科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 国語
科目番号 0016 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 環境都市工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 大修館書店『精選 国語総合 新訂版』
担当教員 佐藤 瞳,門屋 飛央

到達目標

(1)日本語によって成り立つ文化の所産と過去の時代の日本語とに関心を持ち、理解できる。
(2)文章を正確に読み取り、読み取ったものに対して自らの意見を自らのことばでわかりやすく述べられる。
(3)古典・漢文に関する規則や知識を修得し、正しく現代語訳ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
日本語と日本文化日本語について高い関心を持ち、その文化についても理解したうえで文章作成に活かすことができる。日本語についての関心を持ち、その文化が理解できる。日本語に関心が抱けず、その文化が理解できない。
現代文文意を正確に読み取り、その内容について自らのことばでわかりやすく意見が述べられる。ある程度文意を読み取り、一応の意見が述べられる。文意が読み取れず、意見も述べられない。
古典・漢文古文・漢文の規則や知識を修得し、現代語訳ができる。古文・漢文の規則を理解し、それを一部活用して現代語訳ができる。古文・漢文の規則が理解できず、現代語訳もできない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 RC2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
現代文・古典・漢文の読解を通して国語力(書く・読む・話す・聞く)の向上を目指す。評論文では、筆者の主張を正しく読み取ったうえで、それに対する自らの意見を他者にわかりやすく提示できることを目指す。物語文では、場面や登場人物の心情を読み取り、それに対する感想を文章にまとめられることを目指す。古典・漢文では必要な規則や知識を習得し、現代語訳ができることを目指す。また、毎回の授業を通して使用語彙を増やし、文章作成に活かせるようにする。
授業の進め方・方法:
1.授業は基本的に講義形式で進める。予習を前提に授業を進めるので、与えられた箇所にある漢字や言葉の意味を事前に調べておくこと。
2.古典・漢文は各自ノートを作成し、原文、書き下し文、現代語訳を書いておくこと。
3.各文章を読み終えた後に小テストを実施するので、自学自習を進めること。
4.各単元の終了時にはレポートを課す。
注意点:
授業内容を理解するために、予習をして授業に臨むこと。
課題は提出期限を必ず守ること。
授業中のスマートフォン、ipadなどの使用は認めない。サイトの閲覧も不可。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業の導入 / 随想(1) 授業の進め方、自習の仕方、諸注意などを理解する。
2週 随想(2) 随想の特徴を理解したうえで、筆者のものの見方や考え方を説明する。
3週 随想(3)/ディスカッション 「尋ねあい」の意義を知る。
4週 ディスカッション/古典(1) お互いを知るための対話をし、紹介文を書く。/古典の言葉を確認する。
5週 小説(1)/古典(2) 村上春樹について理解を深める。/品詞・用言の活用を理解する。
6週 小説(2)/古典(3) 情景描写と主人公の心情との関係を説明する。/助動詞の活用と用法を理解する。
7週 小説(3)/古典(4) 比喩表現とその使用効果を理解する。/助詞の種類と用法を理解する。
8週 小説(4)/古典(5) 「僕以外の僕」とはどのようなものかを理解し、説明する。/作品を正しく音読し、流れを把握する。
2ndQ
9週 ディスカッション/古典(6) 話し合いを通して、作者のメッセージを読み解く。/『徒然草』の教訓を理解する。
10週 評論(1)/古典(7) 比較対照されている叙述を整理する。/
古典における敬語の使い方を理解する。
11週 評論(2)/古典(8) 段落のはたらきを理解する。/『枕草子』の文学的意義について理解する。
12週 評論(3)/漢文(1) 文章全体の構造を把握する。/漢文の基本構造を思い出し、正しく書き下す。
13週 漢文(2)/ 社会とつながる文章(1) 故事成語の由来となった物語を理解する。/手紙の基本的な形式を学ぶ。
14週 漢文(3)/社会とつながる文章(2) 好きな故事成語を他者に紹介する。/
時節に応じた通信文を適切な形式で書く。
15週 前期まとめ これまでの授業で学んだことを共有し、正しくアウトプットする。
