機器分析

科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 機器分析
科目番号 0114 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「機器分析」田中誠之、飯田芳男著(裳華房)、配布プリント
担当教員 松井 栄樹,後反 克典

到達目標

(1) 分析試料を前にして、どのような方法で解析するかをデザインする際に,その機能性,安全性および経済性を考慮できること。
(2) 習得した機器分析の分野における専門基礎知識・技術とに基づいて,その分野に関する工学的現象を正しく理解できること。
(3) 各機器の基本原理と特徴を説明でき,スペクトル解析法に基づき得られたデータを解析できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1(1) 分析試料を前にして、どのような方法で解析するかをデザインする際に,その機能性,安全性および経済性を考慮できる(1) 分析試料を前にして、どのような方法で解析するかをデザインする際に,その機能性,安全性および経済性を理解できる(1) 分析試料を前にして、どのような方法で解析するかをデザインする際に,その機能性,安全性および経済性を理解できない
評価項目2(2) 習得した機器分析の分野における専門基礎知識・技術とに基づいて,その分野に関する工学的現象を正しく理解できる(2) 習得した機器分析の分野における専門基礎知識・技術とに基づいて,その分野に関する工学的現象を十分理解できる(2) 習得した機器分析の分野における専門基礎知識・技術とに基づいて,その分野に関する工学的現象を理解できない
評価項目3(3) 各機器の基本原理と特徴を説明でき,スペクトル解析法に基づき得られたデータを解析できる(3) 各機器の基本原理と特徴を理解でき,スペクトル解析法に基づき得られたデータを理解できる(3) 各機器の基本原理と特徴,スペクトル解析法に基づき得られたデータを理解できない

