到達目標
物理化学に関する基礎事項について必要な専門知識を把握できる能力を育成するために, 物理化学Ⅰ(第3学年)において主として学習した物理化学の巨視的な概念である熱力学と化学平衡の基礎の上に, 特にその応用の領域である化学反応速度, 表面等に関しても習得する.さらに,量子力学入門と量子力学の適用についても習得する.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 物理化学Ⅱの応用問題が解ける | 物理化学Ⅱの基礎問題が解ける | 物理化学Ⅱの基礎問題が解けない |
評価項目2 | | | |
評価項目3 | | | |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育到達度目標 RB2
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JABEE JB1
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JABEE JB3
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教育方法等
概要:
物理化学Ⅱの授業を行う。前期は主に、化学反応を理解するために基本である反応速度論について学修する。後期は主に、量子力学と量子力学の適用について学修する。本授業を通して、化学反応および化学現象への総合的な理解を深める。全体を通して企業等の実務経験者が指導を行う。
授業の進め方・方法:
授業は、教科書(ボール物理化学(第2版)[上][下])を中心に進めるが,その不足部分はプリント等で補う。
なおこの科目は学修単位であり、すべての時間において講義および演習で行われ、授業外学修のための課題(予習復習,授業内容に関する調査・考察)を課す。
学生は、授業を受けるにあたり、予習復習(授業内容に関する調査・考察)および指定された授業外学習を必ず行うこと(エビデンスの提出を求めることがある)。
注意点:
環境生産システム工学プログラム:JB1(○),JB3(◎)
関連科目:物理化学Ⅰ(本科3年),情報化学(本科4年),基礎材料化学(本科4年),電気化学(本科5年),無機化学Ⅲ(本科5年),物理化学Ⅲ(本科5年)
評価方法:基本的には、前期成績(前期中間試験および前期期末試験の平均かつ該当者は黒板発表点を付す)および後期成績(後期中間試験および後期期末試験の平均)の総合点で評価する。前期に関しては、授業中に行う演習を解答した者に対し、「黒板点」として試験点に追加する。また課題を科し、その提出をもって課題点を付する。上記の成績で60点に満たない場合は、教員の指導に従い指導・対処を行う。最終成績の評価が60点以上を合格とする。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
シラバスの説明,授業概要の説明,20反応速度論,20.1あらまし |
20.1あらましを通じて、反応速度論の意義、概念を理解できる
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2週 |
20.2反応速度と速度式 |
20.1あらまし、20.2反応速度と反応速度式を理解し、関連問題が解ける.
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3週 |
20.3典型的な初速度式 |
一次反応の反応速度論を理解する 一次反応の反応速度式を導入方法を理解する
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4週 |
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二次反応の概要を理解し、反応速度式を導入方法を理解する. 擬一次反応の概要を理解する
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5週 |
20.3典型的な初速度式 20.4平衡反応 |
擬一次反応の導入方法を理解する 平衡反応の概要を理解する
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6週 |
20.4平衡反応 |
平衡反応の導入方法を理解する
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7週 |
20.5並発反応と逐次反応 |
並発反応と逐次反応について、各々の概要を理解する
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8週 |
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並発反応(競争反応)について反応速度式を導入方法を理解する
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2ndQ |
9週 |
中間試験 |
60点以上を取ること
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10週 |
中間試験の解答・解説 20.5並発反応と逐次反応 |
逐次反応について反応速度式を導入方法を理解する
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11週 |
20.6温度依存性 |
反応速度と温度の関係を理解する
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12週 |
20.6温度依存性 |
アレニウスの式を導入できる
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13週 |
20.7反応機構と素反応 |
反応機構と素反応について、概要を理解できる
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14週 |
20.8定常状態近似 |
定常状態近似状態の反応速度について、概要を理解できる
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15週 |
期末試験 |
60点以上取ること
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16週 |
期末試験返却・解説 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
量子化学入門復習 授業外学習:ボール物理化学(上)例題10.1から10.6を自ら解き理解すること |
波動関数,オブザーバブルと演算子,不確定性原理,波動関数についてのボルンの解釈,規格化を理解し,関連章末問題を解くことができる.
