到達目標
化学反応速度論・化学平衡論・物質収支論などの諸原理を適用して,化学プロセスにおける物質の変化を最も合理的・経済的に行うために必要な装置設計とその操作条件を理解できること.本科目においては特に,蒸留・ガス吸収・反応工学に関連した基礎的な問題を解くことができること.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
蒸留 | 蒸留操作についての応用的な計算ができる. | 蒸留操作についての基礎的な計算ができる. | 蒸留操作についての基礎的な計算ができない. |
ガス吸収 | ガス吸収操作についての応用的な計算ができる. | ガス吸収操作についての基礎的な計算ができる. | ガス吸収操作についての基礎的な計算ができない. |
反応工学基礎 | 反応工学の基礎について深く理解し,関連した計算ができる. | 反応工学の基礎について一定程度理解し,関連した計算ができる. | 反応工学の基礎について理解できず,関連した計算ができない. |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
化学プロセスを考える際は,エネルギー・資源の有効活用や省資源・再利用などを常に意識して,循環型社会の構築を目指していかなければならない.化学反応速度論・化学平衡論・物質収支論などの諸原理を適用することによる,化学プロセスにおける物質の変化を最も合理的・経済的に行うために必要な装置設計とその操作条件を理解する.本科目においては,蒸留・ガス吸収・反応工学に関連する基礎的事項を扱う.
授業の進め方・方法:
教科書を中心に講義を進めるが,国内外の専門書を参考にしたプリントなどで補足することもある.科目の性質上,演習が必要不可欠なので随時演習問題を課し,内容の理解度を見ながら講義を進める.
この科目は学修単位科目「B」であり,授業外学修の時間を含める.
注意点:
環境生産システム工学プログラム:JB3(◎)
関連科目:化学工学I(本科3年),材料工学実験Ⅰ(本科4年),化学工学III(本科5年),反応工学(本科5年)
評価方法:定期試験を80%,課題20%として評価する.
上記の評価で合格点に満たないときは,状況に応じて追加課題や試験などで加点を行う場合がある.
評価基準:学年成績60点以上
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
シラバスの説明,分離工学の概要 |
シラバスの説明が理解できる.分離工学の概要が理解できる.
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2週 |
蒸留(1) |
蒸留の基礎的事項が理解できる.「気液平衡」,「温度-組成線図」,「x-y線図」など.
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3週 |
蒸留(2) |
単蒸留の設計が理解できる.「ラウールの法則」,「比揮発度」など.
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4週 |
蒸留(3) |
単蒸留の設計が理解できる.「図積分」など.
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5週 |
蒸留(4) |
連続蒸留塔の設計が理解できる.「連続蒸留塔」,「還流比」,「操作線」など.
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6週 |
蒸留(5) |
連続蒸留塔の設計が理解できる.「階段作図法」,「理論段数」など.
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7週 |
蒸留(6) |
連続蒸留塔の設計が理解できる.「最小還流比」,「塔効率」など.
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8週 |
ガス吸収(1) |
ガス吸収の基礎的事項が理解できる.「ガスの溶解度」,「気液溶解平衡」,「ヘンリーの法則」など.
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2ndQ |
9週 |
中間試験 |
蒸留に関連した問題を解くことができる.
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10週 |
試験の返却と解説,ガス吸収(2) |
回分吸収の設計が理解できる.「二重境膜説」,「物質移動係数」,「吸収速度」など.
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11週 |
ガス吸収(3) |
回分吸収の設計が理解できる.「x-y線図」,「推進力」など.
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12週 |
ガス吸収(4) |
連続吸収装置の設計が理解できる.「連続ガス吸収塔」,「液ガス比」,「操作線」など.
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13週 |
ガス吸収(5) |
連続吸収装置の設計が理解できる.「最小液ガス比」,「塔高」など.
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14週 |
ガス吸収(6) |
連続吸収装置の設計が理解できる.「移動単位数」など.
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15週 |
ガス吸収(7) |
連続吸収装置の設計が理解できる.「許容ガス質量速度」など.
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16週 |
期末試験 |
ガス吸収(と蒸留)に関連した問題を解くことができる.
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後期 |
3rdQ |
1週 |
シラバスの説明,反応工学の概要 |
シラバスの内容が理解できる.反応工学の概要が理解できる.
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2週 |
反応工学基礎(1) |
反応速度式が理解できる.「反応速度」,「反応速度定数」,「アレニウスの式」など.
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3週 |
反応工学基礎(2) |
反応に伴う濃度変化について理解できる.「限定反応成分」,「反応率」など.
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4週 |
反応工学基礎(3) |
反応に伴う濃度変化について理解できる.「定容系」,「定圧系」など.
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5週 |
反応工学基礎(4) |
色々な反応器の設計方程式について理解できる.「設計方程式」,「回分反応器」など.
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6週 |
反応工学基礎(5) |
色々な反応器の設計方程式について理解できる.「連続層型反応器」,「空間時間」など.
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7週 |
反応工学基礎(6) |
色々な反応器の設計方程式について理解できる.「管型反応器」など.
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8週 |
中間試験 |
反応工学に関連した基礎的な問題を解くことができる.
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4thQ |
9週 |
試験の返却と解説,反応工学基礎(7) |
色々な反応器の設計方程式について理解できる.「数値積分法」など.
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10週 |
反応工学基礎(8) |
反応速度式の決定方法・収率・選択率について理解できる.「反応速度解析」,「収率」,「選択率」など.
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11週 |
反応工学基礎(9) |
回分反応器の,より具体的な設計について理解できる.「生産速度」など.
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12週 |
反応工学基礎(10) |
連続槽型反応器の,より具体的な設計について理解できる.「直列反応器」など.
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13週 |
反応工学基礎(11) |
管型反応器の,より具体的な設計について理解できる.「多管式反応器」など.
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14週 |
反応工学基礎(12) |
複合反応の場合の反応器設計について,基礎的事項を理解できる.
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15週 |
本科目のまとめ |
本科目での学習内容を自分なりにまとめることができる.
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16週 |
期末試験 |
反応工学に関連した基礎的な問題を解くことができる.
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 化学工学 | SI単位への単位換算ができる。 | 4 | |
物質の流れと物質収支についての計算ができる。 | 4 | |
化学反応を伴う場合と伴わない場合のプロセスの物質収支の計算ができる。 | 4 | |
蒸留の原理について理解できる。 | 4 | |
単蒸留、精留・蒸留装置について理解できる。 | 4 | |
蒸留についての計算ができる(ラウールの法則、マッケーブシール法等)。 | 4 | |
基本的な抽出の目的や方法を理解し、抽出率など関係する計算ができる。 | 4 | |
吸着や膜分離の原理・目的・方法を理解できる。 | 4 | |
バッチ式と連続式反応装置について特徴や用途を理解できる。 | 4 | |
評価割合
| 試験 | 課題 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 20 | 100 |
専門的能力 | 80 | 20 | 100 |