素、ビタミンの構造)と性質、それらの生物学的役割を理解し説明できるようになること。

ルーブリック

理想的な到達レベル標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1生化学Iで履修する各生体物質の構造が理解できており、関連の応用問題を解くことができる。生化学Iで履修する各生体物質の構造が理解できており、関連の基本問題を解くことができる。生化学Iで履修する各生体物質の構造や機能が理解できなく、関連の問題を解くことができない。
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
生命現象が化学物質と化学反応の連鎖反応によって成り立っていることを学び、ライフサイエンスおよびバイオテクノロジーの基礎知識として生体分子の構造並びに機能・性質について理解できるようにすることが目標です。
授業の進め方・方法:
教科書に基づいて講義をすすめるので、講義の前に教科書を読んでおくことを薦めます。三年生のポイントは、生体分子の構造と機能との関係を理解することにあります。みなさんの理解が助けられるよう必要に応じてプリントやスライド(Web)を活用します。
注意点:
学習教育目標:本科(准学士課程) RB2(◎)
関連科目:生化学Ⅱ (4年生)
学習・教育目標(RB2)の達成および科目取得の評価方法:前期・後期にそれぞれ実施される試験の平均で評価する。成績の評価(通年の評価)が60点以上を合格とする60点に満たない場合は追試やレポートにより加点する。ただし加点修正後の成績(点数)については、最大65点とする。
学習・教育目標(RB2)の達成および科目取得の評価基準:学年成績60点以上を合格とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバスの説明と授業概要 生命とはなにか、生命と水、細胞の構造について概観し理解できる。
2週 生化学の基礎
3週 単糖(その1)
単糖の分類、構造が理解できる。
4週 単糖(その2) 単糖の分類、構造が理解できる。
5週 単糖の性質と誘導体 単糖の性質や誘導体について理解できる。
6週 二糖 グリコシド結合と二糖について理解できる。
7週 オリゴ糖 オリゴ糖について理解できる。
8週 多糖 多糖について理解できる。
2ndQ
9週 アミノ酸の構造 アミノ酸の構造が理解できる。
10週 アミノ酸の特性 アミノ酸の特性について理解できる。
11週 ペプチドとペプチド結合 ペプチドとペプチド結合について理解できる。
12週 タンパク質の構造
タンパク質の構造について理解できる。
13週 タンパク質の精製とアミノ酸配列決定 様々なタンパク質の精製法とアミノ酸配列決定を理解できる。
14週 まとめの授業
15週 まとめの授業
16週 期末試験
後期
3rdQ
1週 酵素の特性 期末試験の解答。酵素の一般的性質が理解できる。
2週 酵素反応の特性と様式 酵素反応の特性と様式が理解できる。
3週 酵素反応の特性と反応速度論 酵素反応の特性、特にミカエリスメンテンの式について理解できる。
4週 補酵素や補因子の役割 補酵素や補因子の役割が理解できる。
5週 酵素活性の定義 酵素活性の定義が理解できる。
6週 酵素反応阻害 酵素反応阻害が理解できる。
7週 中間試験
8週 試験の返却と解説 中間試験の復習
4thQ
9週 脂質 脂質の分類を理解できるようになる。脂肪酸について理解できる。中性脂肪について理解できる。
10週 リン脂質、糖脂質、ステロイド リン脂質、糖脂質、ステロイドについて理解できる。
11週 核酸、塩基、ヌクレオシドとヌクレオチド
塩基、ヌクレオシドとヌクレオチドと核酸の関係が理解できる。
12週 DNAとRNA DNAとRNAの構造やゲノムとの関連性(遺伝情報など)が理解できる。
13週 生物について 真核生物・原核生物の違いが説明でき、かつ細胞の基本的構造と働きを理解できる。
14週 原核微生物と真核微生物 原核微生物の種類と特徴について理解できる。真核微生物(カビ、酵母)の種類と特徴について説明できる。
15週 期末試験
16週 試験の返却と解説 期末試験の復習

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野基礎生物原核生物と真核生物の違いについて説明できる。4
核、ミトコンドリア、葉緑体、細胞膜、細胞壁、液胞の構造と働きについて説明できる。4
葉緑体とミトコンドリアの進化の説について説明できる。4
代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。4
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。4
細胞周期について説明できる。4
ゲノムと遺伝子の関係について説明できる。4
生物化学タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。4
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。4
単糖と多糖の生物機能を説明できる。4
単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。4
グリコシド結合を説明できる。4
多糖の例を説明できる。4
脂質の機能を複数あげることができる。4
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。4
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。4
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。4
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。4
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。4
タンパク質の高次構造について説明できる。4
ヌクレオチドの構造を説明できる。4
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。4
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。4
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。4
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。4
生物工学原核微生物の種類と特徴について説明できる。4
真核微生物(カビ、酵母)の種類と特徴について説明できる。4

評価割合

前期中間確認試験前期期末試験後期中間確認試験後期期末試験その他合計
総合評価割合2525252500100
基礎的能力2525252500100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000