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2週 |
量子力学入門復習 授業外学習:ボール物理化学(上)例題10.7から10.13を自ら解き理解する |
シュレディンガー方程式,箱の中の粒子,平均値とその他の性質を理解し,関連章末問題を解くことができる.
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3週 |
量子力学入門復習 ―箱の中の粒子― 授業外学習:ボール物理化学(上)例題10.14を自ら解き理解すること |
トンネル現象,三次元の箱の中の粒子を理解し,関連章末問題を解くことができる.
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4週 |
量子力学入門 ―縮退― 授業外学習:ボール物理化学(上)例題10.15を自ら解き理解すること
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縮退を理解し,関連章末問題を解くことができる.
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5週 |
量子力学入門 ―直交性― 授業外学習:ボール物理化学(上)例11.16を自ら解き理解すること |
直交性を理解し,関連章末問題を解くことができる.
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6週 |
量子力学入門 ―時間に依存するシュレディンガー方程式― 授業外学習:ボール物理化学(上)例題10.17を自ら解き理解すること
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時間に依存するシュレディンガー方程式を理解し,関連章末問題を解くことができる.
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7週 |
量子力学入門 ―仮定のまとめ― 授業外学習:ボール物理化学(上)p389 表10.2をまとめること
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仮定のまとめを理解することができる.
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8週 |
中間試験 |
60点以上得点すること
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4thQ |
9週 |
中間試験の解説と量子力学入門の演習 量子力学の適用 古典的調和振動子,量子力学的調和振動子 授業外学習:ボール物理化学(上)例題11.1から11.4を自ら解き理解すること
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不正解の問題の正答について理解することができる. 古典的調和振動子,量子力学的調和振動子を理解し,関連章末問題を解くことができる.
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10週 |
量子力学の適用 調和振動子の波動関数,換算質量 授業外学習:ボール物理化学(上)例題11.5から11.7を自ら解き理解すること
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調和振動子の波動関数,換算質量を理解し,関連章末問題を解くことができる.
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11週 |
量子力学の適用 二次元の回転運動 授業外学習:ボール物理化学(上)例題11.8から11.14を自ら解き理解すること |
二次元の回転運動を理解し,関連章末問題を解くことができる.
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12週 |
量子力学の適用 三次元の回転運動,回転におけるそのほかのオブザーバブル 授業外学習:ボール物理化学(上)例題11.15から11.20を自ら解き理解すること
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三次元の回転運動,回転におけるそのほかのオブザーバブルを理解し,関連章末問題を解くことができる.
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13週 |
量子力学の適用 水素原子についての中心力問題,量子力学的な解 授業外学習:ボール物理化学(上)例題11.21から11.22を自ら解き理解するこ
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水素原子についての中心力問題,量子力学的な解を理解し,関連章末問題を解くことができる.
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14週 |
量子力学の適用 水素原子の波動関数 授業外学習:ボール物理化学(上)例題11.23から11.25を自ら解き理解すること. |
水素原子の波動関数について理解し,関連章末問題を解くことができる.
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15週 |
量子力学の適用 まとめと演習 授業外学習:ボール物理化学(上)p453の重要な式を書き出して理解すること. |
水素原子に関する量子化学の演習問題を解くことができる.
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16週 |
期末試験の解答・解説 |
不正解の問題の正答について理解することができる.
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 物理化学 | 反応速度の定義を理解して、実験的決定方法を説明できる。 | 4 | 前1 |
反応速度定数、反応次数の概念を理解して、計算により求めることができる。 | 4 | |
微分式と積分式が相互に変換できて半減期が求められる。 | 4 | |
連続反応、可逆反応、併発反応等を理解している。 | 4 | |
律速段階近似、定常状態近似等を理解し、応用できる。 | 4 | |
評価割合
| 試験点 | 課題点 | | 合計 |
総合評価割合 | 100 | 0 | 0 | 100 |
前期(専門的能力) | 50 | 0 | 0 | 50 |
後期(専門的能力) | 50 | 0 | 0 | 50 |
| 0 | 0 | 0 | 0 |