材料化学

科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 材料化学
科目番号 0045 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 西久保忠臣編「ベーシックマスター高分子化学」(オーム社)
担当教員 古谷 昌大

到達目標

高分子の定義や特徴,分類方法を理解したうえで,分子状態,物性(材質),合成法についての基本的ならびに発展的事項を理解できること.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
高分子化学の発展的事項高分子の定義,特徴,分類,分子状態,物性(材質),合成法などの基本的ならびに発展的事項について十分理解し説明できる.高分子の定義,特徴,分類,分子状態,物性(材質),合成法などの基本的ならびに発展的事項について理解し説明できる.高分子の定義,特徴,分類,分子状態,物性(材質),合成法などの基本的ならびに発展的事項について理解できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 RB2 説明 閉じる
JABEE JB3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
天然・合成高分子から成るポリマー材料は,金属材料やセラミックス材料とともに私たちの社会・生活を支えている.このように,重要な役割を担っている分子群である高分子について,分子状態,物性(材質),および合成法の各観点から整理し,理解を深める.高分子化学(3年次の授業)を内容を踏まえつつ,高分子に関する知識・理解をさらに深める.
授業の進め方・方法:
教科書の各章に沿って授業を進める.適宜資料を配布する.この科目は学修単位科目「A」であり,授業とは別に授業外学修の時間が含まれる.
注意点:
授業内容の理解のためには,2,3年次に学習した有機化学・高分子化学の知識が基礎となる.必要に応じて,各自復習をしながら授業に臨むこと.
【評価方法と評価基準】課題(100%)で評価する.60点以上を合格とする.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバスの説明,高分子鎖の理想と現実 シラバスの説明が理解できる.高分子鎖の理想鎖と実在鎖について理解できる.
2週 分子状態(1):高分子鎖の大きさと分布 高分子の平均分子量や分子量分布,およびその計算方法について理解できる.
3週 分子状態(2):高分子鎖の結晶化 ポリマー材料における高分子の結晶化度や結晶化過程について理解できる.
4週 分子状態(3):高分子の“三態”の測定 高分子の状態変化の測定方法について理解できる.
5週 分子状態(4):高分子の溶解と相溶の理論 格子模型理論について理解できる.
6週 材質(1):ポリマー溶液・融液の性質 ポリマー溶液の粘性やポリマー融液特有の現象について理解できる.
7週 材質(2):ポリマー材料の力学的性質の評価 ポリマー材料の粘弾性の理論と現象,および評価方法について理解できる.
8週 第1~7週のまとめ 第1~7週の学習内容について理解できる.
2ndQ
9週 材質(3):ポリマー材料の電気的性質の評価 高分子からなる強誘電体や,導電性高分子について理解できる.
10週 合成(1):逐次重合(付加縮合) 逐次重合の一つである付加縮合について理解できる.
11週 合成(2):連鎖重合(工業的重合法) 連鎖重合におけるビニルモノマーの工業的重合法や反応溶媒の適切な選択について理解できる.
12週 合成(3):連鎖重合(開環重合) 連鎖重合の一つである開環重合について理解できる.
13週 合成(4):連鎖重合(配位重合) 連鎖重合の一つである配位重合について理解できる.
14週 合成(5):連鎖重合(リビング重合) 連鎖重合の一つであるリビング重合について理解できる.
15週 合成(6):連鎖重合(共重合) 連鎖重合における高分子共重合体,反応性比などについて理解できる.
16週 授業の総まとめ 本授業の内容について,総合的に理解できる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学高分子化合物がどのようなものか説明できる。4前1
代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。4前1
高分子の分子量、一次構造から高次構造、および構造から発現する性質を説明できる。4前2
高分子の熱的性質を説明できる。4前7
重合反応について説明できる。4前11
重縮合・付加重合・重付加・開環重合などの代表的な高分子合成反応を説明でき、どのような高分子がこの反応によりできているか区別できる。4前12
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の反応を説明できる。4前14
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の特徴を説明できる。4前14

評価割合

課題合計
総合評価割合100100
基礎的能力5050
専門的能力5050