流体工学

科目基礎情報

学校 長野工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 流体工学
科目番号 0023 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 4
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:金原粲「流体力学 シンプルにすれば「流れ」がわかる」,実教出版,参考図書:菊山功嗣・佐野勝志「流体システム工学」,共立出版
担当教員 渡辺 昌俊

到達目標

学習・教育目標(D-1),(D-2)は,ベルヌーイの定理と連続の式を理解しており,ベルヌーイの定理と連続の式を利用して応用問題が解答できることとする.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ベルヌーイの定理と連続の式を利用して応用問題が解ける。回路方程式を作成するベルヌーイの定理と連続の式の意味を説明できる。ベルヌーイの定理と連続の式を記述できない。
評価項目2流体と物体相互にに及ぼす力を計算できる。流体と物体相互に及ぼす力を説明できる。流体と物体相互に及ぼす力を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
機械技術者に必要な流体工学全般を扱う.流体の物理的特性と流れの現象について理解した後に,流体が機械や機械部品にどのような作用を及ぼすか理解する.
本科目は,企業で流体機械の開発を担当していた教員が,その経験を活かし,流体工学について講義形式で授業を行うものである.
授業の進め方・方法:
・授業方法は講義を中心とし,演習問題や課題をだす.
・適宜,演習問題をレポートとして課すので,期限に遅れず提出すること.
この科目は学修単位科目であり,授業時間30時間に加えて,自学自習時間60時間が必要である.事前・事後学習として課題等を与える.
注意点:
<成績評価>定期試験(60%),レポート(40%)で評価する.ただし,定期試験の重みは同じとする.学習・教育目標(D-1)と(D-2)は,総合して評価し、60%以上の達成で合格とする.
<オフィスアワー>水曜日 16:00~17:00,担当教員室
<先修科目・後修科目>先修科目は,工業力学,後修科目は,伝熱工学Ⅰ,流体機械,内燃機関となる.
<備考>線形代数,微分・積分,力学の基礎を理解していること.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 流体の物理的性質(密度と比重) 流体の定義と流れの現象について説明できる.単位系,有効数字を理解し,密度と比重が説明できる.
2週 体積弾性係数と圧縮率,完全流体,表面張力 圧縮性流体と非圧縮性流体を説明できる.気液界面に生じる表面張力を説明できる.
3週 流体の流動と粘性・非粘性 粘性の効果,粘度と動粘度を説明できる.
4週 重力の作用下にある流体の圧力 絶対圧とゲージ圧が説明できる.静止流体に作用する力を説明できる.
5週 マノメータによる圧力計測原理 マノメータによる圧力測定の原理を説明できる.
6週 壁面に作用する静止流体力 全圧力と圧力中心を理解し,壁面に作用する力を計算できる.
7週 浮力と浮揚体 浮力と浮揚体を説明できる.浮力の計算ができる.
8週 前期中間達成度評価
2ndQ
9週 流体の速度と加速度,連続の式とオイラーの運動方程式 1次元の連続の式,運動方程式を記述できる.
10週 運動方程式とベルヌーイの式 運動方程式からベルヌーイの定理を導くことができる.
11週 連続の式とベルヌーイの定理の応用 連続の式とベルヌーイの定理を利用して計算ができる.
12週 損失および外部とのエネルギー授受があるときのエネルギー式 エネルギーの授受があるときの損失を計算できる.
13週 流体計測 圧力測定,流量測定の原理が説明できる.
14週 流れの相似性 流れの相似性を説明できる.
15週 流体に関わる無次元量 レイノルズ数等無次元量の意味を説明できる.
16週 前期末試験
後期
3rdQ
1週 運動量の法則 運動量理論を説明できる.
2週 運動量の法則と応用(1) 運動量を利用して流体が物体に及ぼす力を計算できる.
3週 運動量の法則と応用(2) 運動量を利用して流体が物体に及ぼす力を計算できる.
4週 角運動量の法則 角運動量理論を説明できる.
5週 定常流と非定常流,一様流と非一様流,層流と乱流 定常流と非定常流,一様流と非一様流,層流と乱流について説明できる.
6週 流線,流脈線,流跡線 流線,流脈線,流跡線を説明できる.
7週 後期中間達成度評価
8週 管内流における層流と摩擦損失 ハーゲン・ポアズイユ流れの速度分布,管摩擦係数を導くことができる.
4thQ
9週 円管内乱流 円管内乱流の速度分布,管摩擦係数が説明できる.
10週 管内流における圧力損失と各種損失 ダルシー・ワイスバッハの式とムーディー線図を利用して圧力損失を計算できる.
11週 物体に働く流体力(1) 抗力と揚力の定義を理解し,揚力係数,抗力係数から揚力,抗力を計算できる.
12週 物体に働く流体力(2) 円柱,球,翼に働く力を説明できる.
13週 流体機械とエネルギー 流体機械の定義とエネルギーの授受について説明できる.
14週 遠心ポンプとその他のポンプ 遠心ポンプとその他のポンプについて説明できる.
15週 フランシス水車とその他の水車 フランシス水車とその他の水車について説明できる.
16週 学年末試験

評価割合

試験小テスト平常点レポートその他合計
総合評価割合7000300100
配点7000300100