環境衛生工学

科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 環境衛生工学
科目番号 0096 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 環境都市工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「環境衛生工学」(環境・都市システム系 教科書シリーズ17),コロナ社,奥村充司・大久保孝樹:「シビルエンジニアリングの第一歩」環境・都市システム系教科書シリーズ〈1〉,コロナ社,澤孝平・嵯峨晃他      
担当教員 奥村 充司

到達目標

(1) 浄水場や下水処理場の計画・設計において,環境負荷の低減や快適性さらに経済性などを考慮できること。上水道施設および下水道施設の役割を理解し、これらを水循環のシステムとして認識できること.
(2) 浄水処理や下水処理の物理、化学、生物学的なメカニズムに関する基礎知識を理解し、地域における環境施設の役割を十分理解し、計画、設計に生かすことができること.  
(3)  大気汚染の健康影響について学びし、その発生メカニズムと対策について理解し、施設建設における配慮事項を検討できること。
(4)  騒音の物理的、心理的特性を学び、騒音発生のメカニズムと抑制対策について理解できること。                    
(5) この講義を通じて、技術士一次試験(上下水道部門)あるいは公害防止管理者試験(水質・大気・騒音)の受験に取り組めること                               

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1① 人の健康と公衆衛生について理解し、環境基準について正しく理解できている.② 環境基準ついてりかいしていること.環境基準について理解できていないこと。
評価項目2① 地球の水循環システムの中で人間生活と上下水道施設のかかわりについて説明でき、設計に反映できることと.② 上下水道施設の基本的な施設について設計計算ができること.③ 上下水道施設の基本的な施設について設計計算ができないこと。
評価項目3① 大気汚染物質の人への影響について理解でき、その対策について説明できる.② 大気汚染のメカニズムや対策について理解していること.③ 大気汚染のメカニズムや対策について理解していないこと.
① 騒音に関する物理的、心理的側面について理解し、その対策について騒音レベル評価ができる.② 騒音レベルの計算ができる。③ 騒音レベルの計算ができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
環境施設の役割は、本来の物質循環が滞ることによって引き起こされる健康被害、生活環境の悪化を物理・化学的、生物学的処理により効率よく改善する事である.環境悪化の原因物質の特性やそれらによる人体影響について学習し、その処理のメカニズムを学習し、環境改善のための効率的な処理施設の計画・設計の基礎について工学的にアプローチする.                         
授業の進め方・方法:
上下水道を中心に、環境施設の必要性、工学的基礎知識を演習を行いながら学習させる.講義内容の要点はパワーポイントを用いてプレゼンテーション形式で行う。また、種々の環境問題をテーマにしたビデオ教材も駆使して、より理解を深める.また、グループによるテーマ別ディスカッションを行う.
注意点:
環境に関する科目であるので、科学(物理、化学、生物)基礎および数学、社会に関する科目の基礎をしっかり復習する。
成績評価で60%以上を合格とする.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバスの説明・概論・環境衛生工学とは/保全目標としての環境基準

文明社会と河川の利用について理解している。環境と人の健康との関わりを理解している。過去に生じた公害の歴史とその内容(環境要因と疾病の関係)を理解している
2週 水道の目的と種類・水量と水質 水の循環、雨が降る仕組み、我が国の降雨特性について理解している。
3週 水源と取水・導水・送水施設 近年の渇水状況と降水の変化について理解している。日本及び世界の水資源の現況について理解している。
4週 水道計画 水道計画(基本計画、給水量、水質、水圧等)を理解でき、これに関する計算ができる。
5週 浄水施設(1) 浄水の単位操作(凝集・沈澱凝集等)を理解している。
6週 浄水施設(2) 浄水の単位操作(濾過・殺菌等)を理解している。高度処理を理解している。
7週 配水施設 浄水の単位操作(濾過・殺菌等)を理解している。高度処理を理解している。
8週 管路施設・ポンプ場施設 水道施設(取水・導水・浄水・送水・配水・給水等)を理解している。
2ndQ
9週 試験の返却と解説
10週 下水道の種類と目的・下水道計画(1)    下水道の役割と現状、汚水処理の種類を理解している。
11週 下水道の種類と目的・下水道計画(2)    下水道の基本計画と施設計画、下水道の構成を説明でき、これに関する計算ができる。
12週 下水処理施設(1) 生物学的排水処理の基礎(好気的処理)を理解している。
13週 下水処理施設(2) 下水処理施設の設計を理解き、かつ計算できる。
14週 下水処理施設(3) 汚泥処理・処分を理解している。
15週 下水汚泥からのバイオマスエネルギー/下水道の維持管理・下水道と市民 汚泥処理・処分を理解している。
16週 試験の返却と解説
後期
3rdQ
1週 物質循環と大気汚染 大気汚染の現状と発生源を理解している。
2週 空気の組成と汚染物質 大気汚染の現状と発生源を理解している。
3週 大気汚染物質の発生とその影響/その他の大気汚染・空気環境問題 大気汚染の現状と発生源を理解している。大気汚染の現状と発生源を説明できる。
4週 大気環境の保全対策 大気汚染による人体・動植物への影響を理解している。








































