河川水文学

科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 河川水文学
科目番号 0192 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 環境都市工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 環境・都市システム系教科書シリーズ6 「河川工学」 川合 茂 他著 (コロナ社)
担当教員 田安 正茂

到達目標

(1)河川の地形に関し,その分類と形状について理解すること.
(2)地球上の水の循環及び降水の現象について理解し,説明できること.
(3)流出現象について理解し,説明できること.
(4)流出解析法について理解し,実際に計算できること.
(5)河道およびダムの洪水対策,都市型水害と内水処理対策について理解し,説明できること.
(6)河川の構造物に関してその役割について説明できること.
(7)河川生態系の保全と復元について説明できること.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
河川地形と分類河川の地形に関し,その分類と形状について理解し,他者に説明できる.河川の地形に関し,その分類と形状について理解できている.河川の地形に関し,その分類と形状について理解できていない.
地球上の水の循環地球上の水の循環及び降水の現象について理解し,他者に説明できる.地球上の水の循環及び降水の現象について理解できている.地球上の水の循環及び降水の現象について理解できていない.
河川からの流出河川からの流出現象について理解し,他者に説明できる.河川からの流出現象について理解できている.河川からの流出現象について理解できていない.
流出解析法流出解析法について理解し,やや難しい問題を計算できる.流出解析法について理解し,基本的な問題の計算ができる.流出解析法について理解できていない.
水害と洪水対策河道およびダムの洪水対策,都市型水害と内水処理対策について理解し,他者に説明できる.河道およびダムの洪水対策,都市型水害と内水処理対策について理解できている.河道およびダムの洪水対策,都市型水害と内水処理対策について理解できていない.
河川構造物河川の構造物に関してその役割について理解し,他者に説明できる.河川の構造物に関してその役割について理解できている.河川の構造物に関してその役割について理解できていない.
河川生態系の保全と復元河川生態系の保全と復元について理解し,他者に説明できる.河川生態系の保全と復元について理解できている.河川生態系の保全と復元について理解できていない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 国土の基盤施設である河川に関して,洪水対策(治水),水資源利用(利水)及び生態系保全(環境)の諸問題について学ぶ.また,国土保全や地域生活の安定に大きな効果を上げている治水と利水に関する技術の基礎である流出解析法と水文統計学について学ぶ.流域の降水量から河川流量を推定し,降雨量と河川流量の発生確率の評価を行う.
授業の進め方・方法:
 講義の内容は教科書に沿って行うが,事前に配付する講義資料をもとに授業外学習による予習を前提として実施する.講義時間においては,予習内容の理解を確認するための小テストや演習問題を課すことにより,河川に関する諸問題や流出解析法,水文統計学などの理解を深める.
注意点:
【学習・教育目標】
本科(準学士課程):RB2(◎)
環境生産システム工学プログラム:JB3(◎),JD1(○)
【関連科目】
水理学Ⅰ(本科3年),水理学Ⅱ(本科4年),海岸工学(本科5年),環境水工学(専攻科2年),連続体力学(専攻科2年)
【評価方法】
小テストを20%,各演習における課題の内容を80%として評価する.
【評価基準】
学年成績60点以上を合格とする.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバスの説明,講義資料の配付 講義を受講するうえでの注意点を把握し,学習の進め方を理解する.
2週 2.1 河川と流域
2.2 河川の作用と地形  の小テストおよび演習
河川の分類と流域,河川の作用と地形について理解する.
3週 3.1 地球上の水の循環
3.2 我が国の降水の特徴
3.3 流出現象        の小テストおよび演習
地球上における水の循環について理解する.
降水量と蒸発散量について理解する.
流出現象について理解する.
4週 3.4 流出解析法 の小テスト
3.4.2 合理式 の演習
流出解析法について理解する.
流出解析法の合理式について理解する.
5週 3.4.3 単位図法 の演習 流出解析法の単位図法について理解する.
6週 3.4.4 タンクモデル の演習 流出解析法のタンクモデルについて理解する.
7週 3.4.5 貯留関数法 の演習① 流出解析法の貯留関数法について理解する.
8週 3.4.5 貯留関数法 の演習②
3.4.6 キネマティックウエイブ法 -等価粗度法- の解説
流出解析法のキネマティックウエイブ法 -等価粗度法- について理解する.
2ndQ
9週 4.1 河川流の一次元解析
4.2 河道の平面二次元流と氾濫流の解析 の解説
4.3 河口の水理 の小テスト
河川流の解析法と河口の流れを理解する.
10週 5.1 土砂の移動現象とその形態
5.2 土砂の生産
5.3 土砂の流送
5.4 河床変動      の小テストおよび演習
河道内の流砂と河床変動について理解する.
11週 6.1 計画対象水文量の決定手法
6.2 洪水防御計画における河道計画
6.3 都市型水害と対策
6.4 利水計画
6.5 環境保全計画    の小テストおよび演習
河川計画における洪水対策や都市型水害について理解する.
12週 7.1 堤防の種類と構造
7.2 護岸・根固め・水制
7.3 床固め・堰・ダム
7.4 樋門・樋管・水門  の小テスト
河川構造物の種類とその効果について理解する.
13週 8.1 河川における生物生息場の多様性,
8.2 岸辺の植生が与える水域への波及効果,
8.3 魚類の生息環境向上のための基本戦略,
8.4 河川生態環境評価手法,
8.5 多自然川づくりにおける留意点  の小テスト
河川生態環境に配慮した川づくりについて理解する.
14週 まとめ①:課題提出状況の確認 各課題の提出状況とその理解度を確認し,知識の定着を図る.
15週 まとめ②:技術士1次試験の出題傾向について 技術士1次試験で使われた問題を例に,知識の定着を図る.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野水理河川の分類と流域について、説明できる。4前2
河川の管理と整備について、説明できる。4前2,前12
水の循環、雨が降る仕組み、我が国の降雨特性について、説明できる。4前3
水文量の観測方法を説明でき、流域平均雨量を計算できる。4前3,前11
河道およびダムによる洪水対策を説明できる。4前11
都市型水害と内水処理の対策について、説明できる。4前11
日本の水資源の現況について、説明できる。4前3
河川堤防・護岸・水制の役割について、説明できる。4前12

評価割合

小テスト演習課題合計
総合評価割合2080100
基礎的能力104050
専門的能力104050