(1)地球環境を保全するために必要な環境改善へのコンクリート構造物の必要性を認識し,設計耐用期間中に自然災害等に有効に機能するために必要な構造物の設計体系を理解できること.
(2)コンクリート構造(RC,PC)の原理を理解すること.
(3)設計において重要なことは、「正確」ということであるから、教科書および各自のノートを参照すれば間違えずに計算ができ,計算結果を評価できること.
(4)単鉄筋長方形断面において,曲げモーメントおよびせん断を受ける部材の検討に用いる式についてはそれらの導出過程を理解できること.
概要:
現代の社会基盤を構成するコンクリート構造物の必要性およびその設計方法の考え方を習得する.特にこの授業では,土木学会「コンクリート標準示方書」に基づいて,コンクリート構造物の基本的な部材の設計方法を習得する.
授業の進め方・方法:
この科目は学修単位科目である.従って,授業においてはコンクリート構造物の設計に関する講義と演習を行ない,さらに,授業外学習のための課題を課す.例題等の問題の解答から必要事項の説明を行う.授業の順は教科書の順と異なる場合もあるが,内容は教科書に沿って行なう.授業内容に対応した各項目が終わるごとに授業外学習課題を提示する.計算演習を行なうことが多いので,毎時間電卓を忘れないこと.
注意点:
成績評価で60%以上を合格とする。ただし、学習意欲がありながら60%に満たない学生に対しては再試験を実施する。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
コンクリート構造と設計法 曲げモーメントを受ける部材の概要 |
シラバスに基づく年間授業計画の説明、コンクリート構造と限界状態設計法、曲げモーメントを受ける部材の概要、断面の種類、曲げを受ける部材の挙動
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2週 |
曲げモーメントを受ける部材の断面破壊の検討(単鉄筋長方形断面) |
断面破壊の検討を理解する ・安全係数(材料係数,部材係数)・曲げ破壊形式(引張破壊,釣合破壊,圧縮破壊)・断面耐力の計算上の仮定・等価応力ブロックの考え方が必要な理由
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3週 |
曲げモーメントを受ける部材の断面破壊の検討(単鉄筋長方形断面) |
断面破壊の検討を理解し、計算できる ・等価応力ブロック ・単鉄筋長方形断面における設計曲げ耐力 ・釣合い鉄筋比 ・破壊形式の確認 ・永続作用と変動作用 ・安全係数(作用係数,構造解析係数,構造物係数) ・断面力と断面耐力 ・安全性の照査方法
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4週 |
曲げモーメントを受ける部材の使用性に関する検討(応力度算定) |
使用性に関する検討を理解する ・応力度算定における計算上の仮定 ・ヤング係数比 ・中立軸の位置 ・曲げ応力度(コンクリート,鉄筋)
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5週 |
曲げモーメントを受ける部材の使用性に関する検討(ひび割れ幅) |
使用性に関する検討を理解し、計算できる ・コンクリートの収縮とクリープ ・かぶりとあき ・ひび割れ幅の算定 ・ひび割れ幅の限界値
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6週 |
曲げモーメントを受ける部材の使用性に関する検討(変位・変形) |
使用性に関する検討を理解し、計算できる ・短期たわみの算出方法
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7週 |
曲げモーメントを受ける単鉄筋長方形断面の検討に関する確認 |
例題の復習
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8週 |
中間まとめ |
授業ノートの内容確認(例題,演習問題)
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2ndQ |
9週 |
曲げモーメントを受ける部材の断面破壊と使用性に関する検討(任意断面) |
任意形状の断面における設計曲げ耐力と使用状態における曲げ応力度の算出法を理解する
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10週 |
曲げモーメントを受ける部材の断面破壊と使用性に関する検討(複鉄筋長方形断面) |
複鉄筋長方形断面における設計曲げ耐力理解し、計算できる 複鉄筋長方形断面における使用状態における曲げ応力度
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11週 |
曲げモーメントを受ける部材の断面破壊と使用性に関する検討(短鉄筋T形断面) |
単鉄筋T形断面における設計曲げ耐力を理解し、計算できる 単鉄筋T形断面における使用状態における曲げ応力度
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12週 |
耐久設計 |
耐久設計をりかいし、計算できる ・コンクリートの劣化の種類 ・鋼材腐食に対する照査(塩化物イオン,中性化) ・ひび割れの照査 ・塩害に対する照査
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13週 |
耐久設計 |
耐久設計を理解し、計算できる ・中性化に伴う鋼材腐食に対する照査
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14週 |
演習 |
前期授業ノートの確認(例題,演習問題等)
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15週 |
前期期末試験 |
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16週 |
前期の内容の復習 |
定期試験の解答解説,前期のまとめ
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後期 |
3rdQ |
1週 |
