物質工学実験Ⅱ

科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 物質工学実験Ⅱ
科目番号 0118 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 学修単位: 4
開設学科 物質工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 前期:6 後期:6
教科書/教材 「新有機化学実験」浅田誠一他共著(技報堂出版)、「生化学実験」斉藤正行他共著(講談社サイエンティフィック)
担当教員 松井 栄樹,津田 良弘,川村 敏之,上島 晃智,松野 敏英,坂元 知里

到達目標

(1)合成化学物質や生体化学物質の機能性について理解できること。
(2)有機化学実験では有機化合物の安全な取扱、化学的・物理的性質の評価、ニトロ化、酸化、還元等による合成が理解でき、生物化学実験では生体成分の基本的な性質、生体成分の特性、酵素、核酸などを安全に扱うときの注意点を理解できること。
(3)グループ実験を通して問題点等をグループ内で解決し、与えられた実験テーマについて、期日までに結果をレポートとして提出できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1(1)合成化学物質や生体化学物質の機能性について理解できる(1)合成化学物質や生体化学物質の機能性について十分理解できる(1)合成化学物質や生体化学物質の機能性について理解できない
評価項目2(2)有機化学実験では有機化合物の安全な取扱、化学的・物理的性質の評価、ニトロ化、酸化、還元等による合成が理解でき、生物化学実験では生体成分の基本的な性質、生体成分の特性、酵素、核酸などを安全に扱うときの注意点を理解できる (2)有機化学実験では有機化合物の安全な取扱、化学的・物理的性質の評価、ニトロ化、酸化、還元等による合成が十分理解でき、生物化学実験では生体成分の基本的な性質、生体成分の特性、酵素、核酸などを安全に扱うときの注意点を十分理解できる(2)有機化学実験では有機化合物の安全な取扱、化学的・物理的性質の評価、ニトロ化、酸化、還元等による合成が理解できず、生物化学実験では生体成分の基本的な性質、生体成分の特性、酵素、核酸などを安全に扱うときの注意点を理解できない
評価項目3(3)グループ実験を通して問題点等をグループ内で解決し、与えられた実験テーマについて、期日までに結果をレポートとして提出できる(3)グループ実験を通して問題点等をグループ内で解決し、与えられた実験テーマについて、期日までに結果をレポートとしてほぼ提出できる(3)グループ実験を通して問題点等をグループ内で解決できず、与えられた実験テーマについて、期日までに結果をレポートとして提出できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
物質工学実験IIとして、有機化学実験(前期)と生物化学実験(後期)を行う。有機化合実験では有機化合物の安全な取り扱い方等の基本的な性質を実験を通して学び、さらに染料等の合成を行い、生物化学実験では生体成分の特性、酵素、核酸などを安全に取り扱い、共に実験と並行して開講されている講義に具体性を持たせる。
授業の進め方・方法:
有機化学実験は教科書およびプリントを用い、授業計画に従って2~3人/グループで実験を行う。生物化学実験は教科書を元に適宜プリントなどを用意し、3人程度のグループで実験を行う。なお、シラバスの説明時には実験全体の安全教育を行うが、各実験の最初にも、必要に応じて実験上の安全に関する基礎的な知識や技術を解説する。
注意点:
この科目は、学修単位C(45時間の授業で1単位)の科目である。
学習・教育目標:本科(準学士課程):RD1(◎), RB2(○)
関連科目:生化学、有機化学、物質工学実験I、III、微生物学
評価方法:有機化学実験・生物化学実験共に実験態度(グループ実験での協調性等)を3割、レポート7割で評価する。レポートの期限遅れは1日につき1割減点する。学年成績は前期、後期の平均点とする。
評価基準:学年成績60点以上

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 有機化学実験,実験概要 シラバスの説明,実験の解説,安全教育,準備,炭化水素の実験が理解できる
2週 定性実験 アルデヒド・ケトンの実験が理解できる
3週 定性実験 糖の実験が理解できる
4週 定性実験 カルボン酸・エステルの実験が理解できる
5週 定性実験 アミン・ベンゼンの実験が理解できる
6週 定性実験 ベンゼン誘導体の実験が理解できる
7週 定性実験 フェノールの実験が理解できる
8週 レポート作製
2ndQ
9週 合成実験 ニトロベンゼンの合成・ アニリンの合成が理解できる
10週 合成実験 オレンジIIの合成が理解できる
11週 合成実験 酢酸エチルの合成が理解できる
12週 合成実験 シクロヘキサノンの合成が理解できる
13週 合成実験 アジピン酸の合成,TLCによる反応追跡が理解できる
14週 合成実験 植物色素のカラム精製,減圧蒸留が理解できる
15週 有機化学実験のまとめ まとめ
16週
後期
3rdQ
1週 生物化学実験、実験概要 シラバスの説明、実験の解説,安全教育,アミノ酸・タンパク質の定性が理解できる
2週 微生物培養 微生物培養の概要および基本操作を身につける
3週 微生物培養 身の回りの微生物を培養し、観察することで、微生物環を理解できる
4週 アミノ酸・タンパク質 アミノ酸とタンパク質の呈色反応・アミノ酸のペーパークロマトグラフィーを通して、アミノ酸の定性分析が理解できる
5週 アミノ酸・タンパク質 アミノ酸の比色定量(発光率の比較)が理解できる
6週 酵素 アミノ酸の比色定量(発光率の比較)が理解できる
7週 酵素 酵素活性測定法・基質濃度依存性が理解できる
8週 レポート作製
4thQ
9週 核酸 核酸操作の基本を理解できる。
10週 核酸 DNAの簡易抽出と電気泳動による同定法が理解できる
11週 脂質 脂質の定性分析および定量分析の基本を理解できる
12週 脂質 卵黄からの脂質抽出が理解できる
13週 脂質 シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる脂質分離が理解できる
14週 脂質 シリカゲル薄層クロマトグラフィー(TLC)法を用いた卵黄構成脂質の同定が理解できる
15週 生物化学実験のまとめ まとめ・レポート作成
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】有機化学実験加熱還流による反応ができる。4
蒸留による精製ができる。4
吸引ろ過ができる。4
再結晶による精製ができる。4
分液漏斗による抽出ができる。4
薄層クロマトグラフィによる反応の追跡ができる。4
融点または沸点から生成物の確認と純度の検討ができる。4
収率の計算ができる。4
生物工学実験光学顕微鏡を取り扱うことができ、生物試料を顕微鏡下で観察することができる。4
滅菌・無菌操作をして、微生物を培養することができる。4
適切な方法や溶媒を用いて、生物試料から目的の生体物質を抽出し、ろ過や遠心分離等の簡単な精製ができる。4
分光分析法を用いて、生体物質を定量することができる。4
クロマトグラフィー法または電気泳動法によって生体物質を分離することができる。4
酵素の活性を定量的または定性的に調べることができる。4

評価割合

レポート実験態度合計
総合評価割合7030100
専門的能力7030100