機構学

科目基礎情報

学校 長野工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 機構学
科目番号 0016 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電子制御工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:森田 鈞『機構学』,実教出版 ; 参考書:稲田重男・森田 鈞『機構学演習』,学献社
担当教員 堀口 勝三

到達目標

機構設計の基礎である機素・対偶・連鎖を理解し,瞬間中心と速度・加速度,ころがり接触の条件などを求めることができる.また,変速摩擦伝動装置を構成でき,歯車かみ合いや転位歯車,各種歯車の用途と歯車列の速比の計算,遊星歯車機構の特徴について説明できる.これらの内容を満足することで,学習教育目標(D-1)の達成とする.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
機構学序論機構・機素・対偶・連鎖を理解して説明できる.運動の伝達方法を理解してその応用例を説明できる.機構・機素・対偶・連鎖,運動の伝達方法を理解できる.機構・機素・対偶・連鎖,運動の伝達方法を理解できていない.
運動の軌跡と瞬間中心運動の軌跡と瞬間中心の存在を理解して瞬間中心を求めることができる.3瞬間中心の定理を説明・応用できる. 運動の軌跡と瞬間中心の存在を理解できる.運動の軌跡と瞬間中心の存在を理解できていない.
剛体における速度・加速度速度と瞬間中心の関係を理解し,速度・加速度を求めることができる.速度と瞬間中心の関係を理解できる.速度と瞬間中心の関係を理解できていない.
機構における速度・加速度機構における速度をベクトルの作図によって求め,速度・加速度を計算することができる.機構における変位・速度・加速度の関係を説明できる.機構における速度をベクトルの作図によって求め,速度・加速度を計算することができる.機構における速度・加速度を計算できていない.
摩擦伝達装置ころがり接触を理解して設計に応用できる.変速摩擦伝動装置の原理を理解・説明できる.ころがり接触,変速摩擦伝動装置の原理を理解できる.ころがり接触,変速摩擦伝動装置の原理を理解できていない.
歯車歯車歯形の機構学的必要条件,歯形に関する用語,かみ合い率,すべり率,干渉・切下げを理解し,設計に応用できる.歯車の種類,各部の名称,歯型曲線,歯の大きさの表し方,標準平歯車と転位歯車の違いを説明できる.歯車歯形の機構学的必要条件,歯形に関する用語,かみ合い率,すべり率,干渉・切下げ,歯車の種類,各部の名称,歯型曲線,歯の大きさの表し方,標準平歯車と転位歯車の違いを理解・説明できる.歯車歯形の機構学的必要条件,歯形に関する用語,かみ合い率,すべり率,干渉・切下げ,歯車の種類,各部の名称,歯型曲線,歯の大きさの表し方,標準平歯車と転位歯車の違いを理解できていない.
歯車列各種歯車の用途を理解し,歯車列・差動歯車機構の速度伝達比を計算できる.各種歯車の用途を理解し,歯車列の速度伝達比を計算できる.各種歯車の用途の理解,歯車列の速度伝達比の計算ができていない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (D-1) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機構設計の基本として,力や質量は考えに入れずに,機械部品の成り立ちやその組み合わせ方法を学び,それら機構が果す運動・伝動の役割を習得する.
授業の進め方・方法:
授業方法は講義を中心とし,適宜,演習・課題(レポート)を課すので,期限に遅れず提出すること.
注意点:
<成績評価>試験(70%)と演習・課題(レポート)(30%)の合計100点満点で(D-1)を評価し, 合計の6割以上を獲得した者を合格とする.
<オフィスアワー>放課後 16:00~17:00,電子制御工学科棟2F第7教官室.この時間にとらわれず必要に応じて来室可.
<先修科目・後修科目>先修科目はなし,後修科目は設計製図Ⅲ,材料力学Ⅰ・Ⅱとなる.
<備考>初歩の微分積分学の知識,物理における変位と速度,加速度に関する知識などが必要である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 機構学序論 機構・機素・対偶・連鎖について理解できる.運動の伝達方法について理解し,その応用例を説明できる.
2週 運動の軌跡と瞬間中心 運動の軌跡と瞬間中心の存在を理解し,瞬間中心を求めることができる.3瞬間中心の定理を説明・応用できる.
3週 剛体における速度・加速度 速度と瞬間中心の関係を理解し,速度・加速度を求めることができる.
4週 機構における速度・加速度(1) 機構における速度をベクトルの作図によって求めることができる.機構上にある点の速度・加速度を計算することができる.
5週 機構における速度・加速度(2) 機構における変位・速度・加速度の関係を説明できる.
6週 摩擦伝達装置(1) ころがり接触の条件を理解し,だ円車の設計に応用できる.
7週 摩擦伝達装置(2) 角速度比一定のころがり接触を理解し,摩擦車の設計に応用できる.変速摩擦伝動装置の原理を理解・説明できる.
8週 理解度チェックⅠ 機構学の役割を理解し,瞬間中心,速度・加速度を求めることができる.摩擦伝達装置について理解し,だ円車や摩擦車の設計ができる.
4thQ
9週 歯車(基礎) 歯車歯形の機構学的必要条件を理解できる.歯形に関する用語を理解し,ピッチ円直径,歯数,モジュールの関係を説明できる.
10週 歯車(インボリュート歯形) インボリュート歯形について理解・説明でき,かみ合い率を計算できる.
11週 歯車(干渉・切下げ) 歯車の干渉・切下げと転位歯車について理解し,干渉を考慮した歯車設計ができる.
12週 歯車(用途) 各種歯車の用途について理解・説明できる.
13週 歯車列 歯車列の速比を計算できる.
14週 差動歯車列 差動歯車機構について理解し,速比を計算できる.
15週 変速歯車装置 変速歯車装置について理解し,応用例について説明できる.
16週 学年末達成度試験 歯車の基礎を理解し,かみ合い率の計算や干渉を考慮した歯車設計ができる.各種歯車の用途を理解・説明,歯車列の速比計算ができる.

評価割合

試験小テスト平常点レポートその他合計
総合評価割合7000300100
配点7000300100