(1) エネルギー代謝・同化経路・遺伝子の仕組みを理解し、これらの知識と代謝異常による病気や肥満、遺伝などと結び付けることで、実生活に深い関わりを持つことを理解できること。
概要:
前年開講の生物化学Iに引き続き、生体を構成する物質が代謝される過程でどの様にエネルギーが生産され、生体成分が合成されるかを代謝生物学を基礎にして理解できること。さらに、遺伝情報やタンパク質の合成、遺伝子操作についても基礎知識を理解していること。
全32週のうち、前期の第1週から第3週の授業は、企業で生体分子の利用を含めた開発・解析を担当していた者が生体分子の一つである補酵素等の種類・特性について講義形式で授業を担当する。
授業の進め方・方法:
教科書に基づいて講義を進める。必要に応じて、プリントを配布し学生の理解の補助とする。具体的な演習問題も適宜行うことで、理論の具体性をもたせる。
注意点:
環境生産システム工学プログラム : JB3(◎)
関連科目:分子生物学(本科5年)、遺伝子工学(本科5年)、生物機能化学(本科5年)、生命科学(本科5年)、酵素工学(本科5年)、生理学(本科5年)
評価方法:通年4回の試験の平均で総合的に評価する。総合評定が60点に満たないものに対しては、総合課題または総合試験を課し、上限を60点評価とする。
評価基準:総合評定 60点以上を合格とする。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 基礎生物 | 原核生物と真核生物の違いについて説明できる。 | 4 | |
核、ミトコンドリア、葉緑体、細胞膜、細胞壁、液胞の構造と働きについて説明できる。 | 4 | |
葉緑体とミトコンドリアの進化の説について説明できる。 | 4 | |
代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。 | 4 | |
光合成及び呼吸の大まかな過程を説明でき、2つの過程の関係を説明できる。 | 4 | |
DNAの構造について遺伝情報と結びつけて説明できる。 | 4 | |
遺伝情報とタンパク質の関係について説明できる。 | 4 | |
染色体の構造と遺伝情報の分配について説明できる。 | 4 | |
ゲノムと遺伝子の関係について説明できる。 | 4 | |
細胞膜を通しての物質輸送による細胞の恒常性について説明できる。 | 4 | |
フィードバック制御による体内の恒常性の仕組みを説明できる。 | 4 | |
情報伝達物質とその受容体の働きを説明できる。 | 4 | |
免疫系による生体防御のしくみを説明できる。 | 4 | |
生物化学 | リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。 | 4 | |
ヌクレオチドの構造を説明できる。 | 4 | |
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。 | 4 | |
DNAの半保存的複製を説明できる。 | 4 | |
RNAの種類と働きを列記できる。 | 4 | |
コドンについて説明でき、転写と翻訳の概要を説明できる。 | 4 | |
解糖系の概要を説明できる。 | 4 | |
クエン酸回路の概要を説明できる。 | 4 | |
酸化的リン酸化過程におけるATPの合成を説明できる。 | 4 | |
嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)の過程を説明できる。 | 4 | |
各種の光合成色素の働きを説明できる。 | 4 | |
光化学反応の仕組みを理解し、その概要を説明できる。 | 4 | |
炭酸固定の過程を説明できる。 | 4 | |
生物工学 | 微生物の増殖(増殖曲線)について説明できる。 | 4 | |
微生物の育種方法について説明できる。 | 4 | |
微生物の培養方法について説明でき、安全対策についても説明できる。 | 4 | |
アルコール発酵について説明でき、その醸造への利用について説明できる。 | 4 | |
食品加工と微生物の関係について説明できる。 | 4 | |
抗生物質や生理活性物質の例を挙げ、微生物を用いたそれらの生産方法について説明できる。 | 4 | |
微生物を用いた廃水処理・バイオレメディエーションについて説明できる。 | 4 | |