国語(F4)

科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 国語(F4)
科目番号 0134 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 1年混合学級(一般教育科目) 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 精選国語総合(大修館書店) 『クリアカラー 国語便覧』(数研出版)
担当教員 中村 吉秀

到達目標

(1)創造性豊かな発想にもとづいて物語的文章を構想するとともに,日本語ならびに言語文化およびそれらに関わる学校行事に関心をもち,主体的に学習できること.
(2)古典・漢文の読解に必要な基本事項を確実に理解し,現代の日本語へのつながりを意識できること.
(3)物語的文章を,その主題や表現意図を的確に把握して読解・鑑賞できること.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
文章の表現活動与えられた条件を順守したうえで、豊かな表現と独自性をそなえた物語的文章が書け、弁論大会や校友会誌編集に関する活動にも積極的な関心をもって参加している。与えられた条件を参照しながら、適切にまとまった物語的文章が書け、弁論大会や校友会誌編集に関する活動にもとり組んでいる。 与えられた条件がじゅうぶんに守られておらず、意図の伝わりにくい文章になっており、弁論大会や校友会誌編集に関する活動も不十分である。
古典文法・訳出および漢文訓読の基礎古典文法の基礎(用言・助動詞など)や漢文の基礎(訓読法など)に関する事項がじゅうぶんに理解できており、それを用いて実際の読解も深まっている。古典文法の基礎(用言・助動詞など)や漢文の基礎(訓読法など)に関する事項について一定の理解ができており、それを実際の読解に活かすことができる。 古典文法の基礎(用言・助動詞など)や漢文の基礎(訓読法など)に関する事項の理解が不十分で、実際の読解にも活かされていない。
物語的文章の読解物語的文章を読み、その表現の工夫や主題について、的確に理解し説明できる。物語的文章を読み、その表現の工夫や主題について、適切に理解できる。物語的文章の表現の工夫や主題について、読解が不十分である。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 RC2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
  総合的な日本語力の入門期に位置づけられる物語・小説などの文章の読解力・表現力を、叙述・構成・主題の三レベルにわたって理解・実践させること。また、そのために必要となる、古文読解の基礎をなす文法・語法を確実に身につけさせること。さらに、日本語に関する文化に関心をもたせること。
授業の進め方・方法:
 現代文と古文(古典・漢文)を、原則として毎週授業時間の半分ずつ並行して進める。また、読解と表現とが相互に関連し合うよう授業を展開し、特に表現に関しては、実際に文章を書く作業を重視する。古典の文法事項については、理解・暗記するべき課題を限定して徹底する。
注意点:
 理論の習得と実践とを並行して行うので、関連づけて理解する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 国語科カリキュラムと授業概要の説明/自己紹介の文章 授業の流れを理解できる。相手を意識した文章の基本を身につける。
2週 【物語的文章の基本】合宿ドキュメント(1) 内容の想起・描写と説明/【古典入門】現代仮名遣いと旧仮名遣い 物語的文章の表現の基本を理解する。旧仮名遣いの原則を理解する。
3週 【物語的文章の基本】合宿ドキュメント(2) 執筆/【古典入門】「なよ竹のかぐや姫」(1) 「描写」を意識した物語的文章が表現できる。古典訳出の基礎に触れる。
4週 【文集の文章】高専に入学して(1) 過去の作品と構想/【古典入門】「なよ竹のかぐや姫」(2) 校友会誌作成に関する関心を持つ。古典訳出の実際を理解する。
5週 【文集の文章】高専に入学して(2) 構想/【用言の活用と用法】動詞の活用表 校友会誌に掲載する文章の構想を固める。活用形の働きと動詞活用表の概要を知る。
6週 【文集の文章】高専に入学して(3) 執筆/【用言の活用と用法】動詞の活用の種類の見分け方 校友会誌掲載作品を完成する。動詞の活用の種類の違いを理解する。
7週 【物語的文章の叙述】「ひとつのドア」叙述時間測定/【用言の活用と用法】形容詞・形容動詞の活用 叙述時間を意識した読解ができる。形容詞・形容動詞の活用を知る。
8週 (中間確認)【用言の活用と用法】用言の活用問題演習 用言の活用についての疑問点を整理する。
2ndQ
9週 【物語的文章の叙述】測定結果・「通学の一分」構想/【用言の活用と用法】用言の活用問題演習 文の叙述時間に関する知識を深める。用言の活用に関する知識を整理する。
10週 【用言の活用と用法】用言テスト 用言の活用に関する知識を確認する。
11週 【物語的文章の叙述】通学の一分 執筆/【文法事項】係り結びの法則 「描写」に徹した文章を書ける。係り結びの法則を知る。
