工学倫理(C)

科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 工学倫理(C)
科目番号 0094 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 配布資料など
担当教員 古谷 昌大,中谷内 悠,川畑 弥生,板倉 信一郎,蓑輪 泰造

到達目標

科学、技術が社会や自然に与える影響と技術者の責務に関連した問題を説明することができる。
知的財産権(職務発明を含む)に関連した問題を説明することができる。
各当該分野の基礎専門知識を十分に身につけ、先人たちの倫理問題への対応を理解し、様々な倫理問題に対し対応できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1科学、技術が社会や自然に与える影響と技術者の責務に関連した問題を詳細に説明することができる。科学、技術が社会や自然に与える影響と技術者の責務に関連した問題を簡単に説明することができる。科学、技術が社会や自然に与える影響と技術者の責務に関連した問題を説明することができない。
評価項目2知的財産権(職務発明を含む)に関連した問題を詳細に説明することができる。知的財産権(職務発明を含む)に関連した問題を簡単に説明することができる。知的財産権(職務発明を含む)に関連した問題を説明することができない。
評価項目3各当該分野の基礎専門知識を十分に身につけ、先人たちの倫理問題への対応を深く理解し、様々な倫理問題に対し適切に対応できる。各当該分野の基礎専門知識を身につけ、先人たちの倫理問題への対応を理解し、様々な倫理問題に対し対応できる。各当該分野の基礎専門知識を身につけたり、先人たちの倫理問題への対応を理解できない。様々な倫理問題に対し対応できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 RA1 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 RB2 説明 閉じる
JABEE JA3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
現代社会において、技術者が社会的責任を問われる背景を理解し、講義および事例研究を通して、工学倫理に関する基礎知識を修得し、技術者が社会的責任を果たし、工学倫理に関わる問題に適切に対応できるようにする。この科目は、高等教育機関や企業において長期間研究に携わっている者、および企業にて知的財産に関する業務に従事していた者が授業の一部を担当し、その経験を活かし、技術者としてのあり方、身につけるべき素養などを含め工学倫理等について多面的に授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
地球の環境倫理や倫理規定の必要性、事故の事例を踏まえた教育を行うとともに、環境、生命、安全、失敗や創造など多面的な視点から、工学倫理について教授する。Powerpointを用いた講義、プレゼンテーションやグループワークなどの活動により授業を進める。
注意点:
定期試験は行わなず、提出されたレポートのみで成績を評価する。講義中はパワーポイントや板書の内容だけでなく、口頭による説明についても各自メモをとる習慣を身につけること。内容を深く理解するため、また実践的工学倫理力を高めるため、参考文献やTV、新聞、インターネット等のメディアを活用し、近年話題となった工学倫理上の問題についても自身で調べ、分析すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 倫理的な問題の考え方 ガイダンス。事実と価値の区別、倫理的な問題とその考え方について理解する。
2週 技術者の社会的責任、コンプライアンス 技術者と社会的責任、コンプライアンスとは何か、コンプライアンス違反の事例について理解すること
3週 製造物責任、リスクマネジメント 製造物責任とは何か、製造物責任が問われた事例、リスクとクライシス、コントロールとマネジメントについて理解すること
4週 技術者の配慮すべきもの:公衆の利益 公衆の利益とは何か、どうして配慮すべきなのか、公益通報について理解する。
5週 社会貢献(地域貢献) 技術者の本来的使命、「この時」「この場所」との関わりについて理解すること
6週 技術者の配慮すべきもの:持続可能性について 持続可能性、将来世代への影響、自然環境への影響について配慮すべき理由について理解する。
7週 2030SDGsの体験と振り返り(1) SDGsが設定された背景や達成目標を知り、ゲームを通して自らの行動が社会に与える影響について理解し、技術者として目指すべき社会について考える。
8週 技術の社会的利用1 開発された技術を一般的に普及させることの是非について、どのように考えればよいのかを理解する。
2ndQ
9週 技術の社会的利用2 開発された技術を一般的に普及させることの是非について、どのように考えればよいのかを理解する。
10週 2030SDGsの体験と振り返り(2) SDGsが設定された背景や達成目標を知り、ゲームを通して自らの行動が社会に与える影響について理解し、技術者として目指すべき社会について考える。
11週 2030SDGsの体験と振り返り(3) SDGsが設定された背景や達成目標を知り、ゲームを通して自らの行動が社会に与える影響について理解し、技術者として目指すべき社会について考える。
12週 事例学習「製薬時異物混入に関する事件」 事例学習を通して、物質工学に携わる技術者に求められる技術者倫理・行動規範について理解すること。
13週 事例学習「論文の取下げに関する諸事件」 事例学習を通して、化学・生物系科学者に求められる科学者倫理・行動規範について理解すること。
14週 持続可能な開発と物質工学 卒業研究活動と関連させながら、物質工学に携わる技術者・科学者に求められる環境への配慮について理解すること。
15週 知的財産権概観に関する講義 知的財産権概観について理解すること。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。3前7,前10,前11
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。3前12,前13,前14
技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。3前1,前4,前6,前8,前9
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。3前15
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。3前13
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。3前7,前10,前11
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。3前15
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。3前7,前10,前11
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。3前7,前10,前11
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。3前14
分野横断的能力態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3前12,前13,前14
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3前12,前13,前14
目標の実現に向けて計画ができる。3前12,前13,前14
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3前12,前13,前14
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3前12,前13,前14
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3前12,前13,前14
法令やルールを遵守した行動をとれる。3前12,前13,前14
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3前12,前13,前14
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3前12,前13,前14
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。3前12,前13,前14
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。3前12,前13,前14
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。3前12
企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を判断することの重要性を認識している。3前12
企業には社会的責任があることを認識している。3前12
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。3前12
調査、インターンシップ、共同教育等を通して地域社会・産業界の抱える課題を説明できる。3前12
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。3前12
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。3前12,前13,前14
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。3前12,前13,前14
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。3前12
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。3前12
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。3前12
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。3前12
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。3前12,前13,前14

評価割合

試験小テスト課題発表態度その他合計
総合評価割合00100000100
基礎的能力00100000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000