人間と社会

科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 人間と社会
科目番号 0018 科目区分 一般 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材
担当教員 佐藤 勇一,宮本 友紀,伊勢 光,廣重 準四郎

到達目標

・人間や社会について考察する多様な視角が存在することを理解し、複数の人間像ないしは社会像の概要を検討・考察することができる。
・救貧法や社会諸立法などの画期的な法律の内容と展開状況、および社会福祉史・社会保障史における重要人物の業績や貢献を大筋で説明できること。
・婚姻形態と生殖医療の関係、ファノンの思想について大筋説明でき、間文化性の観点から現代の哲学がテーマとする諸問題について考察できる。
・英語の多様性やownershipの問題について十分に説明ができ、それに対する明確かつ説得力のある意見と自身の英語学習の目標を述べることができる。
・平安日記文学について、その特質と文学史的な立ち位置を把握するとともに、個別の作品の特色、面白さ、達成、後世への影響などを理解し、説明することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1人間や社会について考察する多様な視角が存在することを理解し、複数の人間像ないしは社会像の概要を検討・考察することが十分にできる。人間や社会について考察する多様な視角が存在することを理解し、複数の人間像ないしは社会像の概要を検討・考察することが或る程度できる。人間や社会について考察する多様な視角が存在することを理解し、複数の人間像ないしは社会像の概要を検討・考察することができない。
評価項目2救貧法や社会諸立法などの画期的な法律の内容と展開状況、および社会福祉史・社会保障史における重要人物の業績や貢献を大筋で十分に説明できること。救貧法や社会諸立法などの画期的な法律の内容と展開状況、および社会福祉史・社会保障史における重要人物の業績や貢献を大筋である程度説明できること。救貧法や社会諸立法などの画期的な法律の内容と展開状況、および社会福祉史・社会保障史における重要人物の業績や貢献の大筋での説明がほとんどできない。
評価項目3婚姻形態と生殖医療の関係、ファノンの思想について大筋説明できた上で、間文化性の観点から現代の哲学がテーマとする諸問題について考察することが十分にできる。婚姻形態と生殖医療の関係、ファノンの思想について大筋説明できた上で、間文化性の観点から現代の哲学がテーマとする諸問題について考察することが或る程度できる。婚姻形態と生殖医療の関係、ファノンの思想について大筋説明できた上で、間文化性の観点から現代の哲学がテーマとする諸問題について考察することができない。
評価項目4英語の多様性やownershipの問題について十分に説明ができ、それに対する明確かつ説得力のある意見と自身の英語学習の目標を述べることができる。英語の多様性やownershipの問題について十分に説明ができ、それに対する明確かつ説得力のある意見と自身の英語学習の目標を述べることがある程度できる。英語の多様性やownershipの問題について十分に説明ができ、それに対する明確かつ説得力のある意見と自身の英語学習の目標を述べることができない。
評価項目5平安日記文学の特質を把握した上で、個別の作品の特色、面白さ、達成、後世への影響などを詳しく説明できること。平安日記文学の特質を把握した上で、個別の作品の特色、面白さ、達成、後世への影響など大筋である程度説明できること。平安日記文学の特質を把握した上で、個別の作品の特色、面白さ、達成、後世への影響などが全く説明できない。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
多様で複雑化した現代社会において活躍する技術者に必要となる、人間及び社会に対する複眼的視角を得るために、各担当者が講義する人文社会科学系諸学問の専門的テーマについて学ぶ。受講者は担当者それぞれが展開する多様な人間像や社会像を理解していくことで、人間や社会についてそうした多様な視角が存在すること自体とその意義、そして、将来的に教養を自発的に深めていく際の基本的な方法論などを学んでいく。
上記の主旨に基づいて、平成31年度は「イギリス社会保障の歴史的形成」、「間文化性と哲学」、「グローバル視点から考える社会と英語」、「平安日記文学を読む」を扱う。
授業の進め方・方法:
各担当者が授業概要の趣旨に基づいて、人文社会科学系諸学問の専門的テーマについて講義を行う。
