(1)物質を構成する基本単位である様々な元素の性質を理解し,各元素が持つ特異な性質が原子核を取りまく電子の様々な振る舞いによることを周期表と関連付けて説明できること.(2)固体化学(結晶化学)の基本的概念を理解し,説明できること.
概要:
1年生で学習した原子の構成原理,周期律等の原子の成り立ち,VSEPR理論,分子軌道法の分子の成り立ちについての復習を行うとともに,無機化学における元素の各論,さらに固体化学の基礎を学ぶ.
授業の進め方・方法:
教科書中心の講義であるが,必要に応じてプリントを配布し学生の理解の補助とする.具体的な演習問題も適宜行うことで,理論の具体性を持たせる.
注意点:
本科(準学士課程)RB2(◎)
参考書:シュライバー・アトキンス「無機化学(上,下)」 玉虫 他訳 (東京化学同人),
ヒューイ「無機化学(上)」 中原 他訳 (東京化学同人),
ハウスクロフト「無機化学(上,下)」 巽 和行 他訳(東京化学同人)
評価方法:前期中間考査,前期期末試験,後期中間考査,及び,後期期末試験の試験4回分の平均を基本点(90%)とし,この基本点に,課題点(5%)と平常点(5%)を加えて学年成績とする
評価基準:学年成績が100点満点で60点以上を合格とする.
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
授業概要説明,典型元素の化学(水素),専門基礎Ⅰの復習(化学の発展,現在の無機化学,諸単位,化学用語,濃度,量子論) |
無機化学の内容・領域を理解し説明できること. 無機化学を学ぶ上での基礎的知識および化学で使用される濃度の内容を理解し説明できること. 水素のおよびその主要な化合物に関しての化学的,物理的性質について説明できること
|
2週 |
典型元素の化学(1族元素, 2族元素),専門基礎Ⅰの復習(原子の誕生,原子の構成粒子と種類) |
1,2族元素単体およびその主要な化合物に関しての化学的,物理的性質について説明できること. 原子の概念を理解し,電子の軌道,電子配置および原子の性質と周期性について説明できること.
|
3週 |
典型元素の化学(12族元素,13族元素),専門基礎Ⅰの復習(原子模型) |
12族元素単体およびその主要な化合物に関しての化学的,物理的性質について説明できること. ボーアの原子模型について説明できること.
|
4週 |
典型元素の化学(14族元素),専門基礎Ⅰの復習(前期量子論と原子構造) |
14族元素単体およびその主要な化合物に関しての化学的,物理的性質について説明できること. ボーア半径について説明できること.
|
5週 |
典型元素の化学(15族元素),専門基礎Ⅰの復習(原子の電子配置と電子の相互作用) |
15族元素単体およびその主要な化合物に関しての化学的,物理的性質について説明で きること. 主量子数,方位量子数,磁気量子数について説明できること.
|
6週 |
典型元素の化学16族元素,専門基礎Ⅰの復習(周期表と原子の性質) |
16族元素単体およびその主要な化合物に関しての化学的,物理的性質について説明で きること. 電子殻,電子軌道,電子軌道の形を説明できること. 元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。
|
7週 |
典型元素の化学(17族元素,18族元素),専門基礎Ⅰの復習(化学結合の初期理論,原子価結合法,分子軌道法),演習 |
17,18族元素単体およびその主要な化合物に関しての化学的,物理的性質について説明できること. 化学結合について説明できること.
|
8週 |
前期中間試験 |
60点以上得点できる
|
2ndQ |
9週 |
前期中間試験の解説,遷移元素の化学(3族元素,4族元素),専門基礎Ⅰの復習(混成軌道,多重結合と混成軌道) |
3,4族元素単体およびその主要な化合物に関しての化学的,物理的性質について説明できること. 電子配置から混成軌道の形成について説明することができること.
|
10週 |
遷移元素の化学(5族元素,6族元素), 専門基礎Ⅰの復習(非共有電子対と二重結合を含む分子の型) |
5,6族元素単体およびその主要な化合物に関しての化学的,物理的性質について説明できること. VSEPR理論について説明できること.