16週 振り返り 前期の授業を通して学んだこと、できるようになったこと、今後の課題などを振り返る。
後期
3rdQ
1週 ディベート(1)(学校行事対応・弁論大会レポート) / 奥の細道「旅立ち」(1) ディベートテーマについて、意見を出し合う。また、各々の意見をレポートにまとめる。 / 近世文学史(松尾芭蕉及び俳諧の歴史)について、理解する。
2週 ディベート(2) / 奥の細道「旅立ち」(2) ディベートテーマについて、討論する。 / 「表八句を庵の柱に掛け置く」まで読解し、芭蕉の旅への思いについて理解する。
3週 評論「自然と人間の関係をとおして考える」(1) / 奥の細道「旅立ち」(3) 本文を読み、問題提起・主張・論拠をつかむ。/「後ろ影の見ゆるまではと見送るなるべし」まで読解し、旅立つ芭蕉の心境について理解する。
4週 評論「自然と人間の関係をとおして考える」(2) / 奥の細道「旅立ち」(4) 段落の役割を押さえ、本文の構成を理解する。/「月日は百代の過客にして」~「表八句を庵の柱に掛け置く」までを暗唱する。
5週 評論「自然と人間の関係をとおして考える」(3) / 唐代の漢詩(1) 筆者の主張と論拠を確認する。「自然を上手に維持していく技と知恵」について、グループで話し合い、意見を発表する。 / 漢詩のルールについて、理解する。
6週 小説「夢十夜」(1) / 唐代の漢詩(2) 本文を読み、主題についてグループで話し合う。 / 絶句を読解し、鑑賞する。
7週 小説「夢十夜」(2) / 唐代の漢詩(3) 各自の考えた本文の主題について、論拠を挙げて説明する。 / 律詩を読解し、鑑賞する。
8週 中間試験 これまでの学習をまとめ、知識の定着度を確認する。自分の考えを適切に表現する。
4thQ
9週 中間試験の振り返り / 小説「城の崎にて」(1) 試験結果をもとに、これまでの復習をし、各自の課題を発見する。/ 近代文学史(明治~大正)について、理解する。本文全体を読む。
10週 小説「城の崎にて」(2) / 源氏物語「桐壺」(1) 「自分はその静かさに親しみを感じた」までを読解する。 / 源氏物語について、文学史的意義や基本事項を理解する。
11週 小説「城の崎にて」(3) / 源氏物語「桐壺」(2) 「それはしかたのないことだ」までを読解する。 / 「いとまばゆき人の御おぼえなり」までを読解する。帝の寵愛を受けることの意味について理解する。
12週 小説「城の崎にて」(4) / 源氏物語「桐壺」(3) 「それがいっそうそういう気分に自分を誘っていた」までを読解する。 / 「なほよりどころなく、心細げなり」までを読解する。桐壺更衣の心情を読み取り、彼女の置かれた状況について理解する。
13週 評論「技術としての『教養』」(1) / 源氏物語「桐壺」(4) 本文を読み、文章の構成(主張・論拠)を理解する。 / 「私物に思ほしかしづき給ふこと、限りなし」までを読解する。光源氏に対する帝の思いについて理解する。
14週 評論「技術としての『教養』」(2) / 源氏物語「桐壺」(5) 筆者の持つ問題意識と今後の課題を理解する。 / 「御局は桐壺なり」までを読解する。光源氏誕生前後の、周囲の桐壺更衣への態度の変化について理解する。
15週 期末試験 これまでの学習をまとめ、知識の定着度を確認する。自分の考えを適切に表現する。
16週 一年間のまとめ 試験結果をもとに、これまでの復習をし、各自の課題を発見する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学国語国語論理的な文章(論説や評論)の構成や展開を的確にとらえ、要約できる。3
論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。3
文学的な文章(小説や随筆)に描かれた人物やものの見方を表現に即して読み取り、自分の意見を述べることができる。3
常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。3
類義語・対義語を思考や表現に活用できる。3
社会生活で使われている故事成語・慣用句の意味や内容を説明できる。3
専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。3
実用的な文章(手紙・メール)を、相手や目的に応じた体裁や語句を用いて作成できる。3
新たな発想や他者の視点の理解に努め、自分の思いや考えを整理するための手法を実践できる。3

評価割合

試験課題小テスト発表態度合計
総合評価割合3030151510100
基礎的能力3030151510100
専門的能力00000
分野横断的能力000000