概要:
機器分析は近代化された化学分析である。従来の化学分析を迅速化し精度を上げ、困難とされていたものを分析可能となることを理解させる。それらの原理が、分光化学、放射化学、電気化学など多岐にわたっているので、研究開発を推進していく際に、どの様な機器で解決できるか熟知させる。各機器の基本原理と特徴、データ解析についても修得させる。後期には企業技術者(実務者)が業務に関連した実践的な講義を行う。
授業の進め方・方法:
教科書と配布プリントを中心として行う。また、適宜、演習問題等の課題を課すことがある。
注意点:
環境生産システム工学プログラム:JB3(◎)
関連科目:分析化学Ⅰ(本科2年)、分析化学Ⅱ(本科3年)、有機化学Ⅰ(本科2年)、有機化学Ⅱ(本科3年)、有機合成化学(本科5年)、有機反応化学(専攻科環境システム系2年)、環境分析化学(専攻科環境システム系2年)
評価方法:定期試験の成績80%、提出課題10%、授業態度10%で評価を行う。
上記の評価で合格点に満たないときは、状況に応じて追加課題や試験等で加点を行う場合がある。
評価基準:学年成績60点以上を合格とする。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
授業概要、ガイダンス |
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2週 |
核磁気共鳴吸収分析1 (演習、磁気モーメント、核磁気共鳴) |
磁気モーメント、核磁気共鳴ついて説明できること。
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3週 |
核磁気共鳴吸収分析2 (飽和緩和過程、電気陰性度、誘起効果、反磁性遮へい効果、化学シフト) |
飽和緩和過程、電気陰性度、誘起効果、反磁性遮へい効果、化学シフトが説明できること。
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4週 |
核磁気共鳴吸収分析3 (積分線、スピンスピン相互作用、H-NMRスペクトル解析、二重共鳴法) |
積分線、スピンスピン相互作用、H-NMRスペクトル、二重共鳴法が説明できること。
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5週 |
C13-NMR測定 (スピンデカップリング法、C13-NMRスペクトル解析) |
スピンデカップリング法、C13-NMRスペクトルについて説明できること。
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6週 |
質量分析1 (イオン化法、分子解裂、各フラグメントピーク) |
イオン化法、分子解裂、各フラグメントピークが説明できること。
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7週 |
質量分析2 (再配列、MSスペクトル解析、GC-MS) |
再配列、MSスペクトル解析、GC-MSについて説明できること。
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8週 |
中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
試験返却、赤外線吸収分析1 (分子運動の自由度、伸縮・変角振動、結合定数) |
分子運動の自由度、伸縮・変角振動、結合定数について説明できること。
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10週 |
赤外線吸収分析2 (特性吸収、双極子モーメント、赤外活性、赤外不活性) |
特性吸収、双極子モーメント、赤外活性、赤外不活性について説明できること。
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11週 |
赤外線吸収分析3 (官能基分析、試料調製法、IRスペクトル解析) |
官能基分析、試料調製法、IRスペクトル解析について説明できること。
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12週 |
赤外線吸収分析4 (重水素置換IRスペクトル解析、不飽和数、芳香族面内変角振動) |
重水素置換IRスペクトル解析、不飽和数、芳香族面内変角振動について説明できること。
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13週 |
有機構造解析1 (IR、NMR、MS、C13NMRの各スペクトルを用いる総合解析法) |
IR、NMR、MS、C13NMRを用いた有機構造解析について説明できること。
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14週 |
有機構造解析2 (IR、NMR、MS、C13NMRの各スペクトルを用いる総合解析法) |
IR、NMR、MS、C13NMRを用いた有機構造解析について説明できること。
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15週 |
有機構造解析3 (IR、NMR、MS、C13NMRの各スペクトルを用いる総合解析法) |
IR、NMR、MS、C13NMRを用いた有機構造解析について説明できること。
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16週 |
試験の返却と解説、前期のまとめ |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
吸光光度分析1 (電磁波の分類、スペクトル、ランベルト・ベールの法則) |
電磁波の分類、スペクトル、ランベルト・ベールの法則が説明できること。
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2週 |
吸光光度分析2 (吸光度、吸光係数、モル吸光係数、発色試薬、吸光光度計の装置構成) |
吸光度、吸光係数、モル吸光係数、発色試薬、吸光光度計の構成が説明できること。
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3週 |
吸光光度分析3 (検量線、光度滴定、錯体組成決定法) |
検量線、錯体組成決定法が説明できること。
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4週 |
紫外・可視吸収分析 (σ結合、π結合、結合性-反結合性軌道) |
σ結合、π結合、結合性-反結合性軌道と、紫外・可視吸収分析との関係性が説明できること。
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5週 |
原子吸光分析1 (基底状態、励起状態、原子化、原子スペクトル、ホロカソードランプ) |
基底状態、励起状態、原子化、原子スペクトルが説明できること。
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6週 |
原子吸光分析2 (原子吸光分析装置、各種定量法に関する計算) |
原子吸光分析装置について説明でき、各種定量法に関する計算ができること。
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7週 |
発光分光分析1 (発光スペクトル、高周波誘導結合プラズマ発光法) |
発光スペクトル、高周波誘導結合プラズマ発光法について説明できること。
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8週 |
中間試験 |
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4thQ |
9週 |
試験返却、発光分光分析2 |
高周波誘導結合プラズマ発光法について説明できること。
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10週 |
企業で用いられる機器分析1(企業技術者講義) |
企業で用いられる機器分析について説明できること。
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11週 |
溶媒抽出 |
溶媒抽出について説明できること。
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12週 |
クロマトグラフ分析1 |
クロマトグラフ法の原理、分類、保持容量、保持時間、半値幅、固定相、移動相が説明できること。
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13週 |
クロマトグラフ分析2 |
吸着と分配、分離、理論段数、順相逆相クロマトグラフ、イオン交換が説明できること。
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14週 |
熱分析 (熱重量測定、示差熱分析、示差走査熱量分析) |
熱重量測定、示差熱分析、示差走査熱量分析について説明できること。
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15週 |
熱分析に関する計算 |
熱分析に関する計算ができること。
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16週 |
試験の返却と解説、後期のまとめ |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 分析化学 | 光吸収について理解し、代表的な分析方法について説明できる。 | 4 | 後1,後2 |
Lambert-Beerの法則に基づく計算をすることができる。 | 4 | 後1 |
イオン交換による分離方法についての概略を説明できる。 | 4 | 後13 |
溶媒抽出を利用した分析法について説明できる。 | 4 | 後11 |
無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。 | 4 | 前4,前5,前7,前11,前13,前14,前15 |
クロマトグラフィーの理論と代表的な分析方法を理解している。 | 4 | 後12,後13 |
特定の分析装置を用いた気体、液体、固体の分析方法を理解し、測定例をもとにデータ解析することができる。 | 4 | 前4,前5,前7,前11,前13,前14,前15 |