概要:
授業のテーマは「方言記述」である。授業を通して、学生が自分自身の手で方言を記述する。学生は、その記述を通して、地域による表現のちがい、共通語とのちがいを探っていき、より深い日本語理解につなげていく。授業では、学生にとって馴染みのある福井方言を主に扱う。
ことばは、その人自身の持つ性質や背景をよく表す。自分の話すことばを客観視し、自覚的にことばを使う能力は、社会に出てから必要となる能力である。その能力を伸ばす方法を学ぶことを、この授業の目的とする。また、ことばを分析する面白さも感じてもらいたい。
授業の進め方・方法:
授業は、まず日本語学の基本的な知識に関する講義を行う。授業では説明のために、現代語だけでなく、古典語も扱う。次に、共通語および他地域方言との比較や学生の内省によって、福井方言を考察する。本授業では、福井方言の3つのトピックを記述することを、目標にする。
① うねり音調(福井方言のイントネーションの記述)
② 「はよしねマ」の「マ」(福井方言のモダリティ形式の記述)
③ 「しツンタ」(福井方言のアスペクト形式の記述)
これらを、学生と議論しながら考察する。学生はそれぞれのトピックの議論を踏まえ、レポートを提出する。成績評価は、そのレポートによって行う。参加学生は、教員の答えを待つ姿勢ではなく、積極的に自分の意見を述べる姿勢で授業に臨んでほしい。
注意点:
授業の性質上、以下に該当する学生は、単位取得が困難になると考えられる。
① 自分で考えることを面倒だと思う学生
② 授業に対して、協力的な姿勢を見せない学生
③ レポートの提出期限を守らない学生
評価方法とその割合はレポート(100%)である。レポートは、学期中に3回課す(50点×3回×2/3=100点(小数点は四捨五入))。100点満点で60点以上を合格とする。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 人文・社会科学 | 国語 | 国語 | 論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。 | 3 | 後2,後4,後5,後6,後9,後11,後14,後15,後16 |
類義語・対義語を思考や表現に活用できる。 | 3 | 後3,後7,後8 |
社会生活で使われている故事成語・慣用句の意味や内容を説明できる。 | 3 | 後1,後8,後12,後13 |
専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。 | 3 | 後1,後5,後8,後9,後10,後12,後13,後14,後15 |
報告・論文の目的に応じて、印刷物、インターネットから適切な情報を収集できる。 | 3 | 後2,後3,後10,後11,後13 |
収集した情報を分析し、目的に応じて整理できる。 | 3 | 後4,後6,後9,後10,後12,後13,後15 |
報告・論文を、整理した情報を基にして、主張が効果的に伝わるように論理の構成や展開を工夫し、作成することができる。 | 3 | 後2,後4,後7,後11,後14 |
作成した報告・論文の内容および自分の思いや考えを、的確に口頭発表することができる。 | 3 | 後3,後4,後7,後12,後13,後15 |
課題に応じ、根拠に基づいて議論できる。 | 3 | 後3,後4,後8,後12,後14,後15 |
相手の立場や考えを尊重しつつ、議論を通して集団としての思いや考えをまとめることができる。 | 3 | 後5,後6,後8,後9,後15 |
新たな発想や他者の視点の理解に努め、自分の思いや考えを整理するための手法を実践できる。 | 3 | 後3,後4,後7,後8,後9,後14,後15,後16 |