(1)創造性豊かな発想にもとづいて物語的文章を構想するとともに,日本語ならびに言語文化およびそれらに関わる学校行事に関心をもち,主体的に学習できること.
(2)古典・漢文の読解に必要な基本事項を確実に理解し,現代の日本語へのつながりを意識できること.
(3)物語的文章を,その主題や表現意図を的確に把握して読解・鑑賞できること.
概要:
総合的な日本語力の入門期に位置づけられる物語・小説などの文章の読解力・表現力を、叙述・構成・主題の三レベルにわたって理解・実践させること。また、そのために必要となる、古文読解の基礎をなす文法・語法を確実に身につけさせること。さらに、日本語に関する文化に関心をもたせること。
授業の進め方・方法:
現代文と古文(古典・漢文)を、原則として毎週授業時間の半分ずつ並行して進める。また、読解と表現とが相互に関連し合うよう授業を展開し、特に表現に関しては、実際に文章を書く作業を重視する。古典の文法事項については、理解・暗記するべき課題を限定して徹底する。
注意点:
理論の習得と実践とを並行して行うので、関連づけて理解する。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
国語科カリキュラムと授業概要の説明/自己紹介の文章 |
授業の流れを理解できる。相手を意識した文章の基本を身につける。
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2週 |
【物語的文章の基本】合宿ドキュメント(1) 内容の想起・描写と説明/【古典入門】現代仮名遣いと旧仮名遣い |
物語的文章の表現の基本を理解する。旧仮名遣いの原則を理解する。
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3週 |
【物語的文章の基本】合宿ドキュメント(2) 執筆/【古典入門】「絵仏師良秀」(1) |
「描写」を意識した物語的文章が表現できる。古典訳出の基礎に触れる。
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4週 |
【文集の文章】高専に入学して(1) 過去の作品と構想/【古典入門】「絵仏師良秀」(2) |
校友会誌作成に関する関心を持つ。古典訳出の実際を理解する。
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5週 |
【文集の文章】高専に入学して(2) 構想/【用言の活用と用法】動詞の活用表 |
校友会誌に掲載する文章の構想を固める。活用形の働きと動詞活用表の概要を知る。
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6週 |
【文集の文章】高専に入学して(3) 執筆/【用言の活用と用法】動詞の活用の種類の見分け方 |
校友会誌掲載作品を完成する。動詞の活用の種類の違いを理解する。
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7週 |
【物語的文章の叙述】「ひとつのドア」叙述時間測定/【用言の活用と用法】形容詞・形容動詞の活用 |
叙述時間を意識した読解ができる。形容詞・形容動詞の活用を知る。
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8週 |
(中間確認)【用言の活用と用法】用言の活用問題演習 |
用言の活用についての疑問点を整理する。
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2ndQ |
9週 |
【物語的文章の叙述】測定結果・「通学の一分」構想/【用言の活用と用法】用言の活用問題演習 |
文の叙述時間に関する知識を深める。用言の活用に関する知識を整理する。
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10週 |
【用言の活用と用法】用言テスト |
用言の活用に関する知識を確認する。
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11週 |
【物語的文章の叙述】通学の一分 執筆/【文法事項】係り結びの法則 |
「描写」に徹した文章を書ける。係り結びの法則を知る。
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12週 |
【物語的文章の構成】「マッチ」暗号解読作業【物語的文章の構成】「マッチ」暗号解読/【漢文入門】訓読の基本 |
物語的文章における「説明」を意識して読解する。訓点の種類と用法を知る。
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13週 |
【物語的文章の構成】「マッチ」作業結果/【漢文入門】複雑な返り点 |
物語的文章における「説明」の役割を理解する。より複雑な訓点の用法を知る。
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14週 |
【文集の文章】「高専に入学して」相互批評(『青樹』掲載作品選出)/夏季課題説明 |
互いの文章を読み、批評する観点を認識する。
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15週 |
【漢文入門】再読文字と置き字/期末試験返却・解説/成績状況説明 |
期末試験の疑問点を解決する。再読文字・置き字について知る。
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16週 |
(学力強化週間)用言活用の復習 |
用言活用に関して理解し残した点を整理する。
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後期 |
3rdQ |
1週 |
【学校行事対応】弁論大会プリント(1) メリット・デメリット考察/【漢文読解】「蛇足」 |
弁論大会の概要を知り、関心を持つ。漢文読解の基本に慣れる。
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2週 |
【学校行事対応】弁論大会レポート(2) 内容記入/【助動詞と読解】「筒井筒」(1) |
弁論大会の試合テーマについての関心を深める。助動詞を意識した古典読解に慣れる。
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3週 |
【学校行事対応】弁論大会レポート(3) しあげ/【助動詞と読解】「筒井筒」(2) |
弁論大会で得た知識を整理する。助動詞の文章中の役割を意識する。
