電磁気学Ⅱ

科目基礎情報

学校 長野工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 電磁気学Ⅱ
科目番号 0037 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:山口昌一郎「基礎電磁気学(改訂版)」電気学会
担当教員 百瀬 成空

到達目標

静電界中に誘電体を挿入した場合の諸現象,ならびに静磁界中に磁性体を挿入した場合の諸現象を説明できることに加え,電磁気学Iからとおして学んできたベクトル演算や電磁現象を包括して,マクスウェルの方程式や波動方程式へとつながっていく過程を説明できることで,学習・教育目標(D-1)の達成とする.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
誘電体を取り巻く現象の理解静電界中に誘電体を挿入した場合の諸現象を定量的に説明でき,応用レベルの問題を解ける.静電界中に誘電体を挿入した場合の諸現象を定性的に説明でき,基本的な問題を解ける.静電界中に誘電体を挿入した場合の諸現象を充分に説明できず,基本的な問題を解けない.
磁性体を取り巻く現象の理解静磁界中に磁性体を挿入した場合の諸現象を定量的に説明でき,応用レベルの問題を解ける.静磁界中に磁性体を挿入した場合の諸現象を定性的に説明でき,基本的な問題を解ける.静磁界中に磁性体を挿入した場合の諸現象を充分に説明できず,基本的な問題を解けない.
電磁現象の包括的な理解と発展学んできたベクトル演算,電磁現象を包括的に理解し,マクスウェル方程式ならびに波動方程式へ展開していく流れを説明できる.学んできたベクトル演算,電磁現象の式からマクスウェル方程式ならびに波動方程式へ展開できる.学んできたベクトル演算,電磁現象の式を充分に理解できず,マクスウェル方程式ならびに波動方程式へ展開できない.

学科の到達目標項目との関係

(D-1) 説明 閉じる
産業システム工学プログラム 説明 閉じる

教育方法等

概要:
誘電体および磁性体の諸特性を数式を用いて理論的に学び,第二種および第三種電気主任技術者の資格取得に必要な電磁気学の知識を修得する.さらに,電磁気学Iからとおして学んできたベクトル演算,電磁現象を包括しマクスウェルの方程式や波動方程式へつながっていく過程を学ぶ.
授業の進め方・方法:
① 授業開始までに動画コンテンツを視聴しながらノートを作成するとともに,「内容チェック」(穴埋め問題)に解答する.
② 授業には作成したノートを持参し,ノートを見ながら演習問題を解き,提出する.授業時間中は教員への質問,クラスメートとの相談等,積極的にコミュニケーションを取られたい.
③ 授業で解ききれなかった,または不正解となった課題は過去の動画を観ながら完答を目指し定期試験に備える.
この科目は学修単位科目であり,①~③の総合計時間は90時間(1週あたり6時間)とする.
注意点:
<成績評価>試験(60%)および提出課題(40%)の合計100点満点で(D-1)を評価し,合計の6割以上を獲得した者を合格とする.
<オフィスアワー>水曜日16:00 ~ 17:00,電気電子工学科棟1F 百瀬教員室.この時間に限らず,教員の都合を確認のうえ必要に応じて来室することを妨げない.
<先修科目・後修科目>先修科目は電磁気学Ⅰ,後修科目は電磁波工学,電子工学,ならびに電気電子材料となる.
<備考>(1)諸法則を用いて,電磁気現象を数式で説明できる力を身につけること,(2)微分積分,線形代数で取り扱った内容をよく復習しておくこと,(3)理論式を図に表して,電磁気現象を視覚的に説明できる力を身につけること.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 静電エネルギーとエネルギー密度 コンデンサに蓄えられるエネルギーと,エネルギー密度を理解し,説明できる.
2週 平行平板コンデンサの電極間に働く力 平行平板コンデンサの電極間に働く力を計算できる.
3週 誘電体の分極現象 誘電体の比誘電率と分極現象について説明できる.
4週 誘電体中の電界と電束密度 ガウスの法則を用いて複数の誘電体がある場合の静電容量を計算できる.
5週 誘電体中の電荷間に働く力 誘電体中の電荷間に働く力を計算できる.
6週 誘電体の境界条件 境界面における電界と電束密度との関係について説明できる.
7週 誘電体中のエネルギー/誘電体を入れた平行平板コンデンサに働く力 静電エネルギーの計算と,仮想変位の原理を用いて平行平板コンデンサの電極間に働く力を計算できる.
8週 磁性体の性質 磁性材料の特徴,磁化の強さ,磁化率,透磁率について説明できる.
2ndQ
9週 磁化曲線/磁化エネルギー/ヒステリシス損失 磁化曲線(ヒステリシスループ),磁化エネルギーならびにヒステリシス損失について説明できる.
10週 磁気回路 磁気回路解析法を用いて,磁性体内の磁束などを計算する手法を理解できる.
11週 磁束についてのガウスの法則 磁束についてのガウスの法則を説明できる.
12週 磁性体の境界条件/棒状磁性体の磁荷と永久磁石 境界面における磁束密度と磁界の強さとの関係について説明できる.棒状磁性体の磁化現象と,永久磁石の性質について説明できる.
13週 電磁気学の終着駅 ここまで学んできたベクトル演算,電磁現象を包括的に振り返りながら,マクスウェルの方程式までを理解・説明できる.
14週 電磁気学のその先 マクスウェルの方程式から波動方程式が導かれる過程を説明できる.
15週 前期末達成度試験
16週 授業内容のまとめ

評価割合

試験小テスト平常点演習問題その他合計
総合評価割合6000400100
配点6000400100