到達目標
物理化学に関する基礎事項について,必要な専門知識を把握できる能力を育成するために,主として物質とエネルギーを基礎として,熱力学と化学平衡について理解させることを目標とする。
・ 原子・分子の立場から,気体の性質の各種計算ができる。
・ 溶液論の理想希薄溶液としての束一的性質を理解し,分子量の計算等応用できる。
・ 熱力学第1,2,3法則を理解し,自然の方向,熱化学.各種エネルギーの計算ができる。
・ 化学ポテンシャルを理解し,化学平衡定数を導き,質量作用の法則・ルシャトリエの法則を応用できる。
・ 相律を用いて相平衡を説明でき,相平衡の基礎式を計算に応用できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
物理化学に関する理解度 | 物理化学に関する理解度が高く,原理,法則を理解でき、適切な説明や解析がよくできる. | 物理化学に関する原理,法則を理解でき、適切な説明や解析ができる.. | 物理化学に関する原理,法則を理解できず、適切な説明や解析ができない. |
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評価項目3 | | | |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
化学熱力学を中心とした講義である.必要に応じて,プリントを配布し学生の理解の補助とする.具体的な演習問題も適宜行うことで,理論の具体性を持たせる.
授業の進め方・方法:
化学熱力学を中心とした講義である.必要に応じて,プリントを配布し学生の理解の補助とする.具体的な演習問題も適宜行うことで,理論の具体性を持たせる.
注意点:
前期中間試験(15%),前期期末試験(15%),後期中間試験(15%),及び,通年分を試験範囲とする後期期末試験(40%)の定期試験4回分の合計を基本点(85%)とし,この基本点に,不定期試験(5%),課題点(5%)および平常点(5%)を加えて学年成績とする.
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
授業概要説明,物理化学とは?,ものの状態,物理的状態,力,エネルギー,圧力,物質量,示量性の性質と示強性の性質,濃度の表し方,反応の量論関係,偏導関数 |
ものの状態,物理的状態,力,エネルギー,圧力,物質量,示量性の性質と示強性の性質,濃度の表し方,反応の量論関係,偏導関数について理解して説明できる
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2週 |
状態方程式 |
気体の法則を理解して,理想気体の方程式を説明できる. 混合気体の分圧の計算ができる.
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3週 |
気体運動論モデル |
気体の分子運動論から,圧力を定義して,理想気体の方程式を証明できる.
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4週 |
実在気体(1) |
実在気体の特徴と状態方程式を説明できる
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5週 |
実在気体(2) |
臨界現象と臨界点近傍の特徴を説明できる.
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6週 |
エネルギーの保存 |
熱力学の第一法則の定義と適用方法を説明できる.
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7週 |
内部エネルギーとエンタルピー(1) |
内部エネルギー,熱容量の定義と適用方法を説明できる. エンタルピーの定義と適用方法を説明できる.
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8週 |
内部エネルギーとエンタルピー(2) |
化合物の標準生成エンタルピーを計算できる. エンタルピーの温度依存性を計算できる.
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2ndQ |
9週 |
前期中間試験 |
60点以上得点することができる
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10週 |
前期中間試験の解説,物理変化 |
気体の等温,定圧,定容および断熱変化のΔU,W,Qを計算できる
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11週 |
化学変化(1) |
化学反応でのエントロピー変化を計算できる.
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12週 |
化学変化(2) |
化学反応でのエントロピー変化を計算できる.
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13週 |
エントロピー(1) |
熱力学の第二・第三法則の定義と適用方法を説明できる
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14週 |
エントロピー(2) |
化学反応でのエントロピー変化を計算できる.
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15週 |
期末試験の解説,エントロピー(3) |
純物質の絶対エントロピーを計算できる.
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
ギブズエネルギー |
化合物の標準生成自由エネルギーを計算できる.
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2週 |
化学ポテンシャル |
化学ポテンシャルについて理解し,説明できる
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3週 |
相転移の熱力学 |
反応における自由エネルギー変化より,平衡定数・組成を計算できる.