12週 【物語的文章の構成】「マッチ」暗号解読作業【物語的文章の構成】「マッチ」暗号解読/【漢文入門】訓読の基本 物語的文章における「説明」を意識して読解する。訓点の種類と用法を知る。
13週 【物語的文章の構成】「マッチ」作業結果/【漢文入門】複雑な返り点 物語的文章における「説明」の役割を理解する。より複雑な訓点の用法を知る。
14週 【文集の文章】「高専に入学して」相互批評(『青樹』掲載作品選出)/夏季課題説明 互いの文章を読み、批評する観点を認識する。
15週 【漢文入門】再読文字と置き字/期末試験返却・解説/成績状況説明 期末試験の疑問点を解決する。再読文字・置き字について知る。
16週 (学力強化週間)用言活用の復習 用言活用に関して理解し残した点を整理する。
後期
3rdQ
1週 【学校行事対応】弁論大会プリント(1) メリット・デメリット考察/【漢文読解】「蛇足」 弁論大会の概要を知り、関心を持つ。漢文読解の基本に慣れる。
2週 【学校行事対応】弁論大会レポート(2) 内容記入/【助動詞と読解】「筒井筒」(1) 弁論大会の試合テーマについての関心を深める。助動詞を意識した古典読解に慣れる。
3週 【学校行事対応】弁論大会レポート(3) しあげ/【助動詞と読解】「筒井筒」(2) 弁論大会で得た知識を整理する。助動詞の文章中の役割を意識する。
4週 【物語的文章の構成】文集「私のビフォー・アフター」(1) 構想/【助動詞の活用と用法】打消の助動詞 クラス文集掲載作品の構想を固める。打消の助動詞の活用と用法を知る。
5週 【物語的文章の構成】文集「私のビフォー・アフター」(2) 執筆・しあげ/【助動詞の活用と用法】過去の助動詞 クラス文集掲載作品を完成する。過去の助動詞の活用と用法を知る。
6週 【物語的文章の主題】四コマ漫画の文章化(1) 一コマめの情報/【助動詞の活用と用法】推量の助動詞(1) 短いストーリーの構成を意識する。推量の助動詞「む」の活用と用法を知る。
7週 【物語的文章の主題】四コマ漫画の文章化(2) 執筆 構成を意識したストーリーを書く。
8週 (中間試験) 後期前半に学習した知識を確認する。
4thQ
9週 【助動詞の活用と用法】推量の助動詞(2)/中間試験返却・解説 後期前半に学習した知識を整理する。推量の助動詞「けむ」「らむ」の活用と用法を知る。
10週 【物語的文章のまとめ】リレー小説(1) グループ編成/【助動詞の活用と用法】推量の助動詞(3) 合作小説の構想を話し合う。推量の助動詞「べし」の活用と用法を知る。
11週 【物語的文章のまとめ】リレー小説(2) 企画書作成/【助動詞の活用と用法】推量の助動詞(4) 合作小説の構想を固める。推量の助動詞「めり」「なり」「らし」の活用と用法を知る。
12週 【物語的文章のまとめ】リレー小説(3) 執筆・中間指導/【助動詞の活用と用法】打消推量の助動詞 合作小説の執筆を始める。打消推量の助動詞の活用と用法を知る。
13週 【物語的文章のまとめ】リレー小説(4) 執筆・中間指導/【助動詞の活用と用法】助動詞テスト1 合作小説の執筆を進める。助動詞の活用と用法についての知識を確認する。
14週 【物語的文章のまとめ】リレー小説(5) しあげ/【文集の文章】文集「私のビフォー・アフター」(3) 配布・製本 合作小説を完成する。
15週 助動詞のまとめ/学年末課題の説明など 助動詞の活用と用法に関する知識を整理する。
16週 (特別学習)助動詞の復習 助動詞の活用と用法に関する疑問点を解決する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学国語国語論理的な文章(論説や評論)の構成や展開を的確にとらえ、要約できる。1
論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。1
文学的な文章(小説や随筆)に描かれた人物やものの見方を表現に即して読み取り、自分の意見を述べることができる。3
常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。1
類義語・対義語を思考や表現に活用できる。1
社会生活で使われている故事成語・慣用句の意味や内容を説明できる。1
専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。1
収集した情報を分析し、目的に応じて整理できる。1
報告・論文を、整理した情報を基にして、主張が効果的に伝わるように論理の構成や展開を工夫し、作成することができる。1
作成した報告・論文の内容および自分の思いや考えを、的確に口頭発表することができる。1
課題に応じ、根拠に基づいて議論できる。2
相手の立場や考えを尊重しつつ、議論を通して集団としての思いや考えをまとめることができる。2
新たな発想や他者の視点の理解に努め、自分の思いや考えを整理するための手法を実践できる。2

評価割合

前期期末試験後期中間試験文法テスト作文など課題合計
総合評価割合10152550100
基礎的能力105251050
専門的能力01002030
分野横断的能力0002020