水理学Ⅱ

科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 水理学Ⅱ
科目番号 0139 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 環境都市工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 前期:2
教科書/教材 「水理学」 -環境・都市システム系 教科書シリーズ 7- 日下部,壇,湯城 共著 (コロナ社)
担当教員 田安 正茂

到達目標

(1)実務上必要な水理学の基礎知識である管水路流れと開水路流れについて,その工学的現象を正しく理解し,基本的な諸問題に適用できること.
(2)波に関する基本的性質について正しく理解し,基本的な諸問題に適用できること.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安 標準的な到達レベルの目安  未到達レベルの目安  
管水路流れ管水路流れの工学的現象を正しく理解し,基本的な諸問題に適用でき,やや複雑な問題が解ける.管水路流れの工学的現象を正しく理解し,基本的な問題が解ける.管水路流れの工学的現象を正しく理解できていない.
開水路流れ開水路流れの工学的現象を正しく理解し,基本的な諸問題に適用でき,やや複雑な問題が解ける.開水路流れの工学的現象を正しく理解し,基本的な問題が解ける.開水路流れの工学的現象を正しく理解できていない.
波に関する基本的性質波に関する基本的性質について正しく理解し,基本的な諸問題に適用でき,やや複雑な問題が解ける.波に関する基本的性質について正しく理解し,基本的な問題が解ける.波に関する基本的性質について正しく理解できていない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 RB2 説明 閉じる
JABEE JB3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
3年生で学んだ水理学の基本原理をもとに,管水路の流れと開水路の流れについて,実際の構造物の設計に用いられる水理学的な取り扱い方法や解析方法を理解する.また,波の基本的な性質および海岸防災に関して理解する.
この科目は,企業で上下水道工事,河川工事,海岸工事の施工を担当していた教員がその経験を活かし,実際の構造物の設計に用いられる水理学的な取り扱い方法や解析方法について,講義形式で授業を行うものである.
授業の進め方・方法:
本科目は学修単位科目(A)である.授業外学修のための資料を配付し,理解度を確認するための小テストを実施する.
講義の内容は教科書に沿って行うが,内容の理解を深めるための補足や例題を板書にて行う.また,4年生で実施する実験実習の内容との関連性や河川工学,海岸工学への連続性を考慮して講義を進める.
注意点:
この科目は,学修単位Aの科目である. 授業外学習の実施を前提とする.
【学習・教育目標】
本科(準学士課程):RB2(◎)
環境生産システム工学プログラム:JB3(◎),JD1
【関連科目】
水理学Ⅰ(本科3年),水理学Ⅲ(本科5年),河川工学(本科5年),流域水文学(本科5年),海岸工学(本科5年),環境水工学(専攻科2年),連続体力学(専攻科2年)
【評価方法】
授業外学修に関する課題の内容(小テスト)を40%,定期試験を60%として評価する.
【評価基準】
学年成績60点以上で合格.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバスの説明,
3年生で学んだことのふりかえり
講義の進め方を理解し,3年生で学んだことを振り返る.
2週 4.オリフィス,水門および堰
4.1 オリフィス
4.2 オリフィスによる排水時間
オリフィスからの排水について,定水位と変水位の計算について理解する.
3週 4.オリフィス,水門および堰
4.3 水門
4.4 堰
水門や堰で生じる流れについて理解する.
4週 5.管水路の流れ
5.1 管水路の流速分布
5.2 管水路の摩擦損失水頭
管水路流れにおける流速分布および流れの状態(層流,乱流)を理解する.
管水路流れにおける摩擦損失について理解する.
5週 5.管水路の流れ
5.3 管水路の平均流速公式
5.4 摩擦以外の形状損失水頭
管水路流れにおける断面平均流速を算出する公式を理解する.
管水路流れにおける摩擦損失以外の損失を理解する.
6週 5.管水路の流れ
5.5 単線管水路
単線管水路流れおよび計算について理解する.
7週 5.管水路の流れ
5.6 サイフォン
5.7 分流および合流管路
5.8 管網
サイフォンの流れを理解する.
分流および合流管路の流れを理解する.
管網の計算を理解する.
8週 5.管水路の流れ
5.9 ポンプと水車
ポンプと水車について理解する.
2ndQ
9週 6.開水路の流れ
6.1 開水路定常流の基礎式
6.2 常流と射流 -限界流・フルード数
6.2 常流と射流 -流積が場所的に変化する水路の流れ,跳水
開水路の流れの状態(定常流・非定常流)について理解する.
開水路流れの状態(常流・射流・限界流)および比エネルギーについて理解する.
10週 6.開水路の流れ
6.3 開水路の等流 -平均流速公式
開水路流れの断面平均流速の計算を理解する.
11週 6.開水路の流れ
6.3 開水路の等流 -等流の計算
開水路流れの状態(等流・不等流)および等流水深について理解する.
12週 6.開水路の流れ
6.4 開水路の不等流
6.5 不等流の水面形計算法
6.6 開水路の非定常流
開水路流れにおける不等流の流れについて理解する.
不等流の流れの水面形の計算を理解する.
開水路流れの非定常な流れについて理解する.
13週 波の基本的性質
波の基本的性質 -波長・周期・波速
波の基本的性質 -群速度・エネルギー伝達
波の基本的性質である波長・周期・波速について理解する.
波の基本的性質である群速度・エネルギー伝達率について理解する.
14週 海岸防災
津波,高潮
波と海岸防災に関する学習の確認
津波と高潮について理解し,海岸防災について理解する.
15週 試験の返却と解説
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野水理完全流体の運動方程式(Eulerの運動方程式)を説明できる。4前13
比エネルギー、フルード数、常流と射流、限界水深(ベスの定理、ベランジェの定理)、跳水現象について、説明できる。4前9
層流と乱流について、説明できる。4前4
流体摩擦(レイノルズ応力、混合距離)を説明できる。4前4
管水路の摩擦以外の損失係数について、説明できる。4前5,前6
各種の管路の流れが計算できる。4前6,前7,前8
開水路の等流(平均流速公式、限界水深、等流水深)について、計算できる。4前10,前11
開水路不等流の基礎方程式を説明できる。4前12
津波と高潮の特徴を説明できる。4前14
波の基本的性質を説明できる。4前13

評価割合

期末試験小テスト合計
総合評価割合5050100
基礎的能力252550
専門的能力252550