電気回路Ⅱ

科目基礎情報

学校 長野工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電気回路Ⅱ
科目番号 0015 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:早川義晴ほか「電気回路(1)」コロナ社,阿部鍼一ほか「電気回路(2)」コロナ社,参考書:小関修 他「基礎電気回路ノートII」「同 III」電気書院
担当教員 浅沼 和志

到達目標

以下を満たすことで学習・教育目標の(D-1)の達成とする.
1. 相互誘導を理解し,相互誘導回路の計算ができること
2. 直列共振回路と並列共振回路の計算ができること
3. RLC組み合わせ回路のベクトル軌跡を描けること
4. 三相交流回路の各種結線方式が説明でき,それらの電流電圧の関係と三相電力について説明できること
5. 二端子対回路の概念を理解し,入出力インピーダンスや伝達特性を計算できること

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 相互誘導回路相互誘導を理解し,相互誘導回路の応用問題が解ける.相互誘導を理解し,相互誘導回路の基礎的な計算ができる.相互誘導の理解が充分でなく,相互誘導回路の計算ができない.
評価項目2 共振回路直列共振回路と並列共振回路の応用問題が解ける.直列共振回路と並列共振回路の計算ができる.直列共振回路と並列共振回路の計算ができない.
評価項目3 ベクトル軌跡回路のベクトル軌跡の描き方を説明し,R-X組み合わせ回路のベクトル軌跡に関する応用問題を描ける.回路のベクトル軌跡の描き方を説明し,R-X組み合わせ回路の基本的なベクトル軌跡を描ける.回路のベクトル軌跡を描けない.
評価項目4 三相交流三相交流回路の各種結線方式とそれらの電流電圧の関係,ならびに三相電力に関する応用問題が解ける.三相交流回路の各種結線方式とそれらの電流電圧の関係,ならびに三相電力について説明できる.三相交流回路の各種結線方式とそれらの電流電圧の関係,ならびに三相電力について充分に説明できない.
評価項目5 二端子対回路二端子対回路の概念を理解し,入出力インピーダンスや伝達特性に関する応用問題が解ける.二端子対回路の概念を理解し,入出力インピーダンスや伝達特性を計算できる.二端子対回路の概念に対する理解が充分でなく,入出力インピーダンスや伝達特性を計算できない.

学科の到達目標項目との関係

(D-1) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本科目は先修科目の続きとして開講される.前期は相互誘導回路,各種定理法則の順に学んだのちに,電力分野で必要となる三相交流回路を学ぶ.後期では共振回路を学んだのちに二端子対回路の概念および各種パラメータの計算法を学ぶ.
授業の進め方・方法:
授業方法は講義を中心とし,適宜演習問題や課題を課す.
注意点:
<成績評価>試験(75%)および提出課題(25%)の合計100点満点で(D-1)を評価し,合計の6割以上を獲得した者を合格とする.
<オフィスアワー>水曜日 16:00 ~ 17:00,電子制御工学科棟2F浅沼教員室または電気電子工学科棟3F 春日教員室.この時間に限らず,教員の都合を確認のうえ必要に応じて来室することを妨げない.
<先修科目・後修科目>先修科目は電気回路Ⅰ,後修科目は電気回路Ⅲとなる.
<備考>本科目の理解には先修科目の内容を充分理解していることが求められる.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 交流回路の基礎の復習 RLC回路の計算ができる.
2週 ベクトル軌跡(1) 回路のベクトル軌跡が理解できる.
3週 ベクトル軌跡(2) R-X回路のベクトル軌跡を描くことができる.
4週 相互誘導回路 相互インダクタンスで結合された回路およびその等価回路が理解できる.
5週 相互インダクタンスを含むブリッジ回路 相互インダクタンスを含むブリッジ回路の計算ができる.
6週 ノートンの定理,ミルマンの定理 ノートンの定理と既習であるテブナンの定理との関係を理解し,ミルマンの定理も含めたこれら諸定理を用いて未知電流/電圧を算出できる.
7週 平均値,実効値,最大有効電力定理 平均値,実効値を積分を用いて計算できる.また,最大有効電力定理を用いて電力を最大に取り出せる外部負荷を算出することができる.
8週 これまでのまとめ ここまで学んできた相互誘導回路ならびに電気回路の諸定理を整理し,説明・計算ができる.
2ndQ
9週 三相交流の発生と性質 三相交流がいかように発生させることができ,どのような性質をもつかが理解できる.
10週 三相交流と三相結線 三相結線に三相交流電圧を加えたときの電流のながれを理解し説明できる.
11週 相電圧,相電流,線間電圧,線電流 Y結線ならびにΔ結線の相電圧,相電流,線間電圧,線電流の関係をベクトル図や波形図を用いて説明できる.
12週 三相電力 三相電力を理解し,計算できるとともに電力ベクトル図を表すことができる.
13週 三相交流とV結線 V結線で三相電源となり得る理由を説明でき,その電源利用率を計算できる.
14週 Δ-Y変換 インピーダンスのΔ-Y変換の計算ができる.
15週 不平衡三相回路 不平衡三相回路が理解できる.
16週 達成度試験
後期
3rdQ
1週 直列共振 R-L-C直列共振の周波数特性が理解できる
2週 並列共振 R-L-C並列共振が理解できる.
3週 コイルとコンデンサの並列回路 コイルとコンデンサの並列回路が理解できる.
4週 リアクタンス回路網の解析 リアクタンス回路網の周波数特性が理解できる.
5週 二端子対回路の概要 二端子対回路の概念を理解し,各種マトリクス表示と電流,電圧の計算ができる.
6週 二端子対回路の接続 二端子対回路の直列,並列接続を理解し,計算できる.
7週 二端子対回路の接続 二端子対回路の縦続接続を理解し,計算できる.
8週 これまでのまとめ ここまで学んできた共振,リアクタンス回路網解析,二端子対回路の接続に関する知識を整理し,説明/計算できる.
4thQ
9週 二端子対回路の入出力インピーダンス Fマトリクスから入出力インピーダンスを計算できる
10週 二端子対の等価回路 二端子対回路のT形,π形回路について学び計算ができる.
11週 影像インピーダンス 影像インピーダンスについて計算ができる.
12週 減衰器 T形減衰器の伝達特性を計算できる.
13週 減衰器 π形減衰器の伝達特性を計算できる.
14週 フィルタ 定K形LPフィルタとHPフィルタの計算ができる
15週 フィルタ 定K形BPフィルタの計算ができる
16週 達成度試験

評価割合

試験小テスト平常点レポートその他合計
総合評価割合7500250100
配点7500250100