応用物理Ⅰ

科目基礎情報

学校 長野工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 応用物理Ⅰ
科目番号 0013 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書A:「初歩から学ぶ基礎物理学 熱・波動」大日本図書,「熱・波動 問題集」大日本図書,教科書B:「初歩から学ぶ基礎物理学 電磁気・原子」大日本図書,「電磁気・原子 問題集」大日本図書,教科書C:「初歩から学ぶ基礎物理学 力学II」大日本図書,教科書D:「フォトサイエンス物理図録」数研出版,教科書E:「新物理学実験」学術図書出版社 / 参考書:「基礎物理学」学術図書出版社
担当教員 柳沼 晋,藤原 勝幸

到達目標

電磁気学の基本的な法則について説明できること.運動方程式を微分形式で表現し,代表的な運動に対して微分方程式を適用できること.電子の基本的振舞いおよび原子モデルについて説明できること.各実験テーマにおいて,その概要説明,操作・測定,データ整理・解析を行い,得られた結果(分かった事項)に対して考察でき,さらに簡単な実験報告書を作成できること.これらの内容を満足することで,学習・教育目標の(C-1)の達成とする.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
電磁気学に関する評価項目電磁気学の基本的な法則について説明することが十分にできる.電磁気学の基本的な法則について説明することがある程度できる.電磁気学の基本的な法則について説明することができない.
運動の微分方程式に関する評価項目運動方程式を微分形式で表現し,代表的な運動に対して微分方程式を適用することが十分にできる.運動方程式を微分形式で表現し,代表的な運動に対して微分方程式を適用することがある程度できる.運動方程式を微分形式で表現し,代表的な運動に対して微分方程式を適用することができない.
原子の世界に関する評価項目電子の基本的振舞いおよび原子モデルについて説明することが十分にできる.電子の基本的振舞いおよび原子モデルについて説明することがある程度できる.電子の基本的振舞いおよび原子モデルについて説明することができない.
実験種目(全10テーマ)に関する評価項目各実験テーマにおいて,その概要説明,操作・測定,データ整理・解析を行い,得られた結果(分かった事項)に対して考察し,さらに簡単な実験報告書を作成することが十分にできる.各実験テーマにおいて,その概要説明,操作・測定,データ整理・解析を行い,得られた結果(分かった事項)に対して考察し,さらに簡単な実験報告書を作成することがある程度できる.各実験テーマにおいて,その概要説明,操作・測定,データ整理・解析を行い,得られた結果(分かった事項)に対して考察し,さらに簡単な実験報告書を作成することができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (C-1) 説明 閉じる
学習・教育到達目標 (C-1) 説明 閉じる
JABEE 産業システム工学プログラム 説明 閉じる