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4週 |
【物語的文章の構成】文集「私のビフォー・アフター」(1) 構想/【助動詞の活用と用法】打消の助動詞 |
クラス文集掲載作品の構想を固める。打消の助動詞の活用と用法を知る。
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5週 |
【物語的文章の構成】文集「私のビフォー・アフター」(2) 執筆・しあげ/【助動詞の活用と用法】過去の助動詞 |
クラス文集掲載作品を完成する。過去の助動詞の活用と用法を知る。
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6週 |
【物語的文章の主題】四コマ漫画の文章化(1) 一コマめの情報/【助動詞の活用と用法】推量の助動詞(1) |
短いストーリーの構成を意識する。推量の助動詞「む」の活用と用法を知る。
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7週 |
【物語的文章の主題】四コマ漫画の文章化(2) 執筆 |
構成を意識したストーリーを書く。
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8週 |
(中間試験) |
後期前半に学習した知識を確認する。
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4thQ |
9週 |
【助動詞の活用と用法】推量の助動詞(2)/中間試験返却・解説 |
後期前半に学習した知識を整理する。推量の助動詞「けむ」「らむ」の活用と用法を知る。
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10週 |
【物語的文章のまとめ】リレー小説(1) グループ編成/【助動詞の活用と用法】推量の助動詞(3) |
合作小説の構想を話し合う。推量の助動詞「べし」の活用と用法を知る。
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11週 |
【物語的文章のまとめ】リレー小説(2) 企画書作成/【助動詞の活用と用法】推量の助動詞(4) |
合作小説の構想を固める。推量の助動詞「めり」「なり」「らし」の活用と用法を知る。
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12週 |
【物語的文章のまとめ】リレー小説(3) 執筆・中間指導/【助動詞の活用と用法】打消推量の助動詞 |
合作小説の執筆を始める。打消推量の助動詞の活用と用法を知る。
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13週 |
【物語的文章のまとめ】リレー小説(4) 執筆・中間指導/【助動詞の活用と用法】助動詞テスト1 |
合作小説の執筆を進める。助動詞の活用と用法についての知識を確認する。
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14週 |
【物語的文章のまとめ】リレー小説(5) しあげ/【文集の文章】文集「私のビフォー・アフター」(3) 配布・製本 |
合作小説を完成する。
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15週 |
助動詞のまとめ/学年末課題の説明など |
助動詞の活用と用法に関する知識を整理する。
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16週 |
(特別学習)助動詞の復習 |
助動詞の活用と用法に関する疑問点を解決する。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 人文・社会科学 | 国語 | 国語 | 代表的な古文・漢文を読み、言葉や表現方法の特徴をふまえて人物・情景などを理解し、人間・社会・自然などについて考えを深めたり広げたりすることができる。 | 3 | |
古文・漢文について、音読・朗読もしくは暗唱することにより、特有のリズムや韻などを味わうことができる。 | 3 | |
代表的な古文・漢文について、日本文学史および中国文学史における位置を理解し、作品の意義について意見を述べることができる。また、それらに親しもうとすることができる。 | 3 | |
教材として取り上げた作品について、用いられている言葉の現代の言葉とのつながりや、時代背景などに関する古文・漢文の基礎的知識を習得できる。 | 3 | |
代表的な文学作品を読み、人物・情景・心情の描写ならびに描写意図などを理解して味わうとともに、その効果について説明できる。 | 4 | |
文章を客観的に理解し、人間・社会・自然などについて考えを深め、広げることができる。 | 3 | |
文学作品について、鑑賞の方法を理解できる。また、代表的な文学作品について、日本文学史における位置を理解し、作品の意義について意見を述べることができる。 | 4 | |
鑑賞にもとづく批評的な文章の執筆や文学的な文章(詩歌、小説など)の創作をとおして、感受性を培うことができる。 | 4 | |
読書習慣の形成をとおして感受性を培い、新たな言葉やものの見方を習得して自らの表現の向上に生かすことができる。 | 3 | |
現代日本語の運用、語句の意味、常用漢字、熟語の構成、ことわざ、慣用句、同音同訓異義語、単位呼称、対義語と類義語等の基礎的知識についての理解を深め、その特徴を把握できる。また、それらの知識を適切に活用して表現できる。 | 1 | |
情報の収集や発想・選択・構成の方法を理解し、論理構成や口頭によるものを含む表現方法を工夫して、科学技術等に関する自らの意見や考えを効果的に伝えることができる。また、信頼性を重視して情報を分析し、図表等を適切に活用・加工してコミュニケーションに生かすことができる。 | 2 | |
他者の口頭によるものを含む表現について、客観的に評価するとともに建設的に助言し、多角的な理解力、柔軟な発想・思考力の涵養に努めるとともに、自己の表現の向上に資することができる。 | 3 | |
相手の意見を理解して要約し、他者の視点を尊重しつつ、建設的かつ論理的に自らの考えを構築し、合意形成にむけて口頭によるコミュニケーションをとることができる。また、自らのコミュニケーションスキルを改善する方法を習得できる。 | 2 | |
社会で使用される言葉を始め広く日本語を習得し、その意味や用法を理解できる。また、それらを適切に用い、社会的コミュニケーションとして実践できる。 | 2 | |