学科の到達目標項目との関係

JABEE JB3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 機器分析は近代化された化学分析である。従来の化学分析を迅速化し精度を上げ、困難とされていたものを分析可能となることを理解させる。それらの原理が、分光化学、放射化学、電気化学など多岐にわたっているので、研究開発を推進していく際に、どの様な機器で解決できるか熟知させる。各機器の基本原理と特徴、データ解析についても修得させる。
授業の進め方・方法:
 教科書と配布プリントを中心として行う。図で説明することが多いため、後期は毎回2-4枚のプリントを配布し、講義を行う。また、適宜、演習問題等の課題を課すことがある。
注意点:
環境生産システム工学プログラム:JB3(◎)
関連科目:物質工学実験Ⅰ(本科2年)、分析化学Ⅰ(本科2年)、分析化学Ⅱ(本科3年)、有機化学Ⅰ(本科2年)、有機化学Ⅱ(本科3年)、有機合成化学(本科5年)、有機反応化学(専攻科環境システム系2年)
評価方法:定期試験の成績80%、提出課題10%、授業態度10%で評価を行う。
評価基準:学年成績60点以上を合格とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業概要、ガイダンス
2週 核磁気共鳴吸収分析1 (演習、磁気モーメント、核磁気共鳴) 磁気モーメント、核磁気共鳴について理解できること。
3週 核磁気共鳴吸収分析2 (飽和緩和過程、電気陰性度、誘起効果、反磁性遮へい効果、化学シフト) 飽和緩和過程、電気陰性度、誘起効果、反磁性遮へい効果、化学シフトが理解できること。
4週 核磁気共鳴吸収分析3 (積分線、スピンスピン相互作用、H-NMRスペクトル解析、二重共鳴法) 積分線、スピンスピン相互作用、H-NMRスペクトル、二重共鳴法が理解できること。
5週 C13-NMR測定 (スピンデカップリング法、C13-NMRスペクトル解析) スピンデカップリング法、C13-NMRスペクトルについて理解できること。
6週 質量分析1 (イオン化法、分子解裂、各フラグメントピーク) イオン化法、分子解裂、各フラグメントピークが理解できること。
7週 質量分析2 (再配列、MSスペクトル解析、GC-MS) 再配列、MSスペクトル解析、GC-MSについて理解できること。
8週 中間試験
2ndQ
9週 試験返却、赤外線吸収分析1 (分子運動の自由度、伸縮・変角振動、結合定数) 分子運動の自由度、伸縮・変角振動、結合定数が理解できること。
10週 赤外線吸収分析2 (特性吸収、双極子モーメント、赤外活性、赤外不活性) 特性吸収、双極子モーメント、赤外活性、赤外不活性が理解できること。
11週 赤外線吸収分析3 (官能基分析、試料調製法、IRスペクトル解析) 官能基分析、試料調製法、IRスペクトル解析が理解できること。
12週 赤外線吸収分析4 (重水素置換IRスペクトル解析、不飽和数、芳香族面内変角振動) 重水素置換IRスペクトル解析、不飽和数、芳香族面内変角振動が理解できること。
13週 有機構造解析1 (IR、NMR、MS、C13NMRの各スペクトルを用いる総合解析法) IR、NMR、MS、C13NMRを用いた有機構造解析について理解できること。
14週 有機構造解析2 (IR、NMR、MS、C13NMRの各スペクトルを用いる総合解析法) IR、NMR、MS、C13NMRを用いた有機構造解析について理解できること。
15週 有機構造解析3 (IR、NMR、MS、C13NMRの各スペクトルを用いる総合解析法) IR、NMR、MS、C13NMRを用いた有機構造解析について理解できること。
16週
後期
3rdQ
1週 吸光光度分析1 (電磁波の分類、スペクトル、ベールの法則) 電磁波の分類、スペクトル、ベールの法則が理解できること。
2週 吸光光度分析2 (吸光度、吸光係数、モル吸光係数、発色試薬、装置構成) 吸光度、吸光係数、モル吸光係数、発色試薬、吸光光度計の構成が理解できること。
3週 吸光光度分析3 (検量線、多成分定量、光度滴定、錯体組成決定法) 検量線、多成分定量、錯体組成決定法が理解できること。
4週 紫外線吸収分析 (電子雲モデル、σ結合、π結合、結合性-反結合性軌道) 電子雲モデル、σ結合、π結合、結合性-反結合性軌道と、紫外線吸収分析との関係性が理解できること。
5週 原子吸光分析1 (基底状態、励起状態、原子化、原子スペクトル、ホロカソードランプ) 基底状態、励起状態、原子化、原子スペクトルが理解できること。
6週 原子吸光分析2 (電気加熱炉AAS、標準添加法、フレーム分析) 電気加熱炉AAS、標準添加法、フレーム分析の装置と原理について理解できること。
7週 発光分光分析 (放電励起、発光スペクトル、高周波誘導結合プラズマ発光法) 放電励起、発光スペクトル、高周波誘導結合プラズマ発光法について理解できること。
8週 中間試験
4thQ
9週 試験返却、クロマトグラフ分析1 (クロマトグラフ法の原理、分類、保持容量、保持時間、半値幅) クロマトグラフ法の原理、分類、保持容量、保持時間、半値幅が理解できること。
10週 クロマトグラフ分析2 (液液分配、分配比、分配係数、抽出率) 液液分配、分配比、分配係数、抽出率が理解できること。
11週 クロマトグラフ分析3 (固定相、移動相、吸着と分配、分離、向流分布、理論段数) 固定相、移動相、吸着と分配、分離、向流分布、理論段数が理解できること。
12週 クロマトグラフ分析4 (ガスクロマトグラフ、順相逆相クロマトグラフ、GPC、イオン交換) ガスクロマトグラフ、順相逆相クロマトグラフ、GPC、イオン交換が理解できること。
13週 X線分析 (X線管球、固有X線、X線吸収分析、X線回折、蛍光X線、測定器) 固有X線、X線吸収分析、X線回折、蛍光X線等の測定器について理解できること。
14週 熱分析 (熱重量測定、熱天秤、示差熱分析、示差走査熱量分析) 熱重量測定、熱天秤、示差熱分析、示差走査熱量分析について理解できること。
15週 まとめ
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野分析化学光吸収について理解し、代表的な分析方法について説明できる。4
Lambert-Beerの法則に基づく計算をすることができる。4
イオン交換による分離方法についての概略を説明できる。4
溶媒抽出を利用した分析法について説明できる。4
無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。4
クロマトグラフィーの理論と代表的な分析方法を理解している。4
特定の分析装置を用いた気体、液体、固体の分析方法を理解し、測定例をもとにデータ解析することができる。4

評価割合

定期試験提出課題授業態度合計
総合評価割合801010100
専門的能力801010100