環境保全工学

科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 環境保全工学
科目番号 0135 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 環境都市工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 奥村、大久保:環境衛生工学、コロナ社(継続)
担当教員 奥村 充司

到達目標

(1) 人間活動が地域の自然や生態系に与える影響を定量的に理解できること.
(2) 地球環境問題を理解して,構造物をデザインする際つくる目的を意識し,機能性,安全および経済性に加えて,環境負荷の低減・快適性などをライフサイクルアセスメントの観点から考慮できること.
(3) 習得した自然科学・情報処理等の基礎知識と環境都市工学の分野における専門基礎知識・技術とに基づいて, その分野に関する 工学的現象を正しく理解できること.
(4) 地域の環境問題を解決する上で,さまざまな知識を適切な情報源から得,既知の事柄と未知の事柄とを識別したうえで,それらを蓄積・整理できること.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1① 人間活動が地域の自然や生態系に与える影響を定量的に理解できること. ② 人間活動が地域の自然や生態系に与える影響を理解できること. ③ 人間活動が地域の自然や生態系に与える影響を理解できないこと.
評価項目2① 環境影響評価のための指標について、その測定、評価方法について理解できていること.② 環境影響評価のための指標について理解できていること.③ ② 環境影響評価のための指標について理解できていないこと.
評価項目3① 環境施設の計画において配慮すべき事項を熟知し、それらを数理的手法で算出できること.② 環境施設の計画において配慮すべき事項を理解していること.③ 環境施設の計画において配慮すべき事項を理解していないこと.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 RB2 説明 閉じる
JABEE JB3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
生態学に関する基礎知識の習得および生態工学へ導入を図ることで、将来技術者として関わるであろう様々な環境問題に対する正しい価値観を身につけさせることを目的とする。また、ごみ焼却施設を例にして、廃棄物処理に関する基礎知識を習得させる。
授業の進め方・方法:
授業は座学中心に行う。授業の内容を補い、講義内容の要点はパワーポイントを用いてプレゼンテーション形式で行う。また、種々の環境問題をテーマにしたビデオ教材も駆使して、より理解を深める。また、貿易ゲームを実施し、グループによるテーマ別ディスカッションを行う.
注意点:
中間および期末試験(75%)、レポート(25%)で評価する。成績評価で60%以上を合格とする.
【学習・教育目標】
本科(準学士課程):RB2(◎)
環境生産システム工学プログラム:JB3(◎)
【関連科目】
環境衛生工学(本科4年),環境工学(専攻科共通1年),環境施設設計(専攻科環境システム系2年)
【評価方法】
試験80%、発表20%で評価する.
【評価基準】
成績評価が60点以上であること

前期中間および前期期末試験をそれぞれ100点満点で実施し、その算術平均点の75%に、レポート課題に対する評価点(25点満点)を合計して評価する.
成績評価で60%以上を合格とする.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバスの説明・概論/入会地の悲劇と環境問題・生態系保全問題
環境と経済の関係を理解させる
2週 1.生態学の基礎知識 1.1 生物の分類 1.2 種、個体、個体群、群集、生態系 1.3資源と環境収容力1.4 種内の関係 1.5 種間の関係 1.6 種の多様性と環境 1.7 植生変遷
生態学で用いられる概念・用語を理解させる
3週 2 陸水生態系の基礎知識 2.1 水圏生態系のエネルギー収支 2.2 日射と光合成 2.3 酸素と二酸化炭素 2.4 栄養塩 2.5 植生による水質浄化
陸水生態系における植物の役割を理解させる
4週 3 様々な生態系の特性と開発の影響 3.1 湖沼およびダム貯水池生態系と開発の影響 3.2 河川生態系の特徴と開発の影響
湖沼や河川生態系を理解させる
5週 3.3 ダム建設に伴う周辺生態系への影響 3.4 流域管理に伴う影響 3.5 汽水域の生態系の特徴と開発の影響  3.6 海岸域の生態系の特徴と開発の影響
湖沼流域の人間活動とその影響を生態系の変化を通して理解させる
6週 環境影響評価
環境影響評価に関する手続きと評価項目について理解させる
7週
貿易ゲームによる世界経済と環境保全について
貿易ゲームをアクティビティとして取り組み、モノづくりと経済の関係について理解させる
8週 前期中間試験 試験を通じて理解の程度を確認する
2ndQ
9週 1.廃棄物の基礎知識 地球環境の現状、廃棄物の定義、排出の現状、処理処分について理解させる
10週 2.ごみ焼却入門
ごみ焼却の目的や意義、方法について理解させる
11週 3.国産燃料であるごみ、ごみはなぜ燃えるか、焼却施設を作るには、ごみを燃やす仕組み
ごみの性質と燃料としての特性を理解させる
12週 4.ダイオキシン類
ダイオキシンの環境への影響、発生抑制対策について理解させる
13週
5.熱回収と余熱利用
焼却に伴って発生する熱の回収と余熱利用について理解させる
14週 6.排ガス処理、排水と灰の処理
焼却施設の環境影響と排ガス、排水、灰の処理方法について理解させる
15週 7.メタン発酵技術
有機資源としてのごみのメタン発酵技術によるエネルギー回収について理解させる
16週 試験の返却と解説
期末試験で理解度をチェックする

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野環境環境と人の健康との関わりを説明できる。5前1
過去に生じた公害の歴史とその内容(環境要因と疾病の関係)について、説明できる。5前1
水の物性、水の循環を説明できる。5前3
水質指標を説明できる。5前3
水質汚濁の現状を説明できる。5前3
水質汚濁物の発生源と移動過程を説明でき、原単位、発生負荷を含めた計算ができる。5前3
水域生態系と水質変換過程(自浄作用、富栄養化、生物濃縮等)について、説明できる。5前3
水質汚濁の防止対策・水質管理計画(施策、法規等)を説明できる。5前1
廃棄物の発生源と現状について、説明できる。5前13
廃棄物の収集・処理・処分について、説明できる。5前13
廃棄物の減量化・再資源化について、説明できる。5前13
廃棄物対策(施策、法規等)を説明できる。5前13
環境影響評価の目的を説明できる。5前10
環境影響評価の現状(事例など)を説明できる。5前10
環境影響指標を説明できる。5前10
土壌汚染の現状を説明できる。5前10

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合7525100
基礎的能力000
専門的能力7525100
分野横断的能力000