軸方向力を受ける部材 |
鉄筋コンクリート柱を理解し、計算できる ・鉄筋コンクリート柱の種類(らせん鉄筋柱,帯鉄筋柱) ・有効長さと細長比 ・らせん鉄筋柱の軸方向圧縮耐力 ・帯鉄筋柱の軸方向圧縮耐力
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2週 |
曲げモーメントと軸方向力を受ける部材 |
偏心軸力を受ける部材 を理解し、計算できる ・偏心軸方向力と偏心距離 ・相互作用図と破壊形式 ・釣合破壊状態の偏心距離
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3週 |
曲げモーメントと軸方向力を受ける部材 |
偏心軸力をうける部材 を理解し、計算できる ・曲げモーメントと軸方向力を受ける部材の安全性の照査
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4週 |
曲げモーメントと軸方向力を受ける部材 |
偏心軸力を受ける部材の使用状態における曲げ応力度の算出方法を理解し、計算できる
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5週 |
プレストレストコンクリート(PC) |
プレストレストコンクリートを理解し、計算できる ・PCの原理 ・PCの分類 ・プレストレスの与え方
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6週 |
プレストレストコンクリート(PC) |
プレストレストコンクリートを理解し、計算できる ・PCの原理 ・PCの分類 ・プレストレスの与え方
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7週 |
プレストレストコンクリート(PC) |
プレストレストコンクリートの安全性に関する照査方法を理解し、計算できる
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8週 |
中間まとめ |
授業ノートの内容確認(例題,演習問題)
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4thQ |
9週 |
せん断力を受ける部材 |
棒部材の設計せん断力及び応力度を理解し、計算できる 棒部材のせん断耐力 ・斜めひび割れ ・せん断破壊形式 ・主引張応力度 ・せん断抵抗のメカニズム
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10週 |
せん断力を受ける部材 |
せん断補強鉄筋を有しない棒部材の設計せん断耐力を理解し、計算できる ・せん断補強鉄筋(スターラップ,折り曲げ鉄筋) ・せん断補強鉄筋が受け持つ設計せん断耐力 ・腹部コンクリートの設計斜め圧縮耐力 ・安全性の照査とせん断補強に関する検討事項 ・構造細目
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11週 |
せん断力を受ける部材 |
棒部材のせん断耐力を理解し、計算できる ・安全性の照査とせん断補強に関する検討事項 ・構造細目
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12週 |
せん断力を受ける部材 |
設計せん断圧縮破壊耐力を理解し、計算できる 面部材の設計押し抜きせん断耐力
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13週 |
一般構造細目 |
鉄筋の曲げ形状,鉄筋の定着,鉄筋の継手等の鉄筋コンクリート構造物の一般構造細目を理解する
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14週 |
後期内容の復習 |
後期授業ノートの確認(例題,演習問題等)
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15週 |
まとめ |
コンクリート構造学Ⅰの総括
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16週 |
後期期末試験 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建設系分野 | 材料 | コンクリート構造物を構成する材料の性質を説明できる。 | 5 | 前1 |
鉄筋コンクリートの特徴を説明できる。 | 5 | 前1,前2 |
複合材料としてのコンクリート構造を説明できる。 | 5 | 前1 |
一般構造細目を説明できる。 | 5 | 後13 |
限界状態設計法と許容応力度設計法を説明できる。 | 5 | 前2 |
使用限界状態を説明できる。 | 5 | 前4,前5 |
コンクリート構造物の設計方法を理解している。 | 5 | 前2 |
コンクリート構造物の設計方法を説明できる。 | 5 | 前3 |
荷重の種類と構造解析を理解している。 | 5 | 前3,前4 |
単鉄筋コンクリートはりを説明できる。 | 5 | 前2,前3 |
複鉄筋コンクリートはりを理解している。 | 5 | 前9 |
曲げモーメントを受ける部材(使用限界状態)を説明でき、計算できる。 | 5 | 前4 |
曲げモーメントを受ける部材(終局限界状態)を説明でき、計算できる。 | 5 | 前2 |
T形はりを理解している。 | 5 | 前11 |
せん断を受ける部材を説明でき、計算できる。 | 5 | 後11 |
せん断応力(終局限界状態)を説明できる。 | 5 | 後11 |
軸力を受ける部材を説明できる。 | 5 | 後1 |
偏心を受ける部材を説明できる。 | 5 | 後2 |
柱の構造細目について説明できる。 | 5 | 後1 |
プレストレストコンクリートの特徴、分類について、説明できる。 | 5 | 後5 |
プレストレストコンクリートの基礎(使用限界状態・終局限界状態など)を理解している。 | 5 | 後5 |
プレストレストコンクリートの設計を理解している。 | 5 | 後6 |
コンクリート及び鋼材の劣化を説明できる。 | 5 | 前12 |
コンクリート構造物の維持管理の基礎を説明できる。 | 5 | 前12 |
コンクリート構造物の補修方法の基礎を説明できる。 | 1 | 前13 |