交通工学

科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 交通工学
科目番号 0147 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 環境都市工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:自作教材  参考書:道路交通技術必携演習問題集Ⅱ,(一社)交通工学研究会 初めて学ぶ都市計画,市ヶ谷出版社 舗装の構造に関する技術基準・同解説,(社)日本道路協会 舗装設計便覧,(社)日本道路協会 舗装施工便覧,(社)日本道路協会
担当教員 山田 幹雄

到達目標

【計画編】
(1)交通工学に関する基本用語を理解した上で道路計画策定の概念,道路の法的分類や交通量の変動について解説できること.
(2)交通の需要予測に必要な4つの段階,すなわち,発生・集中交通量の予測,分布交通量の予測,分担交通量の予測および配分交通量の予測について説明できること.
【舗装編】
(1)道路構造令の改正点を理解した上で,舗装計画交通量や立地・気象条件に応じた舗装の種類,構成材料,設計手順,施工方法や補修方法を性能規定の概念にもとづいて解説できること.
(2)舗装のライフサイクルの定義およびそれによる経済効果との関連を説明できること.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優) 標準的な到達レベルの目安(良)  未到達レベルの目安(不可)  
交通工学の位置付け,道路の計画や交通容量の設計に関する事項 道路交通の都市計画や国土整備計画への係わりを説明できる.都市間,あるいは,地域間の流通に果たす道路網の重要性を説明できる.交通需要予測の理解に不足の点がある.
舗装の種類,性能,構成および路床の施工法に関する事項舗装の新設から維持・修繕を経て打ち換えにいたる過程を説明できる.アスファルト舗装やコンクリート舗装の断面構成,使用材料,特徴を説明できる.アスファルト舗装の性能指標を理解していない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 RB2 説明 閉じる
JABEE JB3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
【計画編】
交通工学は,道路を利用する人や車の移動が安全,円滑,経済的に行われるように道路施設の計画,設計および運用を取り扱う分野である.計画編では交通工学の基本をなす道路の計画,交通需要予測,道路交通容量の設計に重点を置いて学習する.
【舗装編】
道路構造令の改正にともなう性能指標の考え方や舗装設計の基本を習得するとともに,舗装を構成するアスファルト混合物,コンクリート版,路盤材料の品質規格・等価換算係数,構築路床の工法について学習する.
授業の進め方・方法:
講義は,自作教材(OHPシート)を用いた解説を主体とする.1つの章が終わるごとに『復習』を行う.前期および後期の期末試験は,『復習』で確認した重要な事柄の中から出題する.中間学力確認週間で筆記試験は実施せず,「まとめ〈中間確認〉」を充当する.
注意点:
【学習・教育目標】
本科(準学士課程):RB2(◎)
環境生産システム工学プログラム:JB3(◎)
【関連科目】
環境都市計画論(本科3学年),地域都市計画(本科5学年),環境都市システム工学(専攻科・環境システム工学専攻2学年)
【評価方法】
前期期末試験の得点と後期期末試験の得点とを合計し,これを2で除した値をもって学年成績とする.
【評価基準】
学年成績60点以上.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス シラバスの内容を理解する.
2週 【計画編】
交通工学への誘い(1)
ー基本用語の解説ー
地域,交通,交通手段,交通機関,交通施設,交通機能について理解する.
3週 【計画編】
交通工学への誘い(2)
ー基本用語の解説ー
交通アセスメント,交通公害,交通密度,交通量,交通流,交通流率について理解する.
【復習①】
4週 【計画編】
道路の計画(1)
道路事業,施策効果の把握・地域住民との合意形成,国民のニーズの把握と的確な対応・円滑な道路政策の実現について理解する.
5週 【計画編】
道路の計画(2)
道路法,道路運送法による自動車道,道路交通法における道路の区分を理解する.
6週 【計画編】
道路の計画(3)
域間道路と域内道路,路線計画策定の手順について理解する.
【復習②】
7週 【計画編】
交通需要予測(1)
ゾーニング,ネットワーク,OD表について理解する.
8週 【計画編】
まとめ〈中間確認〉
2ndQ
9週 【計画編】
交通需要予測(2)
需要予測の枠組み,発生・集中モデルについて理解する.
10週 【計画編】
交通需要予測(3)
分布モデル.分担モデル,配分モデルについて理解する.
【復習③】
11週 【計画編】
道路交通容量の設計(1)
年平均日交通量,昼間12時間交通量,年間時間交通量順位図,K値とD値について理解する.
12週 【計画編】
道路交通容量の設計(2)
月変動,曜日変動,時間変動,1時間内の交通流率変動特性について理解する.
13週 【計画編】
道路交通容量の設計(3)
設計時間交通量,基本交通容量,可能交通容量について理解する.
14週 【計画編】
道路交通容量の設計(4)
設計交通容量,設計基準交通量と車線数の決定について理解する.
【復習④】
15週 【計画編】
前期期末試験の返却と解説
16週
後期
3rdQ
1週 【舗装編】
性能指標(1)
道路の設計速度,車線数,車線幅員の標準値を理解する.
2週 【舗装編】
性能指標(2)
疲労破壊輪数,塑性変形輪数,路面の平たん性の基準値と測定方法を理解する.
3週 【舗装編】
性能指標(3)
排水性舗装,透水性舗装,保水性舗装の構造と特長について理解する.
4週 【舗装編】
性能指標(4)
雨水等の浸透水量の基準値と測定方法を理解する.
【復習⑤】
5週 【舗装編】
舗装設計の基本(1)
路面設計と構造設計との違いおよび舗装の構成について理解する.
6週 【舗装編】
舗装設計の基本(2)
表層,基層,コンクリート版の機能および施工上の留意事項について理解する.
7週 【舗装編】
舗装設計の基本(3)
路盤,構築路床の機能および施工上の留意事項,設計に組み入れる要素を理解する.
【復習⑥】
8週 【舗装編】
まとめ〈中間確認〉
4thQ
9週 【舗装編】
舗装材料(1)
アスファルト混合物の種類,特性と適用箇所について理解する.
10週 【舗装編】
舗装材料(2)
コンクリート版の種類および特徴を理解する.
11週 【舗装編】
舗装材料(3)
路盤材料の種類,品質規格および等値換算係数を理解する.
【復習⑦】
12週 【舗装編】
構築路床(1)
工法の種類と特徴について理解する.
13週 【舗装編】
構築路床(2)
施工上の留意事項や安定材の設計添加率について理解する.
14週 【舗装編】
構築路床(3)
路床(原地盤)の評価および路床の設計手順について理解する.
【復習⑧】
15週 【舗装編】
後期期末試験の返却と解説
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野地盤地盤改良工法や液状化対策工法について、説明できる。4
計画土地利用計画と交通計画について、説明できる。4
都市計画区域の区域区分と用途地域について、説明できる。4
交通流調査(交通量調査、速度調査)、交通流動調査(パーソントリップ調査、自動車OD調査)について、説明できる。4
交通需要予測(4段階推定)について、説明できる。4
交通流、交通量の特性、交通容量について、説明できる。4
性能指標に関する道路構造令の概要を説明できる。4
費用便益分析について考え方を説明でき、これに関する計算ができる。4

評価割合

試験合計
総合評価割合100100
基礎的能力5050
専門的能力5050