触媒化学

科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 触媒化学
科目番号 0057 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 環境システム工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 新版 新しい触媒化学(菊池英一・射水雄三・瀬川幸一・多田旭男・服部英共著、三共出版)
担当教員 津田 良弘

到達目標

(1) 触媒は化学工業に欠くことの出来ないものであり、人類の歴史を変えるような新しい化学工業が登場する陰には必ず新触媒の発見があるといってもよいほど重要であることを理解できること。(2) 触媒開発においては常に機能性や経済性,環境負荷に対する考慮がなされてきたことを理解できること。(3) 本科における有機化学、無機化学、物理化学等の物質工学に関する学際領域として、触媒を用いた有機化学反応について理解できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1(1) 触媒は化学工業に欠くことの出来ないものであり、人類の歴史を変えるような新しい化学工業が登場する陰には必ず新触媒の発見があるといってもよいほど重要であることを理解でき、説明ができる。(1) 触媒は化学工業に欠くことの出来ないものであり、人類の歴史を変えるような新しい化学工業が登場する陰には必ず新触媒の発見があるといってもよいほど重要であることを理解できる。(1) 触媒は化学工業に欠くことの出来ないものであり、人類の歴史を変えるような新しい化学工業が登場する陰には必ず新触媒の発見があるといってもよいほど重要であることを理解できない。
評価項目2(2) 触媒開発においては常に機能性や経済性,環境負荷に対する考慮がなされてきたことを理解でき、説明ができる。(2) 触媒開発においては常に機能性や経済性,環境負荷に対する考慮がなされてきたことを理解できる。(2) 触媒開発においては常に機能性や経済性,環境負荷に対する考慮がなされてきたことを理解できない。
評価項目3(3) 本科における有機化学、無機化学、物理化学等の物質工学に関する学際領域として、触媒を用いた有機化学反応について理解でき説明ができる。(3) 本科における有機化学、無機化学、物理化学等の物質工学に関する学際領域として、触媒を用いた有機化学反応について理解できる。(3) 本科における有機化学、無機化学、物理化学等の物質工学に関する学際領域として、触媒を用いた有機化学反応について理解できない。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
触媒とは化学反応の活性化エネルギーを低下させることによって化学反応速度を増大させる物質であり、化学量論式には現われない物質の総称である。工業的に利用されている金属触媒について、触媒がどのようにして活性化エネルギーを低下させているか、主として石油化学で用いられている触媒反応を例に解説する。また、触媒反応により生産される化学品の人類の歴史への影響や触媒開発が経済性や環境負荷に対してどの様に考慮されてきたかを理解させる。
授業の進め方・方法:
授業計画に沿って講義を行う。触媒化学は有機化学、無機化学、物理化学などにまたがっている学際的領域である。従って、様々な領域からの接近が可能であり、また必要である。触媒化学としての表面的な面白さだけにとらわれず、基礎科目の復習を常に意識しながら講義を進める。また、その日の授業内容について課題を与える。その日の課題と次週の内容を予習しながら学ぶこと。
注意点:
【評価方法と評価基準】期末試験で評価し60点以上を合格とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバスの説明、触媒化学序論(授業外学習:触媒の定義について復習し、次週の内容を予習しておくこと) 触媒の定義について理解できる。
2週 分子の活性化と触媒機能の発現(授業外学習:活性化の方法と固体触媒について復習し、次週の内容を予習しておくこと) 分子の活性化と触媒機能の発現について理解できる。
3週 触媒の利用(授業外学習:石油精製プロセスについて復習し、次週の内容を予習しておくこと) 石油精製プロセスについて理解できる。
4週 触媒の研究と設計(授業外学習:触媒化学と関連分野について復習し、次週の内容を予習しておくこと) 触媒化学と関連分野について理解できる。
5週 プロセス開発と触媒、プロセス開発のニーズ(授業外学習:化学プロセス中での触媒の位置づけや役割について復習し、次週の内容を予習しておくこと) 化学プロセス中での触媒にの位置づけについて理解できる。
6週 生産コストと触媒の寿命、工業用触媒の調製と形状(授業外学習:触媒の劣化の原因、触媒の調整法について復習し、次週の内容を予習しておくこと) 触媒の劣化の原因、触媒の調整法について理解できる。
7週 反応器のタイプと選定(授業外学習:反応器のタイプと選定方法について復習し、次週の内容を予習しておくこと) 反応器のタイプと選定方法について理解できる。
8週 炭化水素のクラッキング(授業外学習:石油のクラッキングと固体酸触媒について復習し、次週の内容を予習しておくこと) 石油のクラッキングと固体酸触媒について理解できる。
2ndQ
9週 炭化水素のクラッキング、接触改質(授業外学習:高オクタン価ガソリン製造法である接触改質について復習し、次週の内容を予習しておくこと) 高オクタン価ガソリン製造法である接触改質について理解できる。
10週 炭化水素の水蒸気改質、無機化学品の製造(授業外学習:水蒸気改質とアンモニアなどの無機化学品の製造について復習し、次週の内容を予習しておくこと) 水蒸気改質とアンモニアなどの無機化学品の製造について理解できる。
11週 未利用炭素資源の転換プロセス(石炭の直接液化)、未利用炭素資源の転換プロセス(C1化学)(授業外学習:FT合成、MTT反応について復習し、次週の内容を予習しておくこと) FT合成、MTT反応について理解できる。
12週 水素の関与する反応(水素化、水素化分解、脱水素、水素化精製)(授業外学習:不均一系触媒を用いた水素化などについて復習し、次週の内容を予習しておくこと) 不均一系触媒を用いた水素化などについて理解できる。
13週 酸化反応(アリル酸化、アンモ酸化)(授業外学習:オキシランの製造法やSOHIO法について復習し、次週の内容を予習しておくこと) オキシランの製造法やSOHIO法について理解できる。
14週 オキシ塩素化法、Friedel-Crafts反応、クメン法(授業外学習:PVC用の塩化ビニルの製造法について復習し、次週の内容を予習しておくこと) PVC用の塩化ビニルの製造法について理解できる。
15週 期末試験
16週 学習のまとめ(授業外学習:期末試験の結果について復習しておくこと) 期末試験の内容について理解を深める。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力100000010
専門的能力900000090
分野横断的能力0000000