環境保全工学

科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 環境保全工学
科目番号 0197 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 環境都市工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 奥村、大久保:環境衛生工学、コロナ社(継続)
担当教員 奥村 充司

到達目標

(1) 人間活動が地域の自然や生態系に与える影響を定量的に理解できること.
(2) 地球環境問題を理解して,構造物をデザインする際つくる目的を意識し,機能性,安全および経済性に加えて,環境負荷の低減・快適性などをライフサイクルアセスメントの観点から考慮できること.
(3) 習得した自然科学・情報処理等の基礎知識と環境都市工学の分野における専門基礎知識・技術とに基づいて, その分野に関する 工学的現象を正しく理解できること.
(4) 地域の環境問題を解決する上で,さまざまな知識を適切な情報源から得,既知の事柄と未知の事柄とを識別したうえで,それらを蓄積・整理できること.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1① 人間活動が地域の自然や生態系に与える影響を定量的に理解できること. ② 人間活動が地域の自然や生態系に与える影響を理解できること. ③ 人間活動が地域の自然や生態系に与える影響を理解できないこと.
評価項目2① 環境影響評価のための指標について、その測定、評価方法について理解できていること.② 環境影響評価のための指標について理解できていること.③ ② 環境影響評価のための指標について理解できていないこと.
評価項目3① 環境施設の計画において配慮すべき事項を熟知し、それらを数理的手法で算出できること.② 環境施設の計画において配慮すべき事項を理解していること.③ 環境施設の計画において配慮すべき事項を理解していないこと.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
生態学に関する基礎知識の習得および生態工学へ導入を図ることで、将来技術者として関わるであろう様々な環境問題に対する正しい価値観を身につけさせることを目的とする。また、自然再生エネルギーなどこれからの地球温暖化対策に関する基礎知識を習得させる。
授業の進め方・方法:
授業は座学中心に行う。授業の内容を補い、講義内容の要点はパワーポイントを用いてプレゼンテーション形式で行う。また、種々の環境問題をテーマにしたビデオ教材も駆使して、より理解を深める。また、貿易ゲームを実施し、グループによるテーマ別ディスカッションを行う.
注意点:
前期中間および前期期末試験をそれぞれ100点満点で実施し、その算術平均点の75%に、レポート課題に対する評価点(25点満点)を合計して評価する.
成績評価で60%以上を合格とする.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバスの説明・概論/入会地の悲劇と環境問題・生態系保全問題
2週 1.生態学の基礎知識 1.1 生物の分類 1.2 種、個体、個体群、群集、生態系 1.3資源と環境収容力1.4 種内の関係 1.5 種間の関係 1.6 種の多様性と環境 1.7 植生変遷
3週 2 陸水生態系の基礎知識 2.1 水圏生態系のエネルギー収支 2.2 日射と光合成 2.3 酸素と二酸化炭素 2.4 栄養塩 2.5 植生による水質浄化
4週 3 様々な生態系の特性と開発の影響 3.1 湖沼およびダム貯水池生態系と開発の影響
5週 3.2 河川生態系の特徴と開発の影響
6週 3.3 ダム建設に伴う周辺生態系への影響 3.4 流域管理に伴う影響
7週 3.4 汽水域の生態系の特徴と開発の影響  3.5 海岸域の生態系の特徴と開発の影響
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 貿易ゲームによる世界経済と環境保全について
10週 土壌汚染
11週 環境影響評価
12週 太陽エネルギー、風力
13週 廃棄物エネルギー、下水汚泥のエネルギー資源としての有効利用に関する事例
14週 バイオマスエネルギー、未利用エネルギー
15週
16週 試験の返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野環境環境問題の歴史を理解している。2
地球温暖化、オゾン層の破壊、酸性雨を理解している。2
熱帯林の減少、砂漠化・土壌劣化、野生性生物の種の減少、海洋汚染を理解している。2
化学物質の管理、有害物質の越境問題を理解している。2
開発途上国の環境問題を理解している。5前9
物質循環を理解している。5前9
地球資源問題を理解している。5前9
環境容量を説明できる。5前9
環境と人の健康との関わりを説明できる。5前1
過去に生じた公害の歴史とその内容(環境要因と疾病の関係)について、説明できる。5前1
水の物性、水の循環を説明できる。5前3
水質指標を説明できる。5前3
水質汚濁の現状を説明できる。5前3
水質汚濁物の発生源と移動過程を説明でき、原単位、発生負荷を含めた計算ができる。5前3
水域生態系と水質変換過程(自浄作用、富栄養化、生物濃縮等)について、説明できる。5前3
水質汚濁の防止対策・水質管理計画(施策、法規等)を説明できる。5前1
廃棄物の発生源と現状について、説明できる。5前13
廃棄物の収集・処理・処分について、説明できる。5前13
廃棄物の減量化・再資源化について、説明できる。5前13
廃棄物対策(施策、法規等)を説明できる。5前13
環境影響評価の目的を説明できる。5前10
環境影響評価の現状(事例など)を説明できる。5前10
環境影響指標を説明できる。5前10
土壌汚染の現状を説明できる。5前10
浄化と修復方法を理解している。5前10
土壌汚染対策理解している。5前10
環境倫理を説明できる。5前1
水環境を理解している。5前4,前5,前6,前7
環境と森林の関係を理解している。5前6
森林生態系と自然環境保全を理解している。5前6

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力0000000
専門的能力80200000100
分野横断的能力0000000