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































5週 大気中におけるばい煙の拡散 大気汚染物質の濃度予測を理解している。
6週 大気汚染の制御 大気汚染物質の除去方法を理解している。大気汚染の防止対策(施策、法規等)を理解している。
7週 試験の返却と解説/音の発生と伝播(1) 音の基礎(音波、音圧、波長など)を説明できる。騒音による人体への影響を理解している。
8週 音の発生と伝播(2) 騒音の発生源と現状を説明できる。音の尺度と騒音の評価を説明できる。
4thQ
9週 騒音の減衰と防止技術(1) 騒音の測定方法と計算方法を理解し、測定値から騒音評価ができる。
10週 騒音の減衰と防止技術(2) 騒音の測定方法と計算方法を理解し、測定値から騒音評価ができる。
11週 騒音の現状と環境基準 施策、法規などによる騒音の防止対策を理解している。
12週 環境騒音の評価と予測および対策(1) 騒音の測定方法と計算方法を理解し、測定値から騒音評価ができる。
13週 環境騒音の評価と予測および対策(2) 騒音の測定方法と計算方法を理解し、測定値から騒音評価ができる。
14週 試験の返却と解説、授業アンケート
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野水理文明社会と河川の利用について理解している。2前1,後8
水の循環、雨が降る仕組み、我が国の降雨特性について、説明できる。2前2
近年の渇水状況と降水の変化について理解している。2前2,前3
日本の水資源の現況について、説明できる。2前3
環境環境と人の健康との関わりを説明できる。5前1
過去に生じた公害の歴史とその内容(環境要因と疾病の関係)について、説明できる。5前1
水質指標を説明できる。5前2
水質汚濁の現状を説明できる。5前2
水質汚濁物の発生源と移動過程を説明でき、原単位、発生負荷を含めた計算ができる。5前2
水域生態系と水質変換過程(自浄作用、富栄養化、生物濃縮等)について、説明できる。5前2
水質汚濁の防止対策・水質管理計画(施策、法規等)を説明できる。5前2
水道の役割、種類を説明できる。5前2,前4
水道計画(基本計画、給水量、水質、水圧等)を理解でき、これに関する計算ができる。5前2,前6,前7
水道施設(取水・導水・浄水・送水・配水・給水等)を理解している。5前2,前8
浄水の単位操作(凝集・沈澱凝集等)を理解している。5前5,前6
浄水の単位操作(濾過・殺菌等)を理解している。5前5,前6
高度処理を理解している。5前6
下水道の役割と現状、汚水処理の種類について、説明できる。5前10
下水道の基本計画と施設計画、下水道の構成を説明でき、これに関する計算ができる。5前11
生物学的排水処理の基礎(好気的処理)を説明できる。5前12
下水処理施設の設計を理解き、かつ計算できる。5前14
汚泥処理・処分について、説明できる。5前13,前14,前15
大気汚染の現状と発生源を理解している。5後1,後3
大気汚染の現状と発生源を説明できる。5後3
大気汚染による人体・動植物への影響を理解している。5後1
大気汚染と気象を理解している。5後2
大気汚染物質の濃度予測を理解している。5後5
大気汚染物質の除去方法を理解している。5後6
大気汚染の防止対策(施策、法規等)を理解している。5後6
悪臭を理解している。2後6
音の基礎(音波、音圧、波長など)を説明できる。5後7
音の尺度と騒音の評価を説明できる。5後8
騒音の発生源と現状について、説明できる。5後8
騒音による人体への影響を理解している。5後7
騒音の伝搬と予測を説明でき、計算できる。5後8
騒音の測定方法と計算方法を理解し、測定値から騒音評価ができる。5後9,後10,後11
施策、法規などによる騒音の防止対策を理解している。5後11
ヒートアイランドを理解している。2後3
大気汚染を理解している。2後3
水環境を理解している。2前10
廃棄物を理解している。2前15

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力0000000
専門的能力80200000100
分野横断的能力0000000