機器分析

科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 機器分析
科目番号 0102 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「機器分析」田中誠之、飯田芳男著(裳華房)、配布プリント
担当教員 小泉 貞之,後反 克典

到達目標

(1) 分析試料を前にして、どのような方法で解析するかをデザインする際に,その機能性,安全性および経済性を考慮できること。
(2) 習得した機器分析の分野における専門基礎知識・技術とに基づいて,その分野に関する工学的現象を正しく理解できること。
(3) 各機器の基本原理と特徴を説明できること。
(4) 得られたデータを解析できること。
(5) スペクトル解析法についても基本を理解できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1吸光度測定や有機化合物分析法などの機器分析に関する原理・特徴を理解でき、必要な計算や解析および説明ができる。吸光度測定や有機化合物分析法などの機器分析に関する原理・特徴を理解でき、必要な計算や解析ができる。吸光度測定や有機化合物分析法などの機器分析に関する原理・特徴を理解できず、必要な計算や解析ができない。
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 機器分析は近代化された化学分析である。従来の化学分析を迅速化し精度を上げ、困難とされていたものを分析可能となることを理解させる。それらの原理が、分光化学、放射化学、電気化学など多岐にわたっているので、研究開発を推進していく際に、どの様な機器で解決できるか熟知させる。各機器の基本原理と特徴、データ解析についても修得させる。
授業の進め方・方法:
 教科書と自作プリントを中心として行う。図で説明することが多いため、毎回2-4枚のプリントを配布し、書き込みをしつつ講義を行う。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業概要、ガイダンス
2週 吸光光度分析1 (電磁波の分類、スペクトル、ベールの法則、吸光度、吸光係数) 電磁波の分類、スペクトル、ベールの法則、吸光度、吸光係数が説明できること。
3週 吸光光度分析2 (モル吸光係数、発色試薬、装置構成、検出器) モル吸光係数、発色試薬、吸光光度計の構成が説明できること。
4週 吸光光度分析3 (検量線、多成分定量、光度滴定、錯体組成決定法) 検量線、多成分定量、錯体組成決定法が説明できること。
5週 紫外線吸収分析1 (電子雲モデル、s軌道、p軌道) 電子雲モデル、s軌道、p軌道が説明できること。
6週 紫外線吸収分析2 (σ結合、π結合、位相、結合-反結合軌道) σ結合、π結合、位相、結合-反結合軌道と、紫外線吸収分析との関係性が説明できること。
7週 赤外線吸収分析1 (分子運動の自由度、伸縮・変角振動、結合定数) 分子運動の自由度、伸縮・変角振動、結合定数が説明できること。
8週 中間試験
2ndQ
9週 試験返却、赤外線吸収分析2 (特性吸収、双極子モーメント、赤外活性、赤外不活性) 特性吸収、双極子モーメント、赤外活性、赤外不活性が説明できること。
10週 赤外線吸収分析3 (官能基分析、試料調製法、IRスペクトル解析) 官能基分析、試料調製法、IRスペクトル解析が説明できること。
11週 赤外線吸収分析4 (重水素置換IRスペクトル解析、不飽和数、芳香族面内変角振動) 重水素置換IRスペクトル解析、不飽和数、芳香族面内変角振動が説明できること。
12週 原子吸光分析1 (基底状態、励起状態、原子化、原子スペクトル、ホローカソードランプ) 基底状態、励起状態、原子化、原子スペクトルが説明できること。
13週 原子吸光分析2 (電気加熱炉AAS、標準添加法、フレーム分析) 電気加熱炉AAS、標準添加法、フレーム分析の装置と原理について説明できること。
14週 発光分光分析 (放電励起、発光スペクトル、高周波誘導結合プラズマ発光法) 放電励起、発光スペクトル、高周波誘導結合プラズマ発光法について説明できること。
15週 核磁気共鳴吸収分析1 (演習、磁気モーメント、核磁気共鳴) 磁気モーメント、核磁気共鳴ついて説明できること。
16週
後期
3rdQ
1週 核磁気共鳴吸収分析2 (飽和緩和過程、電気陰性度、誘起効果、反磁性遮へい効果、化学シフト) 飽和緩和過程、電気陰性度、誘起効果、反磁性遮へい効果、化学シフトが説明できること。
2週 核磁気共鳴吸収分析3 (積分線、スピンスピン相互作用、H-NMRスペクトル解析、二重共鳴法) 積分線、スピンスピン相互作用、H-NMRスペクトル、二重共鳴法が説明できること。
3週 C13-NMR測定 (スピンデカップリング法、C13-NMRスペクトル解析) スピンデカップリング法、C13-NMRスペクトルについて説明できること。
4週 質量分析1 (イオン化法、分子解裂、各フラグメントピーク) イオン化法、分子解裂、各フラグメントピークが説明できること。
5週 質量分析2 (再配列、MSスペクトル解析、GC-MS) 再配列、MSスペクトル解析、GC-MSについて説明できること。
6週 有機構造解析1 (IR、NMR、MS、C13NMRの各スペクトルを用いる総合解析法) IR、NMR、MS、C13NMRを用いた有機構造解析について説明できること。
7週 有機構造解析2 (IR、NMR、MS、C13NMRの各スペクトルを用いる総合解析法) IR、NMR、MS、C13NMRを用いた有機構造解析について説明できること。
8週 中間試験
4thQ
9週 試験返却、クロマトグラフ分析1 (クロマトグラフ法の原理、分類、保持容量、保持時間、半値幅) クロマトグラフ法の原理、分類、保持容量、保持時間、半値幅が説明できること。
10週 クロマトグラフ分析2 (液液分配、分配比、分配係数、抽出率) 液液分配、分配比、分配係数、抽出率が説明できること。
11週 クロマトグラフ分析3 (固定相、移動相、吸着と分配、分離、向流分布、理論段数) 固定相、移動相、吸着と分配、分離、向流分布、理論段数が説明できること。
12週 クロマトグラフ分析4 (ガスクロマトグラフ、順相逆相クロマトグラフ、GPC、イオン交換) ガスクロマトグラフ、順相逆相クロマトグラフ、GPC、イオン交換が説明できること。
13週 X線分析 (X線管球、固有X線、X線吸収分析、X線回折、蛍光X線、測定器) 固有X線、X線吸収分析、X線回折、蛍光X線等の測定器について説明できること。
14週 熱分析 (熱重量測定、熱天秤、示差熱分析、示差走査熱量分析) 熱重量測定、熱天秤、示差熱分析、示差走査熱量分析について説明できること。
15週 まとめ
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野分析化学光吸収について理解し、代表的な分析方法について説明できる。5
Lambert-Beerの法則に基づく計算をすることができる。5
イオン交換による分離方法についての概略を説明できる。5
溶媒抽出を利用した分析法について説明できる。5
無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。5
クロマトグラフィーの理論と代表的な分析方法を理解している。5
特定の分析装置を用いた気体、液体、固体の分析方法を理解し、測定例をもとにデータ解析することができる。5

評価割合

試験提出物相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合702001000100
基礎的能力3510050050
専門的能力3510050050