物理化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 物理化学Ⅱ
科目番号 0121 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 ボール物理化学(第2版)[下]
担当教員 松野 敏英,津田 良弘,常光 幸美,西野 純一

到達目標

物理化学に関する基礎事項について必要な専門知識を把握できる能力を育成するために, 物理化学Ⅰ(第3学年)において主として学習した物理化学の巨視的な概念である熱力学と化学平衡の基礎の上に, 特にその応用の領域である化学反応速度, 電解質溶液, 電池の起電力,気体運動論等に関しても習得する.さらに,量子力学入門についても習得する.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1物理化学Ⅱの応用問題が解ける物理化学Ⅱの基礎問題が解ける物理化学Ⅱの基礎問題が解けない
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

JABEE JB1 説明 閉じる
JABEE JB3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
物理化学Ⅱの授業を行う。前期は主に,化学反応を理解するために基本である反応速度論について学修する.後期は主に,化学電池の特性および量子力学等について学修する.本授業を通して,化学反応および化学現象への総合的な理解を深める.
全30週のうち,後期の第1週から第3週の授業は,企業で電池の設計を担当していた実務経験者が担当する.
授業の進め方・方法:
授業は,教科書(ボール物理化学(第2版)[上][下])を中心に進めるが,その不足部分はプリント等で補う.
なお,この科目は学修単位であり,すべての時間において講義および演習で行われ,授業外学修のための課題(予習復習,授業内容に関する調査・考察)を課す.
学生は,授業を受けるにあたり,予習復習(授業内容に関する調査・考察)を行うこと.
注意点:
環境生産システム工学プログラム:JB1(○),JB3(◎)
関連科目:物理化学Ⅰ(本科3年),情報化学(本科4年),電気化学(本科5年),無機化学Ⅲ(本科5年),物理化学Ⅲ(本科5年)
評価方法:前期成績(前期中間試験および前期期末試験の平均)および後期成績(後期中間試験および後期期末試験の平均)の平均とする。成績の評価が60点以上を合格とする.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバスの説明,授業概要の説明,20反応速度論,20.1あらまし,20.2反応速度と速度式 20.1あらまし,20.2反応速度と速度式を理解し,関連問題が解ける.
2週 20.1あらまし,20.2反応速度と速度式 20.1あらまし,20.2反応速度と速度式を理解し,関連問題が解ける.
3週 20.3典型的な初速度式 20.3典型的な初速度式を理解し,関連問題が解ける.
4週 20.3典型的な初速度式,20.4平衡反応 20.3典型的な初速度式,20.4平衡反応を理解し,関連問題が解ける.
5週 20.4平衡反応,20.5並発反応と逐次反応 20.4平衡反応,20.5並発反応と逐次反応を理解し、関連問題が解ける.
6週 20.5並発反応と逐次反応,20.6温度依存性 20.5並発反応と逐次反応,20.6温度依存性を理解し,関連問題が解ける.
7週 20.6温度依存性,20.7反応機構と素反応 20.6温度依存性,20.7反応機構と素反応を理解し,関連問題が解ける.
8週 20.7反応機構と素反応 20.7反応機構と素反応を理解し,関連問題が解ける.
2ndQ
9週 中間試験
10週 中間試験の解答・解説
11週 20.7反応機構と素反応,20.8定常状態近似 20.7反応機構と素反応,20.8定常状態近似を理解し,関連問題が解ける.
12週 20.8定常状態近似 20.8定常状態近似を理解し,関連問題が解ける.
13週 20.8定常状態近似,20.10遷移状態理論 20.8定常状態近似,20.10遷移状態理論を理解し,関連問題が解ける.
14週 20.10遷移状態理論 20.10遷移状態理論を理解し,関連問題が解ける.
15週 期末試験の解答・解説
16週
後期
3rdQ
1週 電気化学とイオン溶液
―あらまし・電荷・エネルギーと仕事―
授業外学習:ボール物理化学(上)例題8.1と8.2を自ら問いて理解すること.
荷電種が移動するときの仕事やエネルギーはΔGのような熱力学量と関連付けられること理解し,関連問題が解ける.
2週 電気化学とイオン溶液
―標準電位・非標準状態の起電力と平衡定数・溶液中のイオン―
授業外学習:ボール物理化学(上)例題8.3から8.11を自ら問いて理解すること.
イオン強度,活量,活量係数を考え電気化学反応を理解し,関連問題が解ける.
3週 電気化学とイオン溶液
デバイ・ヒュッケル理論とイオン溶液・イオン輸送と電気伝導.まとめ―
授業外学習:ボール物理化学(上)例題8.12を自ら問いて理解すること.
イオン溶液を記述するデバイ・ヒュッケル理論を理解し,関連問題が解ける.
4週 量子化学入門 
授業外学習:ボール物理化学(上)例題10.1から10.6を自ら解き理解すること
量子化学入門を理解できる
5週 量子力学入門
授業外学習:ボール物理化学(上)例題10.7から10.13を自ら解き理解する
量子化学入門を説明でき,関連問題が解ける.
6週 量子力学入門
―三次元の箱の中の粒子(1)―
授業外学習:ボール物理化学(上)の10.11節を熟読し理解する.
三次元の箱の中の粒子を理解できる.
7週 量子力学入門
―三次元の箱の中の粒子(2)―
授業外学習:ボール物理化学(上)例題10.14を自ら解き理解すること
三次元の箱の中の粒子を説明し,関連問題が解ける.
8週 中間試験 60点以上得点すること
4thQ
9週 中間試験の解説,学習のまとめ
量子力学入門
―縮退―
授業外学習:ボール物理化学(上)例題10.15を自ら解き理解すること
縮退を理解し,関連問題が解ける.
10週 量子力学入門
―直交性―
授業外学習:ボール物理化学(上)例11.16を自ら解き理解すること
直交性を理解し,関連問題が解ける.
11週 量子力学入門
―時間に依存するシュレディンガー方程式(1)―
授業外学習:ボール物理化学(上)10.14節を熟読し理解すること
時間に依存するシュレディンガー方程式を理解できる
12週 量子力学入門
―時間に依存するシュレディンガー方程式(2)―
授業外学習:ボール物理化学(上)例題10.17を自ら解き理解すること
時間に依存するシュレディンガー方程式を説明できる
13週 量子力学入門
――時間に依存するシュレディンガー方程式(3)―
授業外学習:ボール物理化学(上)10章末問題10.89を解く
時間に依存するシュレディンガー方程式の関連問題が解ける.
14週 量子力学入門
―仮定のまとめ―
授業外学習:ボール物理化学(上)p389 表10.2をまとめる
仮定のまとめを理解し,関連問題が解ける.
15週 期末試験の解答・解説,学習のまとめ
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野物理化学反応速度の定義を理解して、実験的決定方法を説明できる。4前1
反応速度定数、反応次数の概念を理解して、計算により求めることができる。4
微分式と積分式が相互に変換できて半減期が求められる。4
連続反応、可逆反応、併発反応等を理解している。4
律速段階近似、定常状態近似等を理解し、応用できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力10000000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000