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4週 |
相図(1) |
純物質の状態図(P-V,P-T)を理解して,蒸気圧曲線を説明できる.
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5週 |
相図(2) |
相律の定義を理解して,純物質,混合物の自由度(温度,圧力,組成)を計算し,平衡状態を説明できる.
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6週 |
混合物の熱力学的記述(1) |
混合物の熱力学を理解し説明できる
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7週 |
混合物の熱力学的記述(2) |
混合物の熱力学を理解し説明できる
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8週 |
後期中間試験 |
60点以上得点することができる
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4thQ |
9週 |
後期中間試験の解説,混合物の相図(1) |
2成分の状態図(P-x,y,T-x,y)を理解して,気液平衡を説明できる.
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10週 |
混合物の相図(2) |
2成分の状態図(P-x,y,T-x,y)を理解して,気液平衡を説明できる.
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11週 |
熱力学的な裏付け(1) |
均一反応の平衡を説明できる.
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12週 |
熱力学的な裏付け(2) |
平衡定数の温度依存性を計算できる.
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13週 |
熱力学的な裏付け(3) |
不均一反応の平衡を説明できる.
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14週 |
諸条件による平衡の移動 |
平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる. 諸条件の影響(ルシャトリエの法則)を説明できる.
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15週 |
束一的性質 |
束一的性質を説明できる. 蒸気圧降下,沸点上昇により,溶質の分子量を計算できる 凝固点降下と浸透圧より,溶質の分子量を計算できる.
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 物理化学 | 気体の法則を理解して、理想気体の方程式を説明できる。 | 5 | 前2 |
気体の分子速度論から、圧力を定義して、理想気体の方程式を証明できる。 | 5 | 前3 |
実在気体の特徴と状態方程式を説明できる。 | 5 | 前4 |
臨界現象と臨界点近傍の特徴を説明できる。 | 5 | 前5 |
混合気体の分圧の計算ができる。 | 5 | 前2 |
純物質の状態図(P-V、P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できる。 | 5 | 後4 |
2成分の状態図(P-x、y、T-x、y)を理解して、気液平衡を説明できる。 | 5 | 後9 |
束一的性質を説明できる。 | 5 | 後15 |
蒸気圧降下、沸点上昇より、溶質の分子量を計算できる。 | 5 | 後15 |
凝固点降下と浸透圧より、溶質の分子量を計算できる。 | 5 | 後15 |
相律の定義を理解して、純物質、混合物の自由度(温度、圧力、組成)を計算し、平衡状態を説明できる。 | 5 | 後6 |
熱力学の第一法則の定義と適用方法を説明できる。 | 5 | 前6 |
エンタルピーの定義と適用方法を説明できる。 | 5 | 前7 |
化合物の標準生成エンタルピーを計算できる。 | 5 | 前11 |
エンタルピーの温度依存性を計算できる。 | 5 | 前8 |
内部エネルギー、熱容量の定義と適用方法を説明できる。 | 5 | 前8 |
平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。 | 5 | 後14 |
諸条件の影響(ルシャトリエの法則)を説明できる。 | 5 | 後14 |
均一および不均一反応の平衡を説明できる。 | 5 | 後11,後13 |
熱力学の第二・第三法則の定義と適用方法を説明できる。 | 5 | 前13 |
純物質の絶対エントロピーを計算できる。 | 5 | 前15 |
化学反応でのエントロピー変化を計算できる。 | 5 | 前14 |
化合物の標準生成自由エネルギーを計算できる。 | 5 | 後1 |
反応における自由エネルギー変化より、平衡定数・組成を計算できる。 | 5 | 後3 |
平衡定数の温度依存性を計算できる。 | 5 | 後12 |
気体の等温、定圧、定容および断熱変化のdU、W、Qを計算できる。 | 5 | 前10 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 85 | 0 | 0 | 5 | 0 | 10 | 100 |
物理化学Ⅰ | 85 | 0 | 0 | 5 | 0 | 10 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |