概要:
物理学における静力学の一般原理を応用して,橋梁やビルなどの各種構造物が外力の作用を受けた場合の内部応力や変形を求める学問が構造力学である.構造力学Ⅱは,2年で学んだ構造力学Ⅰを基礎とし,4年で学ぶ構造力学Ⅲ,さらに4年と5年で学ぶ構造物設計法の基礎となる重要な科目である.力学の基礎理論の習得とともに,それを実構造物の設計計算へと応用できる能力を身につける.
授業の進め方・方法:
教科書に沿って講義を行う.板書をノートを写す時間を設けるのでしっかりとノート作りをすること.講義では理解しにくい現象については簡易な模型を用いて説明し,柔軟な解析力を身につけさせるため演習の時間を多くとる.複雑な計算問題もあるので関数機能付き電卓を用意しておくこと.
注意点:
【参考書】
「公務員試験にでる構造力学」米田昌弘(森北出版)
「構造力学〔上〕」崎元達郎(森北出版)
【関連科目】
構造力学Ⅰ(本科2年),構造力学Ⅲ(本科4年),環境都市工学設計製図Ⅰ(本科4年),鋼構造学(本科5年),構造デザイン(本科5年)
【合格基準】
成績評価で60%以上を合格とする.
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建設系分野 | 構造 | 断面1次モーメントを理解し、図心を計算できる。 | 4 | 前5,前6 |
断面2次モーメント、断面係数や断面2次半径などの断面諸量を理解し、それらを計算できる。 | 4 | 前7,前8 |
各種静定ばりの断面に作用する内力としての断面力(せん断力、曲げモーメント)、断面力図(せん断力図、曲げモーメント図)について、説明できる。 | 4 | 前4,後1,後2,後4,後5,後6,後7 |
トラスの種類、安定性、トラスの部材力の意味を説明できる。 | 4 | 前3 |
節点法や断面法を用いて、トラスの部材力を計算できる。 | 4 | 前3,前4,後12,後13 |
影響線を利用して、支点反力や断面力を計算できる。 | 4 | 前1,前2,前3 |
影響線を応用して、与えられた荷重に対する支点反力や断面力を計算できる。 | 4 | 前2,前3,前4 |
ラーメンの支点反力、断面力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その断面力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)を描くことができる。 | 4 | 後6,後13 |
応力とその種類、ひずみとその種類、応力とひずみの関係を理解し、弾性係数、ポアソン比やフックの法則などの概要について説明でき、それらを計算できる。 | 4 | 前10,前11,前12,前13 |
断面に作用する垂直応力、せん断応力について、説明できる。 | 4 | 前13,前14,前15 |
はりのたわみの微分方程式に関して、その幾何学的境界条件と力学的境界条件を理解し、微分方程式を解いて、たわみやたわみ角を計算できる。 | 4 | 後1,後2,後3 |
圧縮力を受ける柱の分類(短柱・長柱)を理解し、各種支持条件に対するEuler座屈荷重を計算できる。 | 4 | 後9,後10,後11 |
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。 | 4 | 前3,後14 |
重ね合わせの原理を用いた不静定構造物の構造解析法を説明できる。 | 4 | 後14 |
応力法と変位法による不静定構造物の解法を説明できる。 | 4 | 後14 |