生化学Ⅰ

科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 生化学Ⅰ
科目番号 0117 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 概説 生物化学  島原健三 著 三共出版 および プリント等の参考資料(教員が準備)を用いる
担当教員 坂元 知里,上島 晃智

到達目標

生命現象を支える生体物質(糖、アミノ酸、タンパク質、脂質、核酸、酵素、補酵素、ビタミンの構造)と性質、それらの生物学的役割を理解し説明できるようになること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1生化学Iで履修する各生体物質の構造や機能(役割)が理解できる。生化学Iで履修する各生体物質の構造が理解できる。生化学Iで履修する各生体物質の構造や機能が理解できない。
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
生命現象が化学物質と化学反応の連鎖反応によって成り立っていることを学び、ライフサイエンスおよびバイオテクノロジーの基礎知識として生体分子の構造並びに機能・性質について理解できるようにする。
授業の進め方・方法:
教科書に基づいて講義をすすめる。生体分子の構造と機能との関係が理解しやすいように心がける。必要に応じてプリントやスライド(Web)を活用し学生の理解の補助とする。
注意点:
関連科目:生化学Ⅱ (4年生)
評価方法:前期後期4回の試験の平均で評価する。成績の評価(通年の評価)が60点以上を合格とする60点に満たない場合は追試やレポートにより加点する。
     ただし加点修正後の成績(点数)については、最大65点とする。
評価基準:学年成績60点以上

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバスの説明、生化学の基礎 生命とはなにか、生命と水、細胞の構造について概観し理解する。
2週 単糖とその誘導体(その1)
単糖とその誘導体について理解できるようになる。
3週 単糖とその誘導体(その2)

単糖とその誘導体について理解できるようになる。
4週 二糖・オリゴ糖 二糖・オリゴ糖について理解できるようになる。
5週 多糖 多糖について理解できるようになる。
6週 複合糖質 複合糖質について理解できるようになる。
7週 中間試験 中間試験の復習
8週 試験の解説とアミノ酸の構造 アミノ酸の構造理解できる。
2ndQ
9週 アミノ酸の特性 アミノ酸の特性について理解できる。
10週 ペプチドとペプチド結合 ペプチドとペプチド結合について理解できる。
11週 タンパク質の構造 タンパク質の構造について理解できる。
12週 タンパク質の精製とアミノ酸配列決定 タンパク質の精製やアミノ酸配列決定法について理解できる。
13週 酵素の特性 酵素の一般的性質が理解できるようになる。
14週 酵素反応の特性と様式 酵素反応の特性と様式が理解できるようになる。
15週 期末試験
16週 試験の解説と酵素反応の特性と反応速度論 期末試験の復習
酵素反応の特性、特にミカエリスメンテンの式について理解できるようになる。
後期
3rdQ
1週 補酵素や補因子の役割 補酵素や補因子の役割が理解できるようになる。
2週 酵素活性の定義 酵素活性の定義が理解できるようになる。
3週 酵素反応阻害 酵素反応阻害が理解できるようになる。
4週 脂質の分類 脂質の分類を理解できるようになる。
5週 脂肪酸 脂肪酸について理解できるようになる。
6週 中性脂肪 中性脂肪について理解できるようになる。
7週 中間試験
8週 試験の返却と解説 中間試験の復習
4thQ
9週 リン脂質、糖脂質、ステロイド リン脂質、糖脂質、ステロイドについて理解できるようになる。
10週 核酸、塩基、ヌクレオシドとヌクレオチド 塩基、ヌクレオシドとヌクレオチドと核酸の関係が理解できるようになる。
11週 DNAとRNA
DNAとRNAの構造やゲノムとの関連性(遺伝情報など)が理解できるようになる。
12週 生物について 真核生物・原核生物の違いが説明でき、かつ細胞の基本的構造と働きを理解する
13週 原核微生物について 原核微生物の種類と特徴について理解できるようになる。
14週 真核微生物について 真核微生物(カビ、酵母)の種類と特徴について説明できる。
15週 期末試験
16週 試験の返却と解説 期末試験の復習

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野基礎生物原核生物と真核生物の違いについて説明できる。4後12
核、ミトコンドリア、葉緑体、細胞膜、細胞壁、液胞の構造と働きについて説明できる。4後12
葉緑体とミトコンドリアの進化の説について説明できる。4
代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。4後16
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。4前14
光合成及び呼吸の大まかな過程を説明でき、2つの過程の関係を説明できる。4
DNAの構造について遺伝情報と結びつけて説明できる。4後11
遺伝情報とタンパク質の関係について説明できる。4後11
染色体の構造と遺伝情報の分配について説明できる。4
細胞周期について説明できる。4
分化について説明できる。4
ゲノムと遺伝子の関係について説明できる。4後11
細胞膜を通しての物質輸送による細胞の恒常性について説明できる。4
フィードバック制御による体内の恒常性の仕組みを説明できる。4
情報伝達物質とその受容体の働きを説明できる。4
免疫系による生体防御のしくみを説明できる。4
生物化学タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。4前5,前11,後10
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。4
単糖と多糖の生物機能を説明できる。4前2,前3,前4,前5,前6
単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。4前2,前3
グリコシド結合を説明できる。4前4
多糖の例を説明できる。4前5,前6
脂質の機能を複数あげることができる。4後4,後6
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。4後6
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。4後9
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。4前11
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。4前12
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。4前8,前9
タンパク質の高次構造について説明できる。4前11
ヌクレオチドの構造を説明できる。4後10
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。4後11
DNAの半保存的複製を説明できる。4後11
RNAの種類と働きを列記できる。4後11
コドンについて説明でき、転写と翻訳の概要を説明できる。4後11
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。4前13
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。4前13
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。4後1
解糖系の概要を説明できる。4
クエン酸回路の概要を説明できる。4
酸化的リン酸化過程におけるATPの合成を説明できる。4
嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)の過程を説明できる。4
各種の光合成色素の働きを説明できる。4
光化学反応の仕組みを理解し、その概要を説明できる。4
炭酸固定の過程を説明できる。4
生物工学原核微生物の種類と特徴について説明できる。4後12,後13
真核微生物(カビ、酵母)の種類と特徴について説明できる。4後12,後14

評価割合

試験その他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力10000000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000