国語Ⅰ(F2)

科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 国語Ⅰ(F2)
科目番号 0042 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 1年混合学級(一般教育科目) 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 精選国語総合(大修館書店) 『トータルサポート 新国語便覧』(大修館書店)
担当教員 伊勢 光

到達目標

(1)目的に応じた文章を書くことができ、またその執筆の中で学校行事や身の周りのことに関心を持って自主的に行動できるようになること。
(2)小説、評論など、様々なタイプの文章に触れ、その内容を適切かつ論理的に読解、解釈、鑑賞するとともに、そこで得られた知見を自らの生活にいかせるようになること。
(3)古典的名作(古文、漢文)とされる文章を読み、伝統的に日本人が素養として身につけ、大事に読み継いできたものを正しく読解、理解するとともに、そこで取り上げられていることを、「今」の自分とからめて考えるようになること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
目的に応じた文章を書くこと与えられた条件を順守したうえで、豊かな表現と独自性をそなえた物語的文章が書け、弁論大会や校友会誌編集に関する活動にも積極的な関心をもって参加している。与えられた条件を参照しながら、適切にまとまった物語的文章が書け、弁論大会や校友会誌編集に関する活動にもとり組んでいる。 与えられた条件がじゅうぶんに守られておらず、意図の伝わりにくい文章になっており、弁論大会や校友会誌編集に関する活動も不十分である。
様々なタイプの文章を味わい、生かすこと十分正確に理解、鑑賞できており、自分の生活に生かそうとする姿勢が顕著である。ある程度正確に理解、鑑賞できており、自分の生活に生かそうという姿勢も見られる。 全く理解、鑑賞できておらず、自分の生活に生かそうとする発想も見られない。
古典を鑑賞し、今の自分を知ること古典を非常に正確に味わうことができており、今の自己理解にも十分つながっている。古典をある程度正確に味わうことができており、「今」の自分と関わらせて考えようとする姿勢も一定程度見られる。全く古典を理解することができておらず、「今」の自分と関わらせることもできていない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 RC2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 現代文、古文、漢文の3つをほぼ均等に学習し、そのことを通して総合的に文章の内容を正しく理解する読解力、筋道を立てて文章を味わっていく鑑賞力を身につける。また、特に古典学習に関しては、その読解の基礎となる文法事項の確実な習得を目指す。またそれと並行して、様々なタイプの課題を通して、目的に応じて良い文章を書くための文章力を得る。
授業の進め方・方法:
 原則として現代文と古文、漢文を同時並行で行う。また、主に授業で学んだことを自分の生活でどう生かすのかという観点から、課題を課す。読み取ったことを、自分なりの問題意識で文章にしていく。
注意点:
 試験は前期末と後期末の2回に加えて、適宜小テストを行い、それが全体成績の45%を占める。レポート、スピーチなどの課題が同じく45%。また、級友のスピーチにおいて質問をするごとに点数を加算する(最高10点=10%まで)。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 国語科カリキュラムと授業概要の説明/自己紹介の文章 授業の流れを理解できる。授業の概要、目的を理解する。
2週 羅生門(1)/歴史的仮名遣い 芥川龍之介について知る/歴史的仮名遣いについて適切に使用できる。
3週 羅生門(2)/用言の活用(1) 作品の構成を理解する/動詞の活用について、四段、上一段、下一段活用を理解する。
4週 羅生門(3)/用言の活用(2) 作品の舞台設定を知る/動詞の活用について下二段、下一段活用を理解する。
5週 羅生門(4)/用言の活用(3) 作者と作品との関係性を読み解く/動詞の活用について、各種変格活用を理解する。
6週 羅生門(5)/用言の活用(4) 下人の心理と羅生門との関係を把握する/形容詞の活用を理解する。
7週 羅生門(6)/用言の活用(5) 下人の心情変化を正しく理解する/形容動詞の活用を理解する。
8週 羅生門(7)/用言の活用(6) 老婆の論理を把握する/用言の全活用について復習し、理解しているかどうか振り返って定着する。
2ndQ
9週 羅生門(8) 結末部に至る下人の心理、行動を読み取る。
10週 児のそら寝(1) 正しく本文を音読できる。
11週 児のそら寝(2) 動詞の活用に留意しつつ、正しく品詞分解できる。
12週 児のそら寝(3) 何が「わろかりなむ」なのか、説明できる。
13週 児のそら寝(4) 場面展開、人物関係などを把握したうえで、現代語訳できる。
14週 児のそら寝(5) なぜ「かぎりなく」笑ったのか、2つの場合に分けてそれぞれ説明できる。
15週 半期のまとめ 半期の学習を振り返る。
16週
後期
3rdQ
1週 蛇足(1) 漢文の基礎を把握する。
2週 蛇足(2) 本文を通読し、構成を把握する。自立語、付属語に注意して書き下せる。
3週 蛇足(3) 「能」「安」について正しく理解する。反語の用法、意味について把握する。
4週 水の東西(1) 時間的な水と空間的な水の内実を把握する。
5週 水の東西(2) 西洋と日本の水の捉え方の違いを理解する。
6週 水の東西(3) 全体の要旨を確認、理解する。
7週 自然と人間の関係について考える(1)
地球環境についての現状を把握するとともに、全体を正しく音読する。
8週 自然と人間の関係について考える(2) 構成をつかみ、今と昔の自然利用における違いを理解する。
4thQ
9週 自然と人間の関係について考える(3) 自然と人間の関係に対する筆者の主張を把握する。
10週 自然と人間の関係について考える(4) 近代社会が無視してきたものは何か理解し、その乗り越え方を見出す。
11週 竹取物語(1) 全体を正しく音読する。
12週 竹取物語(2) 文法事項について確認するとともに、掛詞等の技法を抑える。
13週 竹取物語(3) 「べき」「めり」等の助動詞を抑えた訳作りを試みる。
14週 竹取物語(4) 当時の儀式、風習を理解する。
15週 まとめ 1年間のまとめ
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学国語国語論理的な文章(論説や評論)の構成や展開を的確にとらえ、要約できる。3
論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。3
文学的な文章(小説や随筆)に描かれた人物やものの見方を表現に即して読み取り、自分の意見を述べることができる。3
常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。3
類義語・対義語を思考や表現に活用できる。3
社会生活で使われている故事成語・慣用句の意味や内容を説明できる。3
専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。3
報告・論文の目的に応じて、印刷物、インターネットから適切な情報を収集できる。3
収集した情報を分析し、目的に応じて整理できる。3
報告・論文を、整理した情報を基にして、主張が効果的に伝わるように論理の構成や展開を工夫し、作成することができる。3
作成した報告・論文の内容および自分の思いや考えを、的確に口頭発表することができる。3
課題に応じ、根拠に基づいて議論できる。3
相手の立場や考えを尊重しつつ、議論を通して集団としての思いや考えをまとめることができる。3
新たな発想や他者の視点の理解に努め、自分の思いや考えを整理するための手法を実践できる。3

評価割合

定期試験レポート態度(質問点)合計
総合評価割合454510100
基礎的能力454510100
専門的能力00
分野横断的能力000