|
11週 |
遷移元素の化学(7族元素,8族元素),専門基礎Ⅰの復習(分子軌道法) |
7,8族元素単体およびその主要な化合物に関しての化学的,物理的性質について説明できること. 分子軌道法について説明できること.
|
12週 |
遷移元素の化学(9族元素,10族元素),専門基礎Ⅰの復習(共有結合と結合の極性およびイオン性) |
9,10族元素単体およびその主要な化合物に関しての化学的,物理的性質について説明できること. 価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる.
|
13週 |
遷移元素の化学(11族元素,希土類元素,アクチノイド),専門基礎Ⅰの復習(イオン結合,金属結合) |
11族元素,希土類元素,アクチノイドの単体およびその主要な化合物に関しての化学的,物理的性質について説明できること.
|
14週 |
各論のまとめ,専門基礎Ⅰの復習(分子間に働く力),演習 |
配位結合の形成について説明できること 分子間力(ファンデルワールス力)について説明できること. 水素結合について説明できること
|
15週 |
前期期末試験の返却と解説,電気化学1(酸化還元,電池,電気分解) |
酸化還元,電池,電気分解について理解できること.
|
16週 |
|
|
後期 |
3rdQ |
1週 |
固体化学への導入 |
固体化学の概要が理解できること.
|
2週 |
金属結合,イオン結合 |
金属結合,イオン結合について説明できること.
|
3週 |
共有結合と分子間結合 |
共有結合と分子間結合について説明できる.
|
4週 |
格子と単位格子 |
固体化学(結晶化学)の基本的概念を理解し,結晶の構造および構造の安定性がどの様な因子によって支配されるかについて説明できること.
|
5週 |
ブラベ格子 |
14個のブラベ格子を描き説明できる.
|
6週 |
結晶面とミラー指数 |
ミラー指数と方位指数について説明できること.
|
7週 |
結晶面とX線回折 |
ブラッグの法則について説明できる.
|
8週 |
後期中間試験 |
60点以上得点できること
|
4thQ |
9週 |
後期中間試験の解説,金属の結晶構造 |
最密充填格子等の金属の結晶構造について説明できること
|
10週 |
イオン結晶の構造 |
イオン結晶の構造および原子半径と配位数の関係についてあらかた説明できること.
|
11週 |
その他の結晶構造 |
分子結晶等について説明できること.
|
12週 |
結晶の不完全性,多結晶,焼結体とアモルファス |
点欠陥,線欠陥,面欠陥について説明できること.焼結体とアモルファスについて説明できること.
|
13週 |
身近な無機材料と先進的セラミックス(1) |
セラミックス(ガラス,半導体等),金属材料,炭素材料,半導体材料,複合材料等から,生活および産業を支えるいくつかの重要な無機材料の用途・製法・構造等について理解できること.
|
14週 |
身近な無機材料と先進的セラミックス(2) |
セラミックス(ガラス,半導体等),金属材料,炭素材料,半導体材料,複合材料等から,生活および産業を支えるいくつかの重要な無機材料の用途・製法・構造等について理解できること. 酸化還元,電池,電気分解について説明できること.
|
15週 |
まとめ |
第1週から第14週の内容について復習し,まとめられること.
|
16週 |
|
|
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 無機化学 | 主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。 | 4 | 前5 |
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。 | 4 | 前6 |
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。 | 4 | 前5 |
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。 | 4 | 前12 |
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。 | 4 | 前6 |
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。 | 4 | 前6 |
イオン結合と共有結合について説明できる。 | 4 | 前6,後2,後3 |
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。 | 4 | 前1 |
金属結合の形成について理解できる。 | 4 | 前13,後2 |
代表的な分子に関して、原子価結合法(VB法)や分子軌道法(MO法)から共有結合を説明できる。 | 4 | 前7,前11 |
電子配置から混成軌道の形成について説明することができる。 | 4 | 前9 |
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。 | 4 | 後9 |
配位結合の形成について説明できる。 | 4 | 前14 |
水素結合について説明できる。 | 4 | 前14,後3 |
代表的な元素の単体と化合物の性質を説明できる。 | 4 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14,後13,後14 |
物理化学 | 電池反応と電気分解を理解し、実用例を説明できる。 | 4 | |