基礎材料化学

科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 基礎材料化学
科目番号 0140 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 固体化学 第2版 田中 勝久 監訳 (東京化学同人),ボール物理化学(上)2ndED D. W. Ball著 (化学同人)
担当教員 西野 純一

到達目標

(1) 工学的諸問題に対処する際に必要な,運動力学・電磁気学・熱力学などの物理に関する知識を講義・演習を通じて理解できること.
(2) 工学的諸問題に対処する際に必要な化学に関する基礎知識を講義・演習を通じて理解できること.
(3) 結晶構造,固体の相平衡と反応,固体のキャラクタリゼ-ションなど固体化学に関する基礎的知識の習得とその応用としての無機材料の展開を理解できること.
(4) 量子力学入門を理解できること.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1工学的諸問題に対処する際に必要な,運動力学・電磁気学・熱力学などの物理に関する知識を講義・演習を通じて理解できる. 工学的諸問題に対処する際に必要な,運動力学・電磁気学・熱力学などの物理に関する基礎知識を講義・演習を通じて理解できる. 工学的諸問題に対処する際に必要な,運動力学・電磁気学・熱力学などの物理に関する基礎知識を講義・演習を通じて理解できない.
評価項目2工学的諸問題に対処する際に必要な化学に関する基礎知識を講義・演習を通じて十分理解できる. 工学的諸問題に対処する際に必要な化学に関する基礎知識を講義・演習を通じて理解できる. 工学的諸問題に対処する際に必要な化学に関する基礎知識を講義・演習を通じて理解できない.
評価項目3量子力学入門を講義・演習を通じて十分理解できる量子力学入門を講義・演習を通じて理解できる量子力学入門を講義・演習を通じて理解できない

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
「情報」,「バイオ」,「新素材」が現代のハイテクノロジ-を支える3本柱であるとよくいわれる.この中の新素材を研究する学問分野が「材料科学」である.本授業では,特に,材料化学の基礎となる固体化学と無機材料の基礎を解説し,固体化学を学ぶ上で今後どのような知識が要求されているのかを知り,基礎的知識(量子力学等)の習得とその応用としての無機材料の展開,すなわち無機材料科学の本質を理解する.
授業の進め方・方法:
教科書に沿って講義ならびに演習を行う.また,その理解に役立つ身近な材料の事象例や最近の材料の研究・技術開発についても紹介・解説する.予習,復習および演習問題を必ず行っておくこと.
注意点:
環境生産システム工学プログラム:JB1(○),JB3(◎)
本科(準学士課程):RB1(○),RB2(◎)
関連科目:物理化学Ⅱ(本科4年),無機化学Ⅲ(本科5年)
評価方法:定期試験(期末試験)の成績で到達目標を総合的に評価し,学年成績とする.なお,60点に達しない場合は課題の追加提出あるいは再試験を実施することもある.
評価基準:到達目標と科目の合否は学年成績60点以上で合格とする.
最終成績60点以上を合格とする.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オンライン授業
授業概要,ガイダンス,シラバスの説明,
量子力学入門 ー波動関数ー
量子力学入門 ーオブザーバブルと演算子ー
波動関数について理解し,関連問題を解くことができる.
オブザーバブルと演算子について理解し,関連問題を解くことができる.
2週 オンライン授業
化学結合と結晶構造
原子価結合法,分子軌道法
量子力学入門 ー波動関数についてボルンの解釈ー
量子力学入門 ー規格化ー
分子軌道法と分子動力学法の違いについて理解できる.
波動関数についてのボルンの解釈を理解し,関連問題を解くことができる.
規格化について理解し,関連問題を解くことができる.
3週 オンライン授業
量子力学入門 ーシュレディンガー方程式ー

シュレディンガー方程式について理解できる.
4週 オンライン授業
箱の中の粒子―シュレディンガー方程式の厳密解―
固体化学の領域
化学結合と結晶構造
箱の中の粒子(シュレディンガー方程式の厳密解)ついての関連問題を解くことができる.
固体化学の領域を理解できる.
化学結合と結晶構造について理解できる.
5週 オンライン授業
化学結合と結晶構造
イオン結晶,金属結晶,分子結晶
量子力学入門 ―トンネル現象(1)―
イオン結晶,金属結晶,分子結晶について理解できる.
トンネル現象について理解し,説明できる.
6週 オンライン授業
量子力学入門 ―トンネル現象(2)―
固体状態の熱力学
相の概念

相の概念について理解できる.
トンネル現象についての関連問題を解くことができる.
7週 オンライン授業
量子力学入門 ―三次元箱の中の粒子―
固体状態の熱力学
相の概念,固溶体,二成分系の状態図
三次元箱の中の粒子について理解するために必要なラプラシアンの極座標表示を理解できる.
固溶体,2成分の状態図について理解できる.
8週 オンライン授業
量子力学入門 ―三次元箱の中の粒子―
固体状態の熱力学
二成分系の状態図,格子欠陥,非晶質固体と液晶
三次元箱の中の粒子について理解することができる.
格子欠陥,非晶質と液晶について理解できる.
2ndQ
9週 オンライン授業
量子力学入門 ―三次元箱の中の粒子―
固体の反応と合成
三次元箱の中の粒子について理解し,関連問題を解くことができる.
液相および気相からの結晶作成について理解できる
固相反応について理解できる
融液からの単結晶の合成,溶液および気相からの固体の合成について理解できる
10週 オンライン授業
固体の構造解析とキャラクタリゼ-ション
 X線回折・電子回折・中性子回折
量子力学入門 ―縮退―,―直交性―
固体のキャラクタリゼ-ション(X線回折・電子回折・中性子回折)について理解できる.
縮退および直交性について理解できる
11週 オンライン授業
固体の構造解析とキャラクタリゼ-ション
 透過電子顕微鏡法・走査電子顕微鏡法
固体の構造解析とキャラクタリゼ-ション(透過電子顕微鏡法・走査電子顕微鏡法)について理解できる.
12週 オンライン授業
固体の構造解析とキャラクタリゼ-ション
固体分光学1
量子力学入門 
固体の構造解析とキャラクタリゼ-ション(電子分光学)について理解できる.
13週 オンライン授業
固体の構造解析とキャラクタリゼ-ション
固体分光学2,熱分析
固体の構造解析とキャラクタリゼ-ション(NMR,熱分析)について理解できる.
14週 固体化学に関する復習 固体化学に関する演習問題を解くことができる
15週 量子力学に関する復習
量子力学についての演習問題を解くことができる
16週 試験の返却と解答・解説
期末試験の不正解問題について理解することができる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野無機化学イオン結合と共有結合について説明できる。4前3
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。4前1
金属結合の形成について理解できる。4前3
代表的な分子に関して、原子価結合法(VB法)や分子軌道法(MO法)から共有結合を説明できる。4前2
電子配置から混成軌道の形成について説明することができる。4前2
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。4前3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000