基礎材料化学

科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 基礎材料化学
科目番号 0137 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「化学教科書シリ-ズ 固体化学の基礎と無機材料」 足立吟也 編著 (丸善),ボール物理化学(上)2ndED D. W. Ball (化学同人)
担当教員 西野 純一

到達目標

(1) 工学的諸問題に対処する際に必要な,運動力学・電磁気学・熱力学などの物理に関する知識を講義・演習を通じて理解できること.
(2) 工学的諸問題に対処する際に必要な化学に関する基礎知識を講義・演習を通じて理解できること.
(3) 結晶構造,固体の相平衡と反応,固体のキャラクタリゼ-ションなど固体化学に関する基礎的知識の習得とその応用としての無機材料の展開を理解できること.
(4) 量子力学入門を理解できること.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1工学的諸問題に対処する際に必要な,運動力学・電磁気学・熱力学などの物理に関する知識を講義・演習を通じて理解できる. 工学的諸問題に対処する際に必要な,運動力学・電磁気学・熱力学などの物理に関する基礎知識を講義・演習を通じて理解できる. 工学的諸問題に対処する際に必要な,運動力学・電磁気学・熱力学などの物理に関する基礎知識を講義・演習を通じて理解できない.
評価項目2工学的諸問題に対処する際に必要な化学に関する基礎知識を講義・演習を通じて十分理解できる. 工学的諸問題に対処する際に必要な化学に関する基礎知識を講義・演習を通じて理解できる. 工学的諸問題に対処する際に必要な化学に関する基礎知識を講義・演習を通じて理解できない.
評価項目3量子力学入門を講義・演習を通じて十分理解できる量子力学入門を講義・演習を通じて理解できる量子力学入門を講義・演習を通じて理解できない

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
「情報」,「バイオ」,「新素材」が現代のハイテクノロジ-を支える3本柱であるとよくいわれる.この中の新素材を研究する学問分野が「材料科学」である.本授業では,特に,材料化学の基礎となる固体化学と無機材料の基礎を解説し,固体化学を学ぶ上で今後どのような知識が要求されているのかを知り,基礎的知識の習得とその応用としての無機材料の展開,すなわち無機材料科学の本質を理解する.
授業の進め方・方法:
教科書に沿って講義ならびに演習を行う.また,その理解に役立つ身近な材料の事象例や最近の材料の研究・技術開発についても紹介・解説する.
注意点:
環境生産システム工学プログラム:JB1(○),JB3(◎)
本科(準学士課程):RB1(○),RB2(◎)
関連科目:無機材料化学(本科4年)
評価方法:定期試験(中間試験・期末試験)の成績の平均で到達目標を総合的に評価し,学年成績とする.なお,60点に達しない場合は課題の追加提出あるいは再試験を実施することもある.
評価基準:到達目標と科目の合否は学年成績60点以上で合格とする.
最終成績60点以上を合格とする.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業概要,ガイダンス
シラバスの説明,物質と材料
物質と材料の関係を理解できる.
2週 固体の構造
化学結合,結晶構造
波動関数
固体の構造(化学結合と結晶構造)について理解できる.
波動関数について理解できる
3週 固体の相平衡と反応
固体の熱力学
オブザーバブルと演算子
固体の相平衡と反応(固体の熱力学)について理解できる.
オブザーバブルと演算子について理解
できる
4週 固体の相平衡と反応
格子欠陥と表面
波動関数についてボルンの解釈
固体の相平衡と反応(格子欠陥と表面)について理解できる.
波動関数についてのボルンの解釈を理解
できる
5週 固体の相平衡と反応
固体の反応
規格化
固体の相平衡と反応(固体の反応)について理解できる.
規格化について理解できる
6週 固体の相平衡と反応
単結晶
シュレディンガー方程式(1)
固体の相平衡と反応(単結晶)について理解できる.
シュレディンガー方程式について理解できる
7週 固体の相平衡と反応
固体の焼結
シュレディンガー方程式(2)
固体の相平衡と反応(固体の焼結)について理解できる.
シュレディンガー方程式について説明できる
8週 中間試験 中間試験で60点以上得点できる
2ndQ
9週 試験の返却と解答・解説
固体のキャラクタリゼ-ション
組成・構造の調べ方
箱の中の粒子―シュレディンガー方程式の厳密解―(1)
固体のキャラクタリゼ-ション(組成・構造の調べ方)について理解できる.
箱の中の粒子(シュレディンガー方程式の厳密解)ついて理解できる
10週 固体のキャラクタリゼ-ション
粉末X線回折法・電子回折法
箱の中の粒子―シュレディンガー方程式の厳密解―(2)
固体のキャラクタリゼ-ション(粉末X線回折法・電子回折法)について理解できる.
箱の中の粒子(シュレディンガー方程式の厳密解)ついて説明できる
11週 固体のキャラクタリゼ-ション
透過電子顕微鏡法・走査電子顕微鏡法
箱の中の粒子―シュレディンガー方程式の厳密解―(3)
固体のキャラクタリゼ-ション(透過電子顕微鏡法・走査電子顕微鏡法)について理解できる.
箱の中の粒子(シュレディンガー方程式の厳密解)ついての問題を解くことができる
12週 固体のキャラクタリゼ-ション
赤外分光法・ラマン分光法
トンネル現象(1)
固体のキャラクタリゼ-ション(赤外分光法・ラマン分光法)について理解できる.
トンネル現象について理解できる
13週 固体のキャラクタリゼ-ション
アモルファス物質のキャラクタリゼ-ション
トンネル現象(2)
固体のキャラクタリゼ-ション(アモルファス物質のキャラクタリゼ-ション)について理解できる.
トンネル現象について説明できる
14週 固体の量子論
トンネル現象(3)
分子軌道法と分子動力学法の違いについて理解できる.
トンネル現象についての問題を解くことができる
15週 期末試験 期末試験で60点以上得点できる
16週 学習のまとめ
試験の返却と解答・解説,まとめ
仮定のまとめ
仮定のまとめを理解できる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野無機化学イオン結合と共有結合について説明できる。4前14
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。4
金属結合の形成について理解できる。4
代表的な分子に関して、原子価結合法(VB法)や分子軌道法(MO法)から共有結合を説明できる。4
電子配置から混成軌道の形成について説明することができる。4
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000