線形代数

科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 線形代数
科目番号 0043 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「線形代数」「線形代数問題集」(森北出版)「ドリルと演習シリーズ 線形代数」(電気書院)
担当教員 朝倉 相一

到達目標

(1) ベクトルについての理解:ベクトルの加法・スカラー倍・内積の計算ができる.具体的な図形の方程式を求めることができる.
(2) 行列の演算についての理解:行列の型を区別し, 加法・減法・乗法の計算ができる. 逆行列の意味を理解し, 求めることができる.
(3) 連立1次方程式の解法:解を求めることができる. 解の仕組みを理解できる.
(4) 線形変換についての理解:具体的な線形変換について, 行列の性質を用いて問題を解くことができる.
(5) 行列式の理解と応用:行列式の定義と性質からその計算ができる.
(6)固有値の理解:固有値と固有ベクトルを求めることができ, その応用(対角化など)ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1具体的な図形のベクトル方程式を求めることができる。ベクトルの基本的な演算ができる。ベクトルの基本的な計算ができない。
評価項目2連立1次方程式の解のしくみを説明できる。2次正方行列の対角化ができる。行列を用いて、連立1次方程式を解くことができる。4次以上の行列式の値を求めることができる。2次の正方行列の、固有値・固有ベクトルを求めることができる。行列および行列式の基本的な計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
線形代数の基本的な考え方を, ベクトルの図形への応用・行列・行列式・線形変換の学習を通して理解する.
ベクトルの成分表示の扱いに慣れ, 直線と平面のベクトル表現, 行列の演算, 行列式の計算, 連立1次方程式の解法, 線形変換と固有値とその応用などを中心に学習する.
授業の進め方・方法:
予習を前提とする. 授業は線形代数の基本的な考え方と手法が身につくよう,学び合いを中心に,適宜問題演習と小テストを行う.
注意点:
100点満点で評価する。前期成績と後期成績の平均点で、60点以上を合格とする。前期・後期成績=小テストの得点率×0.6+課題点(40点分)
小テストの得点率が60%に満たない場合は、原則不合格とするので、注意すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 1年の復習
2週 空間座標、2点間の距離、
平面ベクトルの成分表示、大きさ
空間座標、2点間の距離について理解している。
平面ベクトルの成分表示ができ、大きさを求めることができる。
3週 空間ベクトルの成分表示、大きさ
ベクトルの平行条件
空間ベクトルの成分表示ができ、大きさを求めることができる。
ベクトルの平行条件を理解している。
4週 直線のベクトル方程式 直線のベクトル方程式から、直線の媒介変数表示、直線の方程式を求めることができる。
5週 ベクトルの内積
成分による内積の計算
内積の定義を理解している。
成分から内積を求めることができる。
6週 ベクトルのなす角、内積の性質
ベクトルの垂直条件
ベクトルのなす角を求めることができる。
内積の性質を異利用して、内積の値やベクトルの大きさを求めることができる。
ベクトルの垂直条件を理解している。
7週 座標平面における直線の方程式
座標空間における平面の方程式
内積を用いた、直線の方程式、平面の方程式を求めることができる。
8週 円または球面の方程式 円や球面の方程式を求めることができる。
2ndQ
9週 ベクトルのまとめ
10週 行列の定義、行列の演算、
演算の基本法則
行列の定義を理解している。
行列の和・差・実数倍の計算ができる。
11週 行列の積、対角行列と単位行列
行列の積の性質
行列の積の計算ができる。
行列の積の性質を理解している。
12週 逆行列、2次の逆行列、
逆行列の性質
逆行列の定義を理解している。
2次の正方行列の逆行列を求めることができる。
13週 連立2元1次方程式
クラメルの公式
連立2元1次方程式を行列を用いて解くことができる。
クラメルの公式を用いて、連立2元1次方程式を解くことができる。
14週 3次正方行列の行列式
連立3元1次方程式のクラメルの公式
3次正方行列の行列式の意味を理解している。
クラメルの公式を用いて、連立3元1次方程式を解くことができる。
15週 n次正方行列の行列式 4次以上の行列式の定義を理解している。
特別な列を持つ行列の行列式を求めることができる。
16週 前期期末試験
後期
3rdQ
1週 行列式の性質 行列式の性質、基本変形を理解している。
2週 行列の積の行列式 行列の積の行列式を求めることができる。
正則行列の定義を理解している。
3週 行列式の展開 余因子、余因子展開について理解している。
逆行列を、余因子行列を用いて求めることができる。
4週 行列式の応用
ベクトルの外積
平行四辺形の面積や、平行六面体の体積を、行列式を用いて求めることができる。
ベクトルの外積を求めることができる。
5週 行列の基本変形 行の基本変形を用いて、連立一次方程式を解くことができる。
6週 基本変形の応用(1) 基本変形を用いて、逆行列や行列の階数を求めることができる。
7週 基本変形の応用(2) 連立一次方程式の係数行列、拡大係数行列と解の関係を理解している。
8週 ベクトルの線形独立・線形従属
正則性と同値条件
ベクトルの線形独立・線形従属と行列式の関係を理解している。
行列の正則性と、同値な条件について理解している。
4thQ
9週 線形変換(1) 線形変換の定義を理解している。
10週 線形変換(2) 線形変換の性質を理解している。
線形変換による直線の像を求めることができる。
11週 線形変換(3) 基本的な線形変換を理解している。
回転の線形変換を行列を用いて表すことができる。
12週 線形変換(4) 合成変換、逆変換を求めることができる。
直交行列、直交変換を理解している。
13週 固有値と固有ベクトル 固有値と固有ベクトルの定義を理解している。
2次または3次正方行列の固有値、固有ベクトルを求めることができる。
14週 行列の対角化 対角化行列を求め、行列を対角化できる。
15週 対角化の応用 対角化を応用して、2次正方行列のべき乗を求めることができる。
16週 後期期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。4前1,前2
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。4前2,前3
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。4前5,前6
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。4前3,前4,前6,前7
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。4前4,前7,前8
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。4前10
行列の和・差・数との積の計算ができる。4前10
行列の積の計算ができる。4前11
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。4前12
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。4前14,前15,後1,後2
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。4後9
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。4後12
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。4後11

評価割合

試験課題合計
総合評価割合6040100
基礎的能力6040100
専門的能力000
分野横断別能力000