教育方法等

概要:
(1)電磁気学の基本的な法則について学習する(前期前半).(2)物理IおよびIIで学んだ力学を発展させ,運動方程式の解法について学習する(前期後半).(3)現代物理学の基礎(主として原子の世界)について学習する(後期1〜4週).(4)物理学実験(全10テーマ)を実施し,実験の基本的な姿勢・手法を修得する(後期5〜15週).
授業の進め方・方法:
・前期の授業方法は,概要説明と例題演習(グループワークを含む)とを繰り返しながら,最後に確認テストなどで振り返る.適時,レポート課題を課すので,期限内に提出すること.
・後期の授業方法は,1〜4週は座学(実験のガイダンスも含む),5〜15週は実験実習を中心とする.毎週,各テーマの実験報告書を主としたレポートを課すので、期限内に提出すること.
注意点:
<成績評価>前期は,試験(60%),授業中の問題演習・小テストおよびレポート課題(40%)の合計100点満点で(C-1)を評価する.後期は,実験報告書を主としたレポート(95%),CBTを含む小テスト(5%)の合計100点満点で(C-1)を評価する.前期・後期ともに6割以上を獲得した者をこの科目の合格者とする.合格者の成績は,前後期の成績の平均とする.不合格者の成績は,前後期の成績の平均とし,この平均が60点以上の場合は,59点とする.
<オフィスアワー>放課後 16:00~17:00,電気電子・機械工学科棟3F 313物理準備室(必要に応じて来室可).
<先修科目・後修科目>先修科目:物理I,物理II,後修科目:応用物理II.
<備考>物理Iで学んだ力と運動に関する知識,物理IIで学んだ電気現象・波動現象に関する知識,また数学におけるベクトルや微分・積分の計算能力を必要とする.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 光の回折と干渉
(教科書A:pp. 153-157)
ヤングの干渉実験や回折格子の原理を説明できる.
2週 幾何光学
(教科書A:pp. 161-174)
鏡やレンズと実像・虚像の関係を理解できる.
3週 ドップラー効果
(教科書A:pp. 144-146)
ドップラー効果(特に音の場合)を説明できる.
4週 オームの法則
(教科書B:pp. 62-74)
自由電子の運動と電流の強さの関係を理解し,オームの法則や抵抗率を説明できる.
5週 直流回路
(教科書B:pp. 75-84)
電圧降下をエネルギー収支から理解し,キルヒホッフの法則を用いて,複数の抵抗や電池が接続された電気回路の電流を計算できる.
6週 磁場
(教科書B:pp. 86-93)
磁場の考え方や磁力線の性質を理解し,磁極の間にはたらく磁気力(クーロンの法則)および磁場の重ね合わせを説明できる.
7週 電流が作る磁場
(教科書B:pp. 94-97)
電流と磁場の関係を理解し,様々な電流が作る磁場を求めることができる.
8週 電流が磁場から受ける力
(教科書B:pp. 104-108)
直線電流が磁場から受ける力を理解し,磁束密度や透磁率を説明できる.
2ndQ
9週 ローレンツ力
(教科書B:pp. 109-112)
荷電粒子が磁場から受ける力(ローレンツ力)を理解し,磁場中の粒子の運動が説明できる.
10週 電磁誘導
(教科書B:pp. 114-120)
電磁誘導や誘導起電力を理解し,レンツの法則やファラデーの電磁誘導の法則を説明できる.
11週 自己誘導と相互誘導
(教科書B:pp. 121-125)
自己誘導や逆起電力を理解し,コイルのインダクタンスを説明できる.
12週 運動の法則
(教科書C:pp. 8-23)
物体の速度や加速度を微分積分で表現し,平面/空間運動をベクトルで説明できる.
13週 運動の微分方程式
(教科書C:pp. 28-32)
運動方程式を微分形式で表現し,落体の運動に適用ができる.また,いろいろな微分方程式を解くことができる.
14週 抵抗がある場合の落下運動への応用
(教科書C:pp. 33-34)
抵抗を受ける落体の運動に微分方程式を適用して,解くことができる.
15週 単振動に近似できる運動への応用
(教科書C:pp. 35-39)
単振動に微分方程式を適用して,解くことができる.
16週 前期末達成度試験
後期
3rdQ
1週 電子の発見(1)
(教科書B:pp. 167-171)
電磁気学に基づき,真空中での電子の運動を理解し,トムソンの実験と比電荷について説明できる.
2週 電子の発見(2)
(教科書B:pp. 172-177)
電子および放射線が発見された過程を理解し,ミリカンの油滴実験について説明できる.
3週 光と物質の量子性
(教科書B:pp. 182-184, pp. 199-200)
光電効果や物質波の概念を理解し,光の粒子性と電子の波動性について説明できる.
4週 原子モデルとスペクトル
(教科書B:pp. 177-180, pp. 189-195)
原子核発見の過程を理解し,水素原子の線スペクトルとボーアの原子モデルについて説明できる.
5週 各実験種目の目的・原理・方法・装置の概略,測定データの整理・解析,実験報告書の書き方 各実験種目の概略が説明できる.報告書の形式や作成上の注意点を理解し,最小二乗法や測定誤差の計算ができる.
6週 実験種目(全10テーマ)の中から班ごとに指定された1テーマの実施(1) 各テーマについて実験を行い,概要説明,データ整理・解析ができる.得られた結果(分かった事項)に対して考察し,簡単な実験報告書を作成できる.
7週 実験種目(全10テーマ)の中から班ごとに指定された1テーマの実施(2) 各テーマについて実験を行い,概要説明,データ整理・解析ができる.得られた結果(分かった事項)に対して考察し,簡単な実験報告書を作成できる.
8週 実験種目(全10テーマ)の中から班ごとに指定された1テーマの実施(3) 各テーマについて実験を行い,概要説明,データ整理・解析ができる.得られた結果(分かった事項)に対して考察し,簡単な実験報告書を作成できる.
4thQ
9週 実験種目(全10テーマ)の中から班ごとに指定された1テーマの実施(4) 各テーマについて実験を行い,概要説明,データ整理・解析ができる.得られた結果(分かった事項)に対して考察し,簡単な実験報告書を作成できる.
10週 実験種目(全10テーマ)の中から班ごとに指定された1テーマの実施(5) 各テーマについて実験を行い,概要説明,データ整理・解析ができる.得られた結果(分かった事項)に対して考察し,簡単な実験報告書を作成できる.
11週 実験種目(全10テーマ)の中から班ごとに指定された1テーマの実施(6) 各テーマについて実験を行い,概要説明,データ整理・解析ができる.得られた結果(分かった事項)に対して考察し,簡単な実験報告書を作成できる.
12週 実験種目(全10テーマ)の中から班ごとに指定された1テーマの実施(7) 各テーマについて実験を行い,概要説明,データ整理・解析ができる.得られた結果(分かった事項)に対して考察し,簡単な実験報告書を作成できる.
13週 実験種目(全10テーマ)の中から班ごとに指定された1テーマの実施(8) 各テーマについて実験を行い,概要説明,データ整理・解析ができる.得られた結果(分かった事項)に対して考察し,簡単な実験報告書を作成できる.
14週 実験種目(全10テーマ)の中から班ごとに指定された1テーマの実施(9) 各テーマについて実験を行い,概要説明,データ整理・解析ができる.得られた結果(分かった事項)に対して考察し,簡単な実験報告書を作成できる.
15週 実験種目(全10テーマ)の中から班ごとに指定された1テーマの実施(10) 各テーマについて実験を行い,概要説明,データ整理・解析ができる.得られた結果(分かった事項)に対して考察し,簡単な実験報告書を作成できる.
16週

評価割合

試験小テスト平常点レポートその他実技試験合計
総合評価割合60201510500200
前期6015151000100
後期0509500100