この科目は、学修単位B(30時間の授業で1単位)の科目であり、授業外学習として予習や復習、レポートなどの課題を課す。
・第1回から第7回の「イギリス社会保障の歴史的形成」は、第二次大戦後いち早く「福祉国家」体制を確立し、近代史を通じても福祉の最先進国であったイギリスの経験を、法の策定や制度設計に携わった人物に焦点を当てつつ、講義形式で教授する。
・第8回、9回の「間文化性と哲学」では、言語、身体、生殖、移民といった現代の哲学がテーマとする問題について、間文化性の観点から考察する。Powerpointを用いた講義形式とし、各回の終わりにコミュニケーションペーパーを書いてもらった上で、まとめとしてレポートを課す。
・第10回、11回の「グローバル視点から考える社会と英語」では、World Englishesの考え方をはじめとする英語の多様性やownershipの問題について学び議論することを通し、グローバル社会における英語使用の在り方を批判的に考え、自分自身の英語学習の目標について再考する機会を持つ。
・第12回から第15回の「平安日記文学を読む」では、まず日記文学の概略を説明し、それから個別の作品についての解説をプリント配布の上、行う。講義形式とし、各回の終わりにリアクションペーパーを書いてもらった上で、まとめとしてレポートを課す。
注意点:
・初回の授業の際に伝えた「受講に際しての注意事項」を厳守すること。
・各担当者がそれぞれのテーマに応じたレポートないしは試験でもって評価を行ない、合算して60点以上を合格とする。ただし、各担当者のテーマ全てで、それぞれ設定されている合格基準に達していなければならない。佐藤、宮本、伊勢はレポート、廣重は試験で評価を行う。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 授業概要シラバスの説明とガイダンス 西欧福祉思想の淵源
(廣重10/2)
トマス・アクィナスの極窮権について理解できる。
2週 貧民法から救貧法へ
(廣重10/9)
封建制の崩壊および資本の本源的蓄積の意義について理解できる。
3週 エリザベス救貧法の成立と展開
(廣重10/16)
1601年法の内容と展開について理解できる。
4週 産業革命期の救貧法
(廣重10/23)
定住権、労働能力者救済策、right to reliefをめぐる問題について理解できる。
5週 新救貧法の成立と展開
(廣重11/6)
新救貧法成立の背景と経緯および展開について理解できる。
6週 世紀転換期の社会改革
(廣重11/13)
世紀転換期の社会改革の背景と経緯について理解できる。
7週 両大戦間期
(廣重11/20)
「福祉国家」への道について理解できる。
8週 婚姻と生殖医療
(佐藤11/27)
生殖医療の進歩が生じさせた親子間、夫婦間の関係の変化の要請が、或る特定の文化的背景をもつことを、さまざまな文化の婚姻形態との比較から理解できる。
4thQ
9週 言語、皮膚、ヴェール
(佐藤12/4)
フランツ・ファノンというハイブリッドな出自をもつ哲学者の言語や皮膚、ヴェールをめぐる思索をフランスの移民政策とともに取り上げ、何気ない一言や身振りに潜む文化的疎外を通じて現代の諸問題について考察できる。
10週 World Englishesと英語の多様性(宮本12/11) World Englishesの考え方を通して現代の英語の多様性について理解し自分の意見を述べることができる。
11週 英語のownershipをめぐる諸議論(宮本12/18) 英語のownership問題を学ぶことで英語使用や英語学習について批判的に考え自分の立場を明らかにすることができる。
12週 平安日記文学とは
(伊勢1/8)
平安日記文学について概略を把握し、またその文学史的立ち位置について理解できる
13週 『土佐日記』『蜻蛉日記』を読む (伊勢1/15)
『土佐日記』の先進性、『蜻蛉日記』の後世への影響を理解できる。
14週 『和泉式部日記』、『紫式部日記』を読む(伊勢1/22)
『和泉式部日記』の物語性、『紫式部日記』に現れた作家精神を理解できる。
15週 『更級日記』『讃岐典侍日記』を読む (伊勢1/29)
『更級日記』に見える女の一生、『讃岐典侍日記』の叙情と叙述の関係を理解できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験レポートその他合計
総合評価割合47530000100
基礎的能力47530000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000