有機材料化学

科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 有機材料化学
科目番号 0100 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 吉田泰彦、萩原時彦ら 著「高分子材料化学」三共出版/宮下徳治 著 「コンパクト高分子化学」三共出版、井之上祥平 著 「高分子材料の化学」 丸善
担当教員 津田 良弘

到達目標

(1) 高分子材料の化学構造を設計することにより様々な機能性が発現されていることが理解できること。(2) 社会における高分子材料の実際の利用分野と高分子材料を対比しながら高分子材料の化学を理解できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1(1) 高分子材料の化学構造を設計することにより様々な機能性が発現されていることを理解し、説明できる。(1) 高分子材料の化学構造を設計することにより様々な機能性が発現されていることを理解できる。(1) 高分子材料の化学構造を設計することにより様々な機能性が発現されていることを理解できない。
評価項目2(2) 社会における高分子材料の実際の利用分野と高分子材料を対比しながら高分子材料の化学を理解し、説明できる。(2) 社会における高分子材料の実際の利用分野と高分子材料を対比しながら高分子材料の化学を理解できる。(2) 社会における高分子材料の実際の利用分野と高分子材料を対比しながら高分子材料の化学を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
高分子材料は、金属材料・セラミックス材料と共に私たちの社会・生活を支えている。生命体においても、タンパク質・DNA・セルロース・デンプンなど天然高分子としてなくてはならないものである。化学構造を設計することで様々な機能性を発現し、いろいろな分野で利用されている。高分子材料を基礎から眺め、その構造と機能性の関係を理解する。
授業の進め方・方法:
教科書の各章を7~8回の講義で進める。高分子材料を基礎から眺め、構造と機能性の関係を理解し、実際の利用分野と高分子材料を対比しながら高分子材料の化学を学び、現在、高分子材料が抱えている問題(大量生産・大量消費等による弊害)についても考える。
注意点:
2,3年生の有機化学を基礎としていることから、各自復習をしながら学習すること。【評価方法を評価基準】中間試験と期末試験で評価し60点以上を合格とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバスの説明、コンビニエンスな高分子 高分子材料化学の基礎として、身の回りの高分子物質を説目できること。
2週 コスメティックな高分子 高分子材料化学の基礎として、身の回りの高分子物質を説明できること。
3週 高分子の合成(1) 付加重合などの基本的な合成方法を説明できること。
4週 高分子の合成(2) 付加重合などの基本的な合成方法を説明できること。
5週 分子量と分子量分布 高分子の分子量測定法と分子量分布があることを説明できること。
6週 高分子の構造と性質 高分子の構造と性質の関係を説明できること。
7週 成型方法 プラスチックや繊維などへの成形方法を説明できること。
8週 中間試験
2ndQ
9週 中間試験返却と解説、汎用合成高分子構造材料の全般的性質 汎用合成高分子構造材料の全般的性質を説明できること。
10週 汎用合成高分子構造材料の分子構造的特徴、物性 汎用合成高分子構造材料の分子構造的特徴と物性を説明できること。
11週 汎用合成高分子構造材料の区分・分類 汎用合成高分子構造材料の区分・分類を説明できること。
12週 プラスチック、繊維、ゴム・エラストマ- プラスチック、繊維、ゴム・エラストマ-の一般的な性質を説目できること。
13週 汎用合成高分子構造材料の課題・問題点、各論(1) 汎用合成高分子構造材料の課題・問題点について説明出来、幾つかの高分子の性質を説目できること。
14週 汎用合成高分子構造材料の課題・問題点、各論(2) 汎用合成高分子構造材料の課題・問題点について説明出来、幾つかの高分子の性質を説目できること。
15週 情報社会を支える有機材料(光ファイバ-、光ディスク) 情報社会を支える有機材料(光ファイバ-、光ディスク)について説明できること。
16週 期末試験
後期
3rdQ
1週 エンジニアリングプラスチック一般 エンジニアリングプラスチックとは何かを説明できること。
2週 エンジニアリングプラスチックの性質 エンジニアリングプラスチックの一般的性質を説明できること。
3週 エンジニアリングプラスチックの合成法 エンジニアリングプラスチックの合成法について説明できること。
4週 エンジニアリングプラスチックの開発手法 エンジニアリングプラスチックの開発手法について説明できること。
5週 エンジニアリングプラスチック各論(1) 代表的なエンジニアリングプラスチックの合成や性質等を説明できること。
6週 エンジニアリングプラスチック各論(2) 代表的なエンジニアリングプラスチックの合成や性質等を説明できること。
7週 耐熱性高分子 耐熱性高分子の作成方法の理論と実際を説明できること。
8週 高強力繊維 高強力繊維の作成方法の理論と実際を説明できること。
4thQ
9週 中間試験
10週 中間試験の返却と解説、半導体封止材 半導体封止材の必要物性などを説明できること。
11週 プリント配線基板 プリント配線基板に使われている高分子材料の必要物性などを説明できること。
12週 ポリマーバッテリー ポリマーバッテリーについて理論と実際を説明できること。
13週 リソグラフィーとレジスト リソグラフィーとレジストに使われている高分子材料を説明できること。
14週 レジストの基本原理 レジストの基本原理を説明できること。
15週 レジストの物性、各論 レジストに使われているいくつかの高分子について説明できること。
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学高分子化合物がどのようなものか説明できる。4
代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。4
高分子の分子量、一次構造から高次構造、および構造から発現する性質を説明できる。4
高分子の熱的性質を説明できる。4
重合反応について説明できる。4
重縮合・付加重合・重付加・開環重合などの代表的な高分子合成反応を説明でき、どのような高分子がこの反応によりできているか区別できる。4
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の反応を説明できる。4
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の特徴を説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力200000020
専門的能力800000080
分野横断的能力0000000