電子回路Ⅰ

科目基礎情報

学校 長野工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 電子回路Ⅰ
科目番号 0014 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:丹野頼元「電子回路」森北出版参考書:桜庭一郎,熊耳忠「電子回路」森北出版
担当教員 柄澤 孝一

到達目標

トランジスタ,FETの各接続,各バイアス方法を説明できる.また,特性曲線を用いて作図を行い,電子回路の解析ができる.トランジスタ,FETの等価回路をZ,Y,h,Tパラメータで表現でき,各種増幅回路の動作量が導出できる.これらの内容を満足することで,学習・教育目標の(D-1)の達成とする.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1電子回路の図式的解析法を説明できる.また, 電子回路を設計できる.電子回路の図式的解析法を説明できる.電子回路の図式的解析法を説明できない.
評価項目2トランジスタ,FETを等価回路で表現できる.また,それらを含んだ基本的増幅回路の動作量を導出できる.トランジスタ,FETを等価回路で表現できる.トランジスタ,FETを等価回路で表現できない.
評価項目3各種増幅回路の動作を説明できる.また,それらの動作量を導出できる.各種増幅回路の動作を説明できる.各種増幅回路の動作を説明できない.

学科の到達目標項目との関係

(D-1) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
トランジスタ,FETなどの能動素子を用いた電子回路の動作解析法(図式解析法,等価回路を用いた解析法)を学び,非同調,同調増幅回路,帰還増幅回路,電力増幅回路の動作原理を理解する.
授業の進め方・方法:
授業方法は講義を中心とし,適宜演習問題や課題を課す.
注意点:
<成績評価>試験(70%)およびレポート課題(30%)の合計100点満点で(D-1)を評価し,合計の6割以上を獲得した者を合格とする.
<オフィスアワー>放課後 16:00 ~ 17:00,電気電子工学科棟3F 柄澤教員室.この時間にとらわれず必要に応じて来室可.
<先修科目・後修科目>先修科目は電気電子計測,講習科目は半導体工学,論理回路ならびに電子回路IIとなる.
<備考>キルヒホッフの第1,2法則を理解し,電流,電圧方程式を構成できること.および電気回路の基礎項目が理解できていることが特に重要である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電子回路の機能,能動素子
能動素子と受動素子の違いについて説明できる.
2週 トランジスタ・FETの種類 トランジスタ,FETの実物と回路記号及び種類,動作について説明できる.
3週 電流増幅率 ベース接地とエミッタ接地の電流増幅率を計算できる.
4週 能動素子の基本接続,バイアス方法 トランジスタ,FETの基本接続を説明できる.
5週 接地方式,固定・自己・電流帰還バイアス
各バイアス方法を説明できる.
6週 電子回路の図式的解析法(1)
 
トランジスタの特性曲線を用いて作図を行い,電子回路の解析ができる. 
7週 電子回路の図式的解析法(2)
 
FETの特性曲線を用いて作図を行い,電子回路の解析ができる. 
8週 電子回路の図式的解析法(3)
 
FETの特性曲線を用いて作図を行い,電子回路の解析ができる. 
2ndQ
9週 これまでのまとめ  これまで学習してきたことを整理し,説明できる.
10週 等価回路を用いた電子回路の解析法(1)
 
トランジスタをT形等価回路で表現できる. 
11週 等価回路を用いた電子回路の解析法(2)
 
トランジスタ等価回路をZ,Y,hパラメータで表現できる. 
12週 等価回路を用いた電子回路の解析法(3)
 
hパラメータと静特性との関係を説明できる.各接地方式によるhパラメータを用いたトランジスタ等価回路を表現できる. 
13週 等価回路を用いた電子回路の解析法(4)
 
各接地方式によるFETの等価回路で表現できる. 
14週 等価回路を用いた電子回路の解析法(5)
 
トランジスタ,FETの高周波等価回路を表現できる
15週 雑音,利得 電子回路の雑音と利得について説明できる.
16週 前期末達成度試験
後期
3rdQ
1週 トランジスタ増幅回路の動作量(1) トランジスタ増幅回路の等価回路から動作量を導出できる.
2週 トランジスタ増幅回路の動作量(2) 動作量の厳密式から近似式を説明できる.
3週 FET増幅回路の動作量(1) ソース,ゲート接地増幅回路の等価回路から動作量を導出できる.
4週 FET増幅回路の動作量(2) ゲート,ドレイン接地増幅回路の等価回路から動作量を導出できる.
5週 RC結合増幅回路(1) 中域,低域のRC結合増幅回路の等価回路から動作量を導出できる.
6週 RC結合増幅回路(2) 高域のRC結合増幅回路の等価回路から動作量を導出できる.
7週 これまでのまとめ これまで学習してきたことを整理し,説明できる.
8週 RC結合形単一同調増幅回路(1) RC結合形単一同調増幅回路の等価インピーダンスについて導出できる.
4thQ
9週 RC結合形単一同調増幅回路(2) RC結合形単一同調増幅回路の電流または電圧の相対利得について説明できる.
10週 帰還増幅回路(1) 帰還する利点,負帰還増幅回路の動作について説明でき
る.
11週 帰還増幅回路(2) 帰還する利点,負帰還増幅回路の動作について説明でき
る.増幅回路の電流・電圧利得,帰還率について導出で
きる.
12週 帰還増幅回路(3) 増幅回路の電流・電圧利得,帰還率について導出で
きる.
13週 電力増幅回路(1) 各電力増幅回路の動作を説明できる.コレクタ(ドレー
ン)効率を導出できる.
14週 電力増幅回路(2) 各電力増幅回路の動作を説明できる.コレクタ(ドレー
ン)効率を導出できる.
15週 電力増幅回路(3) 各電力増幅回路の動作を説明できる.コレクタ(ドレー
ン)効率を導出できる.
16週 学年末達成度試験

評価割合

試験小テスト平常点レポートその他合計
総合評価割合7000300100
配点7000300100