有機合成化学

科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 有機合成化学
科目番号 0074 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 東郷 秀雄 「新版 有機反応のしくみと考え方」講談社, 参考:演習で学ぶ有機反応機構
担当教員 山脇 夢彦

到達目標

(1)タ-ゲット有機化合物の合成にいかなる単位反応が必要であり、有効であるかを理解できること。
(2)合成化学における基本反応を電子的に、また立体化学的に反応機構(矢印)をしっかり理解できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1(1)タ-ゲット有機化合物の合成にいかなる単位反応が必要であり、有効であるかを理解できる(1)タ-ゲット有機化合物の合成にいかなる単位反応が必要であり、有効であるかを十分理解できる(1)タ-ゲット有機化合物の合成にいかなる単位反応が必要であり、有効であるかを理解できない
評価項目2(2)合成化学における基本反応を電子的に、また立体化学的に反応機構(矢印)をしっかり理解できる(2)合成化学における基本反応を電子的に、また立体化学的に反応機構(矢印)を十分理解できる(2)合成化学における基本反応を電子的に、また立体化学的に反応機構(矢印)を理解できない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 RB2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
有機合成化学において、反応が何故起こるのか(反応の原動力は何か)、あるいは何故起こらないのか、いくつかの可能性が考えられる中から現実に何故その化合物が主生成物になるのか、反応の位置や立体化学がどのように決まるのかを理解させる。また、何故立体異性体を立体選択的かつ立体特異的に合成する必要があるのかを理解させる。本講義では有機反応における矢印の理解を最も重要視する。
授業の進め方・方法:
講義は予習されていることを基本に、演習問題を通して有機反応における矢印を理解させる。また学術論文から、具体的な反応使用例を学び、学生が技術者として自分で考えてモノづくりできる考え方を習得させる。
注意点:
環境生産システム工学プログラム:JB1(○), JB3(◎)
関連科目:有機化学、有機材料化学、有機反応化学
評価方法:到達目標を含んだ期末試験を100%とする。
評価基準:学年成績60点以上を合格とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバスの説明、ガイダンス 授業概要説明
2週 SN1, SN2, E1, E2反応 SN1, SN2, E1, E2反応の反応機構(矢印)を理解できる
3週 カルボン酸の誘導化 カルボン酸のエステル化、加水分解、酸クロリド化、アミド化の反応機構(矢印)を理解できる
4週 アルコールの酸化反応 アルコールの酸化反応の反応機構(矢印)を理解できる
5週 グリニヤール反応 グリニヤール反応の反応機構(矢印)を理解できる
6週 1,2-付加、1,4-付加反応、アセタール保護 1,2-付加、1,4-付加反応、アセタール保護の反応機構(矢印)を理解できる
7週 アルドール反応、クライゼン縮合、ディックマン縮合 アルドール反応、クライゼン縮合、ディックマン縮合の反応機構(矢印)を理解できる
8週 アルコールのハロゲン化 アルコールのハロゲン化反応機構(矢印)を理解できる
2ndQ
9週 アルケンやアルキンに対しての求電子付加反応 アルケンやアルキンに対しての求電子付加反応の反応機構(矢印)を理解できる
10週 フリーデルクラフツ反応 フリーデルクラフツ反応の反応機構(矢印)を理解できる
11週 芳香族、カルボニルの還元反応 芳香族、カルボニルの還元反応の反応機構(矢印)を理解できる
12週 保護基についての反応 保護基についての反応機構(矢印)を理解できる
13週 Witting反応 Witting反応の反応機構(矢印)を理解できる
14週 転移反応 転移反応についての反応機構(矢印)を理解できる
15週 金属カップリング反応 金属カップリング反応についての反応機構(矢印)を理解できる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。4
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。4
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。4
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。4
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。4
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。4
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。4
反応機構に基づき、生成物が予測できる。4

評価割合

中間試験期末試験提出課題授業態度合計
総合評価割合01000100
